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日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

『シルヴィア 』

2006年03月23日 | 映画・ドラマ
『シルヴィア 』という映画を観ました。 グウィネス・パルトロウ主演の2004年の映画です。

私は全然知らなかったけど、詩人シルヴィア・プラスの伝記映画。文学の才女だった彼女が天才的詩人の男と出会い結婚したけれど、夫と比較しての自分の才能・夫との関係に悩み人生がおかしくなっていきます。

あらすじは意外性がなく、二人の文学的天才の不幸を描くというもの。二人が出会い、夫の仕事と妻の人生との波長が合わず、元々心理的に不安定だった妻の歯車がずれて行き、しかし夫も自分をコントロールできなくなります。

これは事実の映画化であり、事実である以上そこからもっと類型的なエピソード以上のものを描き出すことが制作者たちには求められるようにも思います。

二人が送った人生は特異なようでいて、少なくない人たちが経験しているもの(僕にはそう想像できる)。だとすれば、その表面的にはありふれた話の中から、こちらの心を鷲掴みにするような心理描写があって欲しかった。

人の人生は天才でもそうでなくても、似てくるもの。要は登場人物が天才的な文学作品を生み出したという歴史的事実に寄りかからずに、最終的には人間の普遍性を深く抉るような描写をしなければ、観るものは共感できないのです。

といってもこれはおそらく高いレヴェルの要求で、文学者のふつうの伝記映画を期待する分には失望することはないのかもしれません。

グウィネス・パルトロウはなかなかの演技。個人的にはオスカーを獲った『恋に落ちたシェイクスピア』よりも、それ以降の作品のほうが彼女はどんどん演技が上手くなっているように思います。


涼風


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