ビバさんのさんぽ道

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小樽の街の近代建築(3)

2014-06-18 02:50:19 | 建物(北海道)
小樽郵便局のあるウォール街交差点まで戻り、ここから色内大通りに続く堺町通りに入りました。
この通りは商家建築が多く、今は飲食店やガラス工芸品、海産物などのお土産屋さんが並んでいます。

以下、解説は主に小樽市指定歴史的建造物のホームページによります。


旧名取高三郎商店。
小樽市色内1丁目1番8号
1906(明治39)年築。木骨石造2階建。
山梨県出身の銅鉄金物商名取高三郎が、明治37年の稲穂町大火後に建てた店舗で、裏手に住宅や倉庫を連ねていました。
角地に建ち、西側と南側に開いた形で防火のための袖壁(うだつ)を設けています。
外壁には札幌軟石が使用されており、上部壁体を鉄柱で支える構造となっています。
現在はナトリ株式会社小樽支店・大正硝子館。



旧百十三銀行小樽支店。
小樽市堺町1番25号。
1908(明治41)年築。木骨石造2階建。設計は池田増治郎。
寄棟、瓦屋根で、角地に玄関を設け、上部にギリシャ建築を思わせる飾りを配しているのが特徴です。 外壁は石張りとなっていましたが、その後外壁に煉瓦タイルを張り現在の姿となりました。
現・小樽浪漫館。




旧金子元三郎商店。
小樽市堺町1番22号。
1887(明治20)年築。木骨石造2階建。
金子元三郎商店は、明治・大正期に海陸物産、肥料販売および海運業を営んでいました。店主金子元三郎は、明治32年に初代小樽区長に就任し、その後衆議院議員に数回選出されるなど、小樽を代表する政財界人でした。
両袖にうだつを建て、2階正面の窓には漆喰塗りの開き窓が収まり、創建時の形態をよくとどめています。
現・小樽瑠璃工房運河店。



旧岩永時計店。
小樽市堺町1番21号。
1896(明治29)年築。木骨石造2階建。
時計卸商、初代岩永新太郎の店舗として建てられ、店員で編成された楽団を持つハイカラな商店でした。
平成3年の改修により正面2階のバルコニー、半円アーチ扉、手摺などが修理され、ほぼ創建時の姿になりました。
屋根の装飾、軒の繰り型など細部にもデザインが施され、瓦葺き屋根を飾る一対の鯱は商店では珍しい装飾であり、当時の小樽商人の意気込みが感じられます。
現・小樽オルゴール堂境町店。



旧第百十三国立銀行小樽支店。
小樽市堺町1番19。
1893(明治26)年築。木骨石造1階建。
小樽支店として建てられましたが、業務拡大に応じ明治41年にこの通りの少し北寄りに支店が移されています。
その後、木材貿易商の事務所や製茶会社の建物としても使用されました。
平屋建ての比較的小規模な建物ですが、寄棟の瓦屋根に「トンガリ」飾りを付けた和洋折衷の構成で、明治の面影を良く伝えています。
軒下に刻まれた分銅模様のレリーフが百十三銀行のシンボルです。
現・オルゴール海鳴楼。




元は不明。
小樽市堺町1番18号
1907(明治40)年築。
両袖にうだつを持つ石造の建物です。
現在は小樽 硝子の灯・彩や(いろどりや)。小樽ADVANCE倶楽部の店舗の一つです。




元は不明。
小樽市堺町5番33号。
1912(明治45)年築。
現・小樽瑠璃工房。




旧木村倉庫。
小樽市堺町7番26号。
1891(明治24)年築。木骨石造2階建。
小樽港の繁栄を示す大規模な石造倉庫で、当初は鰊漁場の中継倉庫でした。
内部は中央廊下をはさんで二つの倉庫に分けられ、その廊下には港から引き込まれたトロッコのレールが今も残されています。
昭和58年、内部空間を生かした硝子店舗に再利用され、ほかの石造倉庫の転用を促進させました。
現・北一硝子三号館。

この辺りに来ると、たくさんの観光客であふれかえっています。中国語やハングルや団体さんの声が飛び交って、おちおち建物の写真も撮っていられません。
まだまだ先に心惹かれる建物やメルヘン交差点なるものもあったのですが、諦めてここから引き返して北運河のほうに向かいました。


これがよく見かける小樽の代表的な景観、小樽運河です。
もちろん、ここも観光客でごっただえしていました。



旧浪華倉庫。
小樽市港町6番5号。
1925(大正14)年築。木骨石造1階建。
運河完成の2年後に建てられたこの建物は、市内に現存する木骨石造の倉庫の中でも比較的大規模な建物です。小屋組は、クイーンポストトラス(対束(ついづか) 小屋組)と呼ばれる洋風の構造で、屋根には当時採光用として設置された円形の小屋根があります。荷物を搬出入する開口部は、海側以外に運河側にも配置され、艀(はしけ)へ荷積みする利便さが図られています。
現・小樽運河食堂。


小樽駅からここまで歩きに歩いて、建物の外観だけ写真を撮り、お土産も買わず、休憩もせずだったので、すっかり疲れて帰りの時間も迫ってきたので、ここからタクシーに乗って小樽駅に帰りました。
わずか2時間程度で駆け巡った小樽の町、まだまだ近代建築がごろごろ転がっている町、いつかもっとゆっくりと行きたいものです。





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