2018年1月23日、京都女子大学に行ってきました。
京都駅、四条河原町と京都女子大学を巡回する「プリンセス・ライン」という赤い車体のバスが走っています。これは京都女子大学と附属幼小中高校に通う生徒の足になっているとともに、誰でも乗ることのできるバスになっています。このバスに乗って終点で降りた所のすぐ側に建学記念館(錦華殿)があります。
円形のバルコニーが特徴のこの建物は、1898(明治31)年、西本願寺第22代門主・大谷光瑞師と籌子裏方の新居として、本願寺百華苑内に建てられました。フランス様式の木造洋館です。
女子高等教育の必要性を痛感していた籌子裏方は、光瑞門主の妹、九條武子と、この「錦華殿」において女子大学設立構想をふくらませました。そして、1910(明治43)年、仏教婦人会の援助を受けた私塾「文中女学校」は、「京都高等女学校」として新たな歴史を刻むことになり、京都女子大学の前身である「京都女子高等専門学校」へと繋がりました。
「錦華殿」は1920(大正9)年に京都女子学園に移築されましたが、1981(昭和56)年、老朽化のため残念ながら解体されてしまいました。この消失を憂いた同窓生によって「錦華殿」の復興計画が進められ、建築資金の寄付を受けて、2000(平成12)に再建(復元)されました。再建にあたっては、出来る限り忠実に再現するため、解体時に保存した手すりや装飾部材などを積極的に再利用し、カーテン、天井クロスなどは、原型に近い風合いと色彩を再現しています。また、耐震性・耐火性に配慮し、鉄筋コンクリート造としました。
西側の正面玄関。
東側にも入口があります。
2階 バルコニー。
1階 玄関ホール。
1階
建学記念館(錦華殿)は学内者に向けて、日曜・祝日を含め、毎日午前10時から午後4時まで開館しています。ただし、木曜日及び夏期、冬期、春期休み期間中は休館日です。
一般に向けては、不定期ですが、大学が所蔵する貴重書などの特別展が開催されており、その期間中に見学することができます。
錦華殿のすぐ西に大学の図書館があります。2017年に新築された現代的な建物です。
その地下にあるギャラリーで、2018年1月9日~27日、「京都・馬町空襲の被害地図と写真・パネル展」が開催されていました。
1945年1月16日午後11時20分ごろ、米軍B29が京都市東山区馬町付近に爆弾を投下しました。死者34人、負傷者56人、全焼・全壊31戸、半壊112戸、当時の修道国民学校(元修道小学校、元東山小学校、現在の東山総合支援学校)や京都女子専門学校(現・京都女子大)などが大きな被害を受けました。
空襲の記憶を風化させないために活動している「馬町空襲を語り継ぐ会」は こちら。
京都女子大学文学部坂口満宏教授のゼミの3回生が、新発見になった写真と従来から知られていた写真などを考察し、撮られた場所を推定、それらから写真付きの被害地図を作成、展示されていました。
東山総合支援学校校門横に馬町空襲の記念碑が建てられています。