やっつけ映画批評!

主に映画を
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簡潔に魅力(たまに罵詈雑言)を!
お伝えするやっつけ映画批評!

ヤクザと家族 2021 70点

2021-05-26 22:00:32 | 映画
ヤクザと家族 ザ・ファミリー 2021 136分
70点

ヤクザになった綾野剛...



監督は新聞記者の
藤井みちひとさん

原作のないオリジナル企画ということです


半グレっぽい生活をしていたら
なんかヤクザに入ることになって
そこから時間が流れて
さらに時間が流れてと

ヤクザに入った1999年
ある事件が起きた2005年
そして
2019年のヤクザと

大きく3つの時間軸を辿っていく
ダイナミックな構成となっておりました


ヤクザとして綾野剛が
成長していきつつ

時代の変化に伴う
コンプライアンス、倫理観の変化
ついで反社会的勢力に対する
法改正や世間の風当たりの強さの変化など

綾野剛自身の内側の変化と
周囲の環境、時代、などの外側の変化が
ありつつも


そうした移ろいのなかで

自分は変わってないけど
他人は変わっちゃったもの

みたいな
色んな種類の
色んな感情の変化と

それらのぶつかり合いは
非常に見応えがあって

最初から最後まで
いい映画観てるなあって
感じがありましたが


やっぱり
どこか苦手な藤井みちひと監督作品特有の
「まーそうなっちゃうよね」
的な先読みしやすいストーリー展開

っていうんですかね

もっといえば
まーこの手の話だったら
予想できちゃうし、
全然受け身が取れちゃう

受け身取れちゃう話
どっかで見たことある話ではあるので

先読みできちゃうからこその
テンポの悪さのようなものも
感じながら観ていたのも正直なとこですが


時代の変化に翻弄されながら
ボロボロになりながら
なんとか自分なりの美学にしがみついて
生きていこうとする

不器用な男の姿に心揺さぶられ
胸にずしりとくらってしまった
ファミリー映画でした〜


オフィシャルシークレット 2020 70点

2021-05-23 00:22:51 | 映画
オフィシャルシークレット 2020 114分
70点


イギリス政府職員の女性は
国家のイカサマを新聞社にリークする、、





監督はツォツィ
アイインザスカイの
南アフリカ共和国出身
ギャヴィンフッドです

2001年の9.11を発端にした
いわゆる
イラク戦争が始まるか始まらないかの
2003年の実話を元にした

ポリティカルサスペンス映画です


イラク戦争の正当性を捏造するような
指示を受けたけど

これっておかしくね?
こんな作られた根拠を元に
戦争開始しちゃうの?

何万人死ぬのこれ?


っていう
全人類が共通で持たなければならない
戦争反対のあたりまえを

ねじまげようとする国家

ついでその
戦争反対を声に出した公務員を
全力で潰しにかかる国家権力との
謎の戦いの

はじまりから結末までを
丁寧に
けれどテンポよく描いていくので

若干の地味さはあるけれど
最後まで大人な緊張感を持って
楽しく見ることが出来ました


とくに
裁判の焦点が面白くて

国家機密を流出させた公務員は
原則として悪いんだけど

その国家機密がとんでもない
悪巧みだった場合どうなのよ

というか
悪巧みかどうかを判断する人って誰よ?

というか
その判断する人って
誰が選んでいるの?

っていう
こう
何層かあるのに
大きな力が働く核心に次第に迫っていく

裁判の焦点
ついで
着地点も面白くて


法廷もの好きとしては
お気に入りの法廷ものがまた増えたなと
嬉しい気持ちになりました

うーん
この主人公みたいに
ちゃんとした正義感と
真実に基づいて判断できる人
公務員がもっとちゃんといたら


この終わってる国
日本も少しはマシになると思うんですが

三権分立もろくに出来ない
どころか
司法立法行政歪めまくりの
独裁国家日本には

ちょっとレベルが高すぎる題材だなとも
感じた

力作ドキュメンタリー
法廷ポリティカルサスペンス映画でした〜

とんかつDJアゲ太郎 2020 40点

2021-05-20 00:39:20 | 映画
とんかつDJアゲ太郎 2020 100分
40点

とんかつ屋さんの長男アゲ太郎は
クラブを盛り上げるDJになろうとするが、、




原作は少年ジャンプ+の同名漫画

監督はチワワちゃんの二宮建さん
ということで
若干期待もしましたが、

どうにもこうにも
悪い油であげたトンカツのような
ギトギトして胃もたれしてしまう
ダメダメ作品でした


フロアもトンカツも上げれる男になる
という
物凄くキャッチーな宣伝文句もあって

序盤の展開、
DJと出会い、DJの練習してくと同時に
なにやらとんかつの仕事も上達して

全く関係ないことが実は練習になって
勝手に上達してた的な
スポ根コメディになるかと思いきや


DJ側の技術に何があるかわからないので

これをする事でDJとして何の能力が
向上してるのか全く分からない状態が
延々と続くのがまずめちゃくちゃ苦痛でした

そもそも
クラブDJ、ライブDJ、ターンデーブリスト
あたりのDJの種類分けや

DJが何をしているのかを
ちゃんと
説明してくれないので

誰しもが思う
クラブのDJって好きな音楽流してるだけじゃね?
え?何してんの?
曲と曲繋ぐのって難しいの?

