やっつけ映画批評!

主に映画を
あらすじを1行で!
ネタバレ無しで!
簡潔に魅力(たまに罵詈雑言)を!
お伝えするやっつけ映画批評!

ハドソン川の奇跡/90点

2016-10-27 23:05:34 | 映画
ハドソン川に着水した判断は正しかったのか





苦手な実話ですが、これはちがう!
全員が知ってる結末が結末ではなく、あくまで全編を通じて
「あの時の決断は正しかったのか」の一点突破...!

中弛みすることなく、
機長のやんわり過去、事件当日を回想しながら、突き進む!


結末知ってるにも関わらずこの緊張感は、

9.11の再現ともなりうる市街地付近での事故のインパクト、
なによりオンタイムで何度も繰り広げられる機体故障から着水までの緊迫感...!

着水する前の
「また飛行機突っ込んでくるのかよ」と
着水してからの
「これどうなるの?」の生々しい絶望感がたまらん!
なんで結末知ってるのにこんなに緊張するの...。

演出もわざとらしくなく、ごくごく自然に盛り上げるあたり、憎いねえ...
乗員数確認とか...ひやひややないすか...。


おもわず、他の観客さんと語りたくなる今年ベスト級!
オチのオシャレ度高すぎ問題!

ぜひぜひ!必見ですぞ!

ファミレス(上)(下)/55点

2016-10-19 07:40:44 | 小説
妻の離婚届を見つけてしまった...




子どもが巣立ってしまった中年夫婦、いやおっさん3人を軸に話が展開。

これはね、私の読書レベルが低いのですが...
苗字あだ名がごっちゃで誰が誰かあんまりわからね〜 もちろんページ遡ればわかるし、文脈でもわかるんだけど、
台詞と文中で呼び名変えるの止めてよ〜

三人のナイスミドルなおっさんが、食を共通点にリスタートする、
というのは«あり»なんだけど、
どうにも話し運び、そんで着地点が好きになれない。


突然やってきた同居人は居付く説得力皆無だし、
離婚の理由は表面的だしよ、もっとあるだろ、ドロドロしたやつ。セリフだけで足りるのかいな、
そんでアプリの開発ってなんだよ、いつまでも収入あるかのように語ってるけどさ...

料理観も結局波立っただけで、なんか変わったんか?
そして生徒!なんかしたか?!ばばあが糞なまんまじゃねーか?それ?
解決したのか?あれ

俺たちナイスミドルだろ〜
でもなかなか苦労してるんだぜ〜

のワイルドスギちゃんのかっこいい版のようなお話は苦手すなあ


何者/60点

2016-10-17 06:34:23 | 映画
就活で集まった五人の男女...。





朝井リョウが抉りまくる人間心理!
直木賞受賞の問題作ですよこれ...。

小説のレビューはむかーし書いたのでそちら参照ください。どっか探してください。

映画ですが、小説読んでる分内面えぐりが足りなさすぎる!
主人公の万能感が弱りすぎててミスリードがなりたってないんじゃまいか?
という部分もありますが、

舞台という装置を新たに取り入れ、
ハートレスな就活と血の通った舞台俳優さんたちの比較がしんどいのよ...。

ちゃんと自分の言葉で思いを伝えられているのははたしてどっちよ、
ホントにしたいこと、
金銭関係なく、優劣関係なく、能力関係なく、
本気で挑めるっていうのは、かっこ悪くても、かっこいいのよ。

心の中をさらけ出すことって、どんどん少なくなるし、年取るとかっこ悪いように見えるんだけど、、
心の中をさらけ出さずにすむサラリーマンになってくんだよなあ。

結局演じたくなかったものを演じるようになるのよな...。

ミスリードの下手くそさと、心の中えぐりが全然足りないのはおいておいて、


小説になかった演劇ドキュメンタリという要素を加えたことで血の通った、作品になったよなあ...。
こういうのもありよな

誰かの言葉で話すのではなく、
自分の言葉で自分を語れるようになることが、何者かになる第一歩なのよね。

嗤う淑女(中山七里)/70点

2016-10-12 19:25:11 | 小説
美女が詐欺します




たったそれだけの設定を
各被害者たちの目線で、圧倒的美しさで語らすという、さすが中山七里!
読ませるよね〜話作りうまいよね〜

もろにあの話をひとりでやっちゃった設定なんだけど、
人物に説得力があるので、ぐびくびいけます。

ひとつひとつの事件がロジカルで、たぶんそうなっちゃうよな...の人の心の追い方追い込み方がうまい。

にしても美人が頭よくして悪さしたらたまらねーな!
オトコはいわずもがな、
女の人もこんな人に気にかけてもらえるだけで、たまらないんじゃまいか!?

そしてキャストかんがえるのおもしろいからみんな読んでくれ...。

あっちほど長くないから...


アポロンの嘲笑(中山七里)/80点

2016-10-12 19:24:32 | 小説
3,11直後に起きた殺人事件を追うと、国を揺るがす大事件に...!




原発東電批判を強烈にしながら力強くも緻密な話し運びでどんどん読めます。

殺人犯の目的不明な逃走劇をメインに、彼の過去をあぶり出す過程、全く別の公安が追う事件、そして主人公の価値観、復興の絶望とが、徐々に集約されてく様は見事!

ひょーーこれぞエンタメよなあ。
結局の動機というか、隠しダネは?あるけども、そこまでの
極限サバイバルと、じわじわ謎解きが面白すぎるので、気にしません!


さて、実際どうなのよ...。