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「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971- 2017-」@東京都写真美術館

2017-09-30 21:21:06 | 美術館・博物館
9月24日まで東京都写真美術館で開催していた荒木経惟の写真展。



今年は荒木経惟の写真展が他にも開かれていたけど、今回は1990年に亡くなった妻・陽子さんに焦点を当てた展覧会。
「1 プロローグ」から「14 エピローグ」まで、陽子さんと、陽子さんの存在を感じさせる様々な写真で構成されている。

会場に足を踏み入れてまもなく、あ、と足が止まった。
20年以上前に買って以来、たまに取り出してはページをめくっていた写真集「センチメンタルな旅・冬の旅」の冒頭の写真。



その見慣れた写真が、いま目の前にある。と思った瞬間に目が潤んだ。
写真集よりもずっとたくさんの「センチメンタルな旅」の写真が並んでいて、ふたりの旅行先が九州だったことを初めて知った。
(それにしても、ページを繰って1枚ないし2枚ずつ見ていた写真が、会場の壁に並んで一望できるというのは不思議な感覚だった。どんな形で、どう目に入ってくるかで一連の写真の印象も変わってくるなぁ)

「4 陽子のメモワール」
いろいろな陽子さんの写真。


川原を自転車で走る陽子さん。屈託のない笑顔


「愛のバルコニー」というタイトルの写真は、この写真展に足を運んだきっかけになった1枚。

「5 食事」
陽子さんが作った食事(だけ)を写した写真の数々。病気がわかって以降「テーブルライト1灯、三脚つけて、F32、1秒」で撮影したとの説明があった。「死への情事」とも。

「6 冬の旅」
陽子さんとのさいごの日々を写した「冬の旅」の写真の前では、写真集で目にした説明が次々と頭に浮かんできた。(たまにページをめくるだけだったのに、20年以上積み重ねると説明まで自然と頭に入ってるんだな。我ながら驚いた)

「7 色景」
一周忌を迎えて遺影とともに撮った自身の写真。このときからふたたびカラー写真を撮り始めたそう。

「8 空景」
陽子さんを見送った後の空の写真。
モノクロの写真に着色したもの。
かなしみに満ちた極彩色。

「13 愛しのチロ」
展示の終盤は、200枚もの愛猫チロの写真。
「センチメンタルな旅・冬の旅」と同時期に写真集「愛しのチロ」も買ってたので、こちらも時間をかけて見た。


荒木経惟の展覧会は3回目。
同じ写真家の展覧会を同じ時期に同じ都市で見たのに、受ける印象はすべて違った。
(荒木経惟という写真家のもつ底深さや幅広さはもちろん、展覧会企画者の工夫や熱意によるところも大きいと思う)
その中でも今回は、見た後に温かな気持ちになる写真展でした。







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