っていう
クラブに行ったことある人が全員持つ
疑問が解説されないまま話だけが
ドンドン進んで行っちゃうから

いくらスポ根展開になろうが
まじで全然面白くないし

いざ
流れる曲も
おじさん趣味っぽくて
いやいやそんな曲じゃ
今どき盛り上がらねえよ

ってとこ人を説得するリアリティが
まるでないので

終盤の画面の盛り上がりと
見てる自分の盛り上がりの
温度差がとんでもないことになってました

予告編でブルーノマーズの
ラナウェイベイベー使っちゃってるんなら

それを超える曲出してこなきゃ
話にならないっていうね


DJテクもとんかつ屋さんの
ノウハウも学べなければ

寒い選曲と

練習してないことが本番で出来てしまう
ダメなスポコンの見本のような

ダメダメとんかつ映画でした〜

薬の神じゃない! 2020 65点

2021-05-16 20:36:20 | 映画
薬の神じゃない! 2020 116分
65点

金儲けのためにインドから白血病の薬を
密輸しようとする、インチキ薬局の店長...




中国で実際にあった出来事をベースにした
密輸映画です

お金に困った男が金目的で
インドから中国へ未承認の薬を
密輸したら、患者が喜んで、、

金儲けのはずが、あれ
俺けっこういい事してね?

とふと気がつく、けれど
密輸は立派な犯罪けど
人助けも、なんかしたい、、

っていう
変な板挟み感

金儲けなんだけど人のため
なんだけど犯罪

の辺な板挟み感が善悪の葛藤と
バレるバレないのスリルを生みだしていて
なかなかに楽しめました


ただストーリーにひねりや、
深みがあるかと聞かれると
そうでもなくて

わりとストレートな展開
予想どうりの展開だし

まぁそうなるよね的な着地なので
エンタメ作品というより

こんなことがあったんです的な
世界仰天ニュース的な内容なので

正直、先読みできてしまうことから
テンポの悪さのようなものは感じましたし


警察が密輸捜査をするくだりは
もうひとつなにか
警察側の閃きのようなもの

密輸する側の大胆な作戦のようなものが
あってもよかったかなと
思いました


しかし
全体を通してみると
安定感のある話の構成や
ラストのオシャレな伏線回収なんかは
なかなか刺さるものがあったので

見て損はないなとも感じる
その密輸が誰かの命を救っていた型
ヒューマンドラマ映画でした〜

ドロステのはてで僕ら 2020 65点

2021-05-10 20:12:06 | 映画
ドロステのはてで僕ら 2020 70分
65点


2分先の未来の自分から声をかけられた男...




劇団ヨーロッパ企画の主宰者

サマータイムマシン・ブルースとか
前田建設ファンタジー営業部の
脚本担当

上田誠さんが

脚本を担当した
ほぼ70分ワンカットの

タイムパラドクスコメディ映画です


2分先の未来が映るテレビが
突如として現れて
大混乱

次第に色んな人が集まり
知恵を出し合い

2分先の未来が見れるテレビの
とんでもない使い方を見つけてく

っていうワクワク展開もさることながら

やはり脅威のワンカット

2分後の未来で映っていた自分たちと
同じ動きをしなければならない

という
激ムズ演技

に加えて
2分後という時間的制約の

2つを同時にクリアしていく
難易度の高さに唖然としますし

ついで
きちんとタイムパラドクスのつぼをおさえた
頭を柔らかくしてくれるストーリー展開は

サマータイムマシン・ブルースにあった
バカっぽさ
子供っぽさとは一味ちがって

ちゃんと大人の鑑賞にも耐えれる
大人設計となっておりました


良かったんですけど

ワンカットと2分後設定が
諸刃の剣的な感じで

あーこれね
緻密に計算して
めちゃくちゃ頑張ってるんだなあ
いや〜関係者みんなすごいなあ

ってのが
透けて見えちゃって

映画に映らない裏の部分が
ノイズになってしまって

ちょっと
映画そのものを楽しめなかった感は
正直ありますが

この楽しいアイデアと
とんでもない
頑張りには素直に拍手を送りたい

タイムパラドクスコメディ映画でした〜