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「北斎とジャポニスム」展

2018-02-22 20:22:42 | 美術館・博物館
1月に行った展覧会やリサイタルなどの記録、少しずつ下書きしていたのが体調不良で中断し、こんな時期になってしまった。今更だけどポツポツUPしていきます。(後から振り返れば誤差よね、きっと)



北斎(をはじめとする浮世絵や日本的なもの)が19世紀末~20世紀初頭の西洋美術にどんな影響を与えたのか、をテーマにした「北斎とジャポニスム」展。閉展間際に駆けこんだのでとても混雑してたけど行ってよかった。


浮世絵や陶器などの日本のモノと、それに触発された(と展覧会主催者が考える)西洋のモノを一緒に展示するという興味深い展覧会。
印象派の絵画にみられる大胆な構図が浮世絵の影響であろうことはこれまでも意識していたけれど、それ以外にも様々な種類の美術品が色々なかたちで影響を受けていたことは知らなかった。
例えば人物画のポーズ。くつろいだ自然なポーズや、ちょっと行儀の悪いポーズなど、見る人の存在を意識していない人物画が描かれるようになった。北斎漫画に描かれた変な格好・変な表情の人物に影響を受けたのでは、というのが解説文の趣旨。人物のポーズという視点で人物画を見たことがなかった私には新鮮だった。
(しかし翌日にブリューゲル展で見た田園の人々は自由なポーズだった。 「北斎に影響された西洋絵画」ってフランス限定なのか?)

もうひとつ、この展覧会で新鮮だったのが「波」の衝撃の大きさ。北斎の「神奈川沖浪裏」に影響を受けた絵画や工芸品の多いこと。あの波の描き方に衝撃を受けたのだろうな当時のフランスの人たちは…!とつくづく思った。
ドビュッシーの「海」の楽譜の表紙にもこの波が描かれていて、ドビュッシーを聴きに行く数日前に見たので図らずもリサイタルの予習になった。こんな美術品が次々と生み出されていた時代に作曲されたのか、と肌で感じることができたのは大きな収穫。

あとアンリ・リヴィエールの「エッフェル塔三十六景」に再会できたのも嬉しかったし、ジョルジュ・スーラの岬の絵もよかった。

実はこの展覧会、「面白かったよ」という声のほかに「何でもかんでも北斎の影響って…(こじつけすぎ!)」という感想も目にしていたので微かな懐疑心とともに入館したのだけど、展示室を進んで行くうちに無心で作品を楽しめるようになっていた。

洋の東西を問わず傑作を前にすると邪念は霧散する。良い展覧会でした。






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