joy - a day of my life -

日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

「簡単なわけないよ。外国語なんだから」

2006年03月23日 | 語学
終わっちゃいました、「3か月トピック英会話~ハートで感じる英文法」今回も目から鱗の英文法を大西先生は教えてくださいました。

夏に放映されていた分に比べれば多少基礎的なこと以外のことも扱い、それだけに「目から鱗が落ちる」度合いは比較的低かったかもしれません。基本的な知識の盲点を突く度合いは最初の基礎編の方が多いのは当然なのでしょう。

それでも毎回面白かったです。例えば、疑問文は「倒置」という感情を強調する表現のヴァリエーションの一つであり、疑問じゃなくても感情を表わすときは倒置を使う(例“Am I glad to see you!”)ということも私は知りませんでした。

今日の最終回で大西先生が

「英語は簡単だという人がいますが、簡単なわけないよ。外国語なんだから」と言っていました。巷には『英単語1000語で話せる』みたいな題名の本が溢れかえってますが、大西先生はそういう傾向もどこかで批判していました。

そう、外国語が簡単に身につくわけないのでしょう。

大学院時代の私の恩師は英・独・仏・露・ラテン・ギリシャ語ができる語学の達人ですが、その先生が「日本にいて外国語はできない。本当にできるのはずっと現地にいて勉強している人」と言っていたのが印象的です。

夏目漱石は4年間イギリスにいて、「イギリス人のように英語の本を読むことなんて不可能なんだ」と挫折して留学を中断したそうです。

私の知り合った経験でも、語学のできる人ほど「外国語は簡単じゃない」と言います。

だからなんだというわけではないですが、NHKのテレビの語学講座で「簡単なわけないよ、外国語なんだから」とはっきり言う点でも、大西先生という人は信頼できる先生じゃないだろうか、と感じました。


涼風

『シルヴィア 』

2006年03月23日 | 映画・ドラマ
『シルヴィア 』という映画を観ました。 グウィネス・パルトロウ主演の2004年の映画です。

私は全然知らなかったけど、詩人シルヴィア・プラスの伝記映画。文学の才女だった彼女が天才的詩人の男と出会い結婚したけれど、夫と比較しての自分の才能・夫との関係に悩み人生がおかしくなっていきます。

あらすじは意外性がなく、二人の文学的天才の不幸を描くというもの。二人が出会い、夫の仕事と妻の人生との波長が合わず、元々心理的に不安定だった妻の歯車がずれて行き、しかし夫も自分をコントロールできなくなります。

これは事実の映画化であり、事実である以上そこからもっと類型的なエピソード以上のものを描き出すことが制作者たちには求められるようにも思います。

二人が送った人生は特異なようでいて、少なくない人たちが経験しているもの(僕にはそう想像できる)。だとすれば、その表面的にはありふれた話の中から、こちらの心を鷲掴みにするような心理描写があって欲しかった。

人の人生は天才でもそうでなくても、似てくるもの。要は登場人物が天才的な文学作品を生み出したという歴史的事実に寄りかからずに、最終的には人間の普遍性を深く抉るような描写をしなければ、観るものは共感できないのです。

といってもこれはおそらく高いレヴェルの要求で、文学者のふつうの伝記映画を期待する分には失望することはないのかもしれません。

グウィネス・パルトロウはなかなかの演技。個人的にはオスカーを獲った『恋に落ちたシェイクスピア』よりも、それ以降の作品のほうが彼女はどんどん演技が上手くなっているように思います。


涼風