1995/01/17
阪神淡路大震災から15年後、偶然であったふたりの男女の夜散歩
主演のおふたり森山末来とサトエリはどちらも幼少期、神戸で育ちました。
手持ちカメラで照明もないし、本当に手作りって感じの映像で、出鼻をくじかれたのだけど、映画に入ると震災の経験からくるさまざまな思いが胸をつつく。
町はきれいになった。けれど心からそれを取り除くことはできない。建物は変わっても‘景色‘は変わらない。
ちなみに夜中ひたすら歩き続けるだけの映画なんだけど、やっぱこれ好きだわー
キャラクターの性格がふわふわしてたり、最初の展開がむりくりすぎたりと、見ていてちょっと不快なんだけども、ときたま出てくる演技じゃないその人の本当の思いが力強くて心に響く。
震災から15年経って、経緯も性格も職業もなにもかもちがうのだから、震災をキーワードに話をしていてもすれ違うのはあたりまえ。
なんだけど、夜の散歩で次第に互いが互いの傷を知り、支えあって、思いがかさなる過程はおもわず涙。
これなのよな。心の歩幅ってのは・・・。
映像も、演技も、話もなにもほめられたもんじゃないけど、そこからにじみ出てくる各人の思いが本物すぎてそれだけで十分。
なんだろうな・・・この余韻は。
ひさびさに本物の映画を見た気がする・・。