やっつけ映画批評!

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お伝えするやっつけ映画批評!

ドントルックアップ 2021 75点

2021-12-26 21:36:17 | 映画
ドントルックアップ 2021 145分
75点



地球に衝突する巨大彗星を見つけた
大学院生、、



マネーショートや
バイスなど
実話ベースの
政治・経済を題材にした
ブラックコメディがたまらん
アダムマッケイ監督の
笑えるけどまったく笑えない
地球滅亡カウントダウンコメディです

地球滅亡確定の
巨大彗星みつけたけど
どうすりゃいいの?

どうしたらみんな信じてくれる
どうしたら偉い人は動いてくれるの?

という
アルマゲドンの冒頭のくだりだけで
構成されたようなストーリーですが

まじでめちゃくちゃ面白かったです

マスコミ出演から
大統領との面談
それからの顛末と


地球滅亡がほぼ確定の現実、
科学的根拠のある事実が
そこまで迫っているにも関わらず

その事実に対しての周囲の反応との
ギャップが
ギャップコメディ的にまず笑えるんだけど
その笑い終わったあとの絶望

そんときはいいかもしれないけど
未来どうなの

っていう
何度人類が経験すればいいかわからない
歴史の繰り返しに呆れつつも

新型コロナでも嫌という程
味わった
科学的根拠による揺るぎない事実の軽視

ですよね

たとえばコロナ禍で

テレビであたりまえに見るのようになった
アクリルボードとか

何の根拠に基づいて取り付けてるんだろう
ホントに意味があるんだろうか
ちゃんと効果の検証したのかな?

とか
なんで世界中はPCR検査なのに
日本は抗原検査なの
とか

科学的根拠に基づかない
一部の権力者の
勝手な判断に拠る
事実のねじ曲げ

が発生していく過程とその結末までを
まざまざと見せつけてくるので

なんで人間ていつもこうなんだろう的な
諦め、そんでやはり政治・経済への
絶望ですよね

個人の力ではもちろん
科学の力も及ばない
結局のところ誰かの気分で
世界って動いてるんだ

っていうことですよね


でもって
映画のタイトル
ドントルックアップ

直訳すると検索するな
劇中では空を見るな
ですけど

はたして作り手の本音はどっちなのか

何も調べるな空を見るなスマホを見てろ
なのか

それとも
調べろスマホじゃなくて空を見ろ
なのか

皮肉が効いたタイトルの奥行きも
もう最高ですよね

はい

ということで
ドントルックアップは
突飛な設定と思いきや
実は人類の核心を突いてくる
素晴らしい笑えないブラックコメディ映画でした〜

街の上で 2021 65点

2021-12-13 21:42:03 | 映画
街の上で 2021 130
65点


下北沢で暮らす若葉竜也、、





今泉力哉監督のオリジナル脚本映画です

オール下北ロケで
それまでの今泉力哉作品に出てきたキャストのオールスター感もあり、
キャストの化学反応も楽しめるんですが

やはりこの映画最大の魅力は
永遠の
「好き」ってなんだろう
「片思い」ってなんだろう監督の作家性が
全面に出ている

選ばれなかった、
切り取られた、
何かからあぶれた
人たちの気持ちの交錯の機微が
絶品でした

彼女に振られた男
映画製作チームにハマってない女の子
彼氏に死なれた女の子
彼女に振られた男

と出て来る人みんながみんな
何かから選ばれなかった
何かから切り取られてしまった
人達で

その各々切り取られたエリアが
ふと交差する交錯する瞬間の
会話が

ドラマチックな展開があるわけではないんですが
ものすごく落ち着いたごくごく
自然な会話なのに

めちゃくちゃ愛おしいんですよね


その会話の中にうっすらとある
男と女のうっすらとある
新しい恋の予感というか
若干の性の匂いみたいな

そこの距離感がまたたまらなくて
会話ばっかりの
とても静かな映画なんですが

終わってしまうのが
惜しいとすら感じる
不思議な魅力がありました

誰かに切り取られたけど
たしかに僕はここにいる

誰かに存在を否定されたけど
僕は今日も僕を肯定して生きている

昔は下北発のミュージシャンとか
アーティストとか
いたけれど、いまは若い人も減って
だんだんと選ばれなくなってきているらしい
下北沢の舞台感も相まって

なんとも言えない哀愁と愛しさが
詰まった
ぶっちゃけ退屈なんだけど
とても好きな青春群像劇映画でした〜