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2017春の瀬戸内たび(4)道後温泉で山口晃

2017-07-03 20:07:40 | 国内旅行
6年ぶり2度目の道後温泉。今回の目的は山口晃の作品を見ること。


まずはアーケード入口に設えられた「鈴生り門」。
周りの雰囲気に溶けこみすぎて「アート作品!」感がない。(気づかず通り過ぎてしまう人が多いというのも納得…)


でも細部には「山口晃感」がしっかり宿ってる。


道後温泉本館の裏に回りこむと、山口晃の作品としておなじみの電柱がある。(要電柱・かなめでんちゅう)
これまでは絵やオブジェとしてギャラリーで見てきた電柱が、街なかに立っている!!と涙腺が緩みかけた。


電柱の近くには「見晴らし小屋」も。


電柱と、見晴らし小屋と、道後温泉本館


どちらも道後温泉本館の建物となじんでいる。屋根の色も道後温泉本館に合わせていて、まるで本館の一部のよう。


つぎはホテル葛城へ「最後の晩餐」を見にいく。フロントのところに複製画があり、写真を撮らせてもらった。


山口晃の絵は色々見てきたつもりだけど、この絵は知らなかった。


そしていよいよ道後温泉本館へ!…と思いきや、入口でしばらく待つことに。
(入浴コースによっては待たずに入れるけど、今回選んだ「霊の湯 二階席」は人数制限のため待つ必要があった。リサーチ不足…)


待ち時間にふたたび周辺を撮影

30分ちかく待ってようやく館内へ。

まずは休憩室に通され、荷物を置いたら「霊の湯」へ。こじんまりとして静か。
入浴後、こんどは「神の湯」へ。こちらは霊の湯よりも大きくて、地元の人たちも日常的に利用している様子。常連客と思しき方がお湯の注ぎ口を指して「これ源泉だから、ここに肩や背中を当てると効くわよ~」と教えてくれた。金曜夜のこの日は「まあ混んでる方だけど、週末はもっと混む」のだそう。


神の湯から上がり休憩室に戻ると、お茶とおせんべいが運ばれてきた。


のんびりお茶をいただきつつ、休憩室の一角にある掛け軸も愛でる。
山口晃の電柱三部作。
(これが見たくて、この休憩室に入れる「霊の湯」コースを選んだのです)


さっき外で見た「要電柱」に似てる!


その、さっき見た要電柱が、窓の外に!
(写真だと暗くてわかりにくいですね…)


これは帰り際に立ち寄った「神の湯」コース用の休憩室。ここにも山口晃。


(同じ作品が成田空港(第一ターミナル南ウイング)にもあります)
http://yaplog.jp/voldenuit/archive/3505

あとは3階の廊下を通ったり、「又新殿」を見学したり。
前回行ったときと比べて何倍も堪能できたかも。

それにしても。お風呂に浸かって、お茶を飲んで、くつろいで、って100年前も今も同じように楽しんでいるんだな。

今回はそれらの要素に加えて山口晃の作品まで楽しめて大満足。とてもいい湯でした。






「エリック・カール展」@世田谷美術館

2017-07-03 20:03:37 | 美術館・博物館
7月2日まで世田谷美術館で開催してた、エリック・カール展。
少し前に知人の出産祝いとして絵本「はらぺこあおむし」を贈っていたこともあって、この展覧会にはぜひ行きたいと思っていた。


結局、訪問したのは閉展せまる休日。
予想どおりの大混雑だったけど、色彩あふれる空間をただよって、濁りのない鮮やかな色をたくさん浴びることができた。(疲れはそれほど感じなかった)

色鮮やかな絵の中でとくに気に入ったのはナマケモノの絵。森の中、たくさんの生き物に囲まれた、自然と色彩に満ちた世界。

ほかには赤白青の彩色用刷毛の展示も素敵だった。刷毛そのものに加えてリボンも使った色彩豊かな展示法に感嘆。



エリック・カール氏は1929年アメリカ生まれ。6歳の時に西ドイツに移住し、少年~青年時代を過ごした。ナチス政権の下「退廃芸術」として禁じられていたピカソ、マティス、カンディンスキー、クレーなどの複製画を美術教師の自宅で密かに見せてもらったのが転機の一つになったそう。
彼が最も影響を受けた画家はフランツ・マルクとパウル・クレーで、それら画家たちの作品も会場に展示されていた。彼の絵を違った視点から見ることができたのも今回の展覧会の収穫。

ほかにも、アメリカに帰国(1952年)してグラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートさせた頃の作品も展示されていたり。(初期の作品は、「リノカット」という版画の一種で、モノクロの作品。モチーフは街。かっこよかった!)

一人の芸術家に焦点を当てて、長期間にわたる作品を広く展示する展覧会は面白い。今回の展覧会も、展示の多さだけでなく彼の作品を複層的・多面的にとらえることができるものだったと思う。