夜に散歩していると、様々な感情に襲われます。
建ててからニ、三十年は経っているであろうような「家」、
モジュール化された?部品を簡単に組み立てたような、壁が薄そうな現代的な「住宅」、
巨大なマンション群で構成されたコンクリートと人工的緑の「街」、
木材が腐って黒くなっている古ぼけたアパート、
一体何をして儲けているんだろうと不思議になる大邸宅、
家と家との間が比較的ゆったりしている閑静な住宅街、
新しい家と古い家がぎゅうぎゅう詰めに押し込められ押し合いへしあいしているような人間くさい町。
僕の住んでいる場所にはこういった様々な形の家が近接し、また混ざり合っています。そういう意味では不思議な場所なのかな。所得の高い人・低い人が同じ場所に住んでいる。都心にあるような高級スーパー(輸入物ばかり揃えていたりとか)もない(と思う)ので、そうした様々な階層の人たちが同じお店でお買い物していると思う。
そういう家々を見ながら歩き、そこに人間の社会生活があることを感じます。そこには、養育があり、教育があり、親と子の感情的葛藤があり、苦労があり、虚無感があり、結婚があり、通学があり、勉強があり、夢があり、挫折があり、諦念があり、喜びがあり…
いろいろなことを経ながら一つの社会的存在となり、社会的生活を営む人たちの姿を感じます。人間のパワーの強烈さを感じます。
涼風