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オペラの適温と朝靄の金木犀

2017-10-12 23:34:02 | 音楽
最低気温が17度または10度を下回ると温かい飲みものの売上がぐっと増えるというデータに基づき、JRの駅の自販機はそのタイミングでホット飲料を導入したり増やしたりしているらしい。

少し前がまさにその最初のタイミングだったようで、おかげで最近は駅のホームで温かいお茶を飲めるようになった。
これから秋が深まって最低気温が10度を下回るようになると選択肢がさらに増えるはず。ホットの林檎ジュースとか。

ところで私の場合、どうやらオペラにもこのような「気温の境界線」があるらしい。
少し先に予定している公演があるのだけど、それは先日のモーツァルトと違って「オペラと聞いて連想する、ソプラノ歌手がうぁーーーーっと高い声で絶叫するようなオペラ」で、高温多湿の季節にはどうしても聴く気になれなかった。(吉田秀和氏も「高揚する情念」という絶妙な表現を用いて似たような趣旨のことを書いておられた。その高揚する情念が聴き手の逃げ道をことごとく塞ぎ、迫り、まとわりついてくる!)

そういうわけで予習用に借りたCDはだいぶ前にiPhoneに入れていたものの、駅の自販機にホット飲料が登場するくらいでは耳が受けつけず、10月になって「この頃、なんだか朝晩は寒いくらいね」という時候の挨拶が交わされはじめてようやく聴いてもいいなという気分になった。(調べてみたら最低気温が15度を下回った頃と一致した)



まとわりつく情念も迫りくる音楽も、肌寒い空気の下ではそれほど不快ではない。
そして肌寒くなるとコーヒーも温かいものが恋しくなる。そういえば水出しコーヒーからホットコーヒーにしたのも同じようなタイミングだったな

とはいえ今は、先週末からぶり返した暑さのため予習もいったん中断している。ふたたび飲みはじめた水出しコーヒーを片手に聴くのはカシオーリかブレンデル。ピアノの独奏は季節を選ばないみたい。