阿波池田駅から3つ駅を過ぎるとやがて土讃線のメイン、大歩危(おおぼけ)小歩危(こぼけ)渓谷に差し掛かります。
先ず、小歩危駅。
小さな無人駅です。
続いて、大歩危駅。
ここは特急停車駅で、平家の落人、祖谷(いや)のかずら橋へのバスが駅前から一日数便出ています。
駅から大歩危の渓谷を見ることができます。
この駅を出ると、次の土佐岩原駅との間で高知県との県境になります。
「おおぼけ」「こぼけ」とは変わった地名ですが、「ほき、ほけ」は断崖を意味する古語から来ているようです。越後の「親知らず」「子知らず」のような通行の難所だったところの呼び名でしょう。
この辺り、線路は吉野川に沿って走っていて、車窓の左側から、次に鉄橋を渡って右側から、大歩危小歩危の渓谷を見ることができます。
吉野川の水の色は深いエメラルド色、白い岩肌の大きな岩の間を流れていていつ見ても素晴らしい眺めです。水の色が独特なのは、このあたりの岩が蛇紋岩で、その成分から来ているらしいです。
時々、カヌーや遊覧船で川遊びをしているのを見ることもあります。
ただ、残念なことは、このあたりの山が険しくて、トンネル、トンネルの連続、疾走する列車の窓からは渓谷の姿をまともに写真に撮ることができないことです。
今回も、運転席の横に張り付いて、カメラを構えていたのですが、まともに撮れたのは上の一枚だけでした。
見上げると、険しい山のはるか高い所に民家がへばりついて建っています。
よくあんな高い所に家を建てたものだというような所です。
ここは四国山地のど真ん中、冬は積雪も多いし、暮らしの大変さが伺えます。こんな所だからこそ、落人も住み着いたのでしょう。