神去なあなあ夜話(三浦しをん)/80点

神去村のもろもろの小話...。




都会ぐらしサラリーマンにはガツンとくる田舎での暮らし方、生き方を高卒林業今風高校生が、なあなあ日常の延長として語る。

前作は映画化もされたので、派手な祭り的日常があったのですが、今回はしとしと、派手な盛り上がりはなく、劇画的ではないけど、心にグサグサくる、田舎ディテールの細かさと心の動きがたまらない。

衝撃の過去とそれを受け入れて森で暮らす意味を知れたのはやはり今作でよかった...。

あれをしたらいくら掛かる、これをしたらこんだけ掛かるという、お金主軸のビジネスライクな付き合いではなく、
それこそ人と人FACE TO FACE感がうらやましいんじゃ！

もちろんしんどさ辛さも描くんだけどね。


前作で神去村裏山状態なった人であれば必読ですぜ

ターンオーバー(堂場瞬一)⁄70点

スポーツ短編集！



甲子園、やり投げ、マラソン、アメフト、ラグビー、プロ野球、とほどよい分量と予想外の展開に舌鼓をうてる短編集です。

やっぱりその世界の第一人者でも、トップアスリートでも悩み苦しむのなあ、と同情そして、考えの分からないすごい選手なんかが出てくると、やっぱり思う、
どの世界にも俺の人知を越えたすごいやついるよなあ、、の劣等感というシンパシー！

消耗、ケガ、加齢、相性、戦術と、一般化された問題を、個人の悩みに織り込む旨さは案の定の安心感！

1話30分くらいなので、スポーツ好きであれば読んで損はないと！

クリムゾンの迷宮(65点)

目覚めたらいきなりサバイバルデスゲーム！？




情報を制するものがサバイバルゲームを制する！
の名のもとに(？)男子諸君の妄想
起きたらサバイバルゲームに参加！？そして隣には美女が...
という満点の設定を、本格的な知識と、ゲーム性の高い舞台をもとにフル活用！

本なぞり過ぎだろ！情報与えすぎだろ！
オチやっぱり読めてしまうだろ！さっさと専守防衛やめや！
のツッコミはご愛嬌にて、

伏線感絶妙なアイテムと、日増しな恐怖の増加でページめくる手止まりません！
こりゃ徹夜あるよ！

追い詰められた人間の狂気の末路系はやっぱりたのしいのお

天使の屍(貫井徳郎)/50点

中学生がどんどん自殺していく...。

　　　



うーん。
話は破綻していないのだけれど、平凡。
勘がいい人ならば序盤でわかるんじゃないかの二度読み絶対しない安心設計。

なーんのトリックもないので、
トリックないなら動機か！？と思ったけども、所詮人生経験のない中学生の死にさほど深みがあるわけでもなく、
こちらの予想を裏切るわけでもなく、
わかりやすい話にぽかーん。

ページめくる手え早めたわ！笑

なんとなく歌舞伎町、なんとなく喧嘩、なんとなく薬物と
全部が全部薄っぺらい...。

うーん。

ランオールナイト/65点

かつての腕利き殺し屋がかつてのヤクザ友達の子供を殺してしまった...。
警察からもヤクザからも追われるよ〜




安心のかんばれ無敵のおじさんシリーズですね。

序盤の設定描写が30分位あるので、いきなり睡魔に襲われます。

が、それを超えてからの逃走シーンからは勢い良く見れます。

すべてがあるあるの連続なんだけども、
団地銃撃戦と相手殺し屋のレーザー光線がたまらん！


ヤクザと警察に追われまくる！
の煽りだったと思うけど、途中から追ってくるの殺し屋だけやないかーい
のツッコミはご愛嬌にて...。


地味ながらおじさんの頑張りが良く良く伝わってくる、佳作でした。

いやあ、レーザー光線なかったらどうなってたかわかんないよ笑