まるで、朝靄の揺らぐ静かな湖を、ゆっくり小舟に乗って水面を滑っているよう。
ひたすら静謐で、ごく限られた儚い色彩だけで描かれた水辺を、風も波も何も聞こえない大気の中で、戸惑うように小舟は走ってゆく・・・。
やがて小舟は岸辺へと着き、僕たちをその先に広がっている豊潤な森へと誘う。
湿気を含んだ、ひんやり冷たい空気が、森のあらゆる木々の中を大蛇のようにくねり、巨大な大木たちは屹立している巨人のように僕たちを真上から見下ろしている。
何も足さない。
そして、何も引かない。
そこでは、純粋で汚れのない自然の原石だけが光り輝いている。
でもそれは、眩しくはない。目に焼きつくこともない。
あくまで淡く、緩やかで、心地よい。
そんな光が、輝いている。
鬱蒼と茂る濃い緑色の木々と、それらをしもべのように見下した神の姿に変わった巨木たちが、無言のまま僕たちを見つめている。
誰も抗うことなど出来ない。
静かなのだ。
一切が研ぎ澄まされ、あらゆるものたちが沈黙し、何もかも一切合財が静かなのだ・・・。
「レディオヘッド」のニューアルバムが届いた。
彼らの8作目となるアルバムである。
2007年にリリースした「イン・レインボウズ」から3年が経つ。
新作アルバム「ザ・キング・オブ・リムス」は、ナイジェル・ゴドリッチが再びこのバンドのプロデュースを手掛けている。
まず僕は、ユーチューブで「Lotus Flower」のPVを観た。
あの、今話題となっているトム・ヨークの奇妙なダンスである。それが観たかったのだ。
いやあ、凄かった。
感激してしまった。
最近観たPVの中では群を抜いている。
トム・ヨークのくねくねダンスも素晴らしかったけれど、モノトーンの画面の中で歌われる「Lotus Flower」という曲自体の美しさ。
心が洗われてゆく。
今回のアルバム「ザ・キング・オブ・リムス」は、巷で囁かれているように、トータルで30数分しかなく、キラーチューンも特に見当たらない。
全体的に淡泊で、すんなり聴けるけれど、どこか物足りないという批判もあるようだ。
でも僕は最高に気に入っている。
メランコリーで、淡い単色っぽく、静かで、哀しみが漂っている。
そして、そこに安らぎや落ち着きや安寧さえある。
全8曲、BGM(安易な意味でのBGMではない)として何度でも何度でもリピートし続けて聴く事が出来る、そんな、ストレスのまるで感じさせないアルバムに仕上がっているのだ。
お勧めです!
でも本当なら、冬に聴きたいアルバムだなあ。
・・・何も足さない。
そして、何も引かない。
そこには、純粋で汚れのない自然の原石だけが光り輝いている。
でもそれは、眩しくはない。目に焼きつくこともない。
あくまでも淡く、緩やかで、心地よい。
そんな光が輝いている・・・。
「ザ・キング・オブ・リムス」には、独特の儚さがある。
ひたすら静謐で、ごく限られた儚い色彩だけで描かれた水辺を、風も波も何も聞こえない大気の中で、戸惑うように小舟は走ってゆく・・・。
やがて小舟は岸辺へと着き、僕たちをその先に広がっている豊潤な森へと誘う。
湿気を含んだ、ひんやり冷たい空気が、森のあらゆる木々の中を大蛇のようにくねり、巨大な大木たちは屹立している巨人のように僕たちを真上から見下ろしている。
何も足さない。
そして、何も引かない。
そこでは、純粋で汚れのない自然の原石だけが光り輝いている。
でもそれは、眩しくはない。目に焼きつくこともない。
あくまで淡く、緩やかで、心地よい。
そんな光が、輝いている。
鬱蒼と茂る濃い緑色の木々と、それらをしもべのように見下した神の姿に変わった巨木たちが、無言のまま僕たちを見つめている。
誰も抗うことなど出来ない。
静かなのだ。
一切が研ぎ澄まされ、あらゆるものたちが沈黙し、何もかも一切合財が静かなのだ・・・。
「レディオヘッド」のニューアルバムが届いた。
彼らの8作目となるアルバムである。
2007年にリリースした「イン・レインボウズ」から3年が経つ。
新作アルバム「ザ・キング・オブ・リムス」は、ナイジェル・ゴドリッチが再びこのバンドのプロデュースを手掛けている。
まず僕は、ユーチューブで「Lotus Flower」のPVを観た。
あの、今話題となっているトム・ヨークの奇妙なダンスである。それが観たかったのだ。
いやあ、凄かった。
感激してしまった。
最近観たPVの中では群を抜いている。
トム・ヨークのくねくねダンスも素晴らしかったけれど、モノトーンの画面の中で歌われる「Lotus Flower」という曲自体の美しさ。
心が洗われてゆく。
今回のアルバム「ザ・キング・オブ・リムス」は、巷で囁かれているように、トータルで30数分しかなく、キラーチューンも特に見当たらない。
全体的に淡泊で、すんなり聴けるけれど、どこか物足りないという批判もあるようだ。
でも僕は最高に気に入っている。
メランコリーで、淡い単色っぽく、静かで、哀しみが漂っている。
そして、そこに安らぎや落ち着きや安寧さえある。
全8曲、BGM(安易な意味でのBGMではない)として何度でも何度でもリピートし続けて聴く事が出来る、そんな、ストレスのまるで感じさせないアルバムに仕上がっているのだ。
お勧めです!
でも本当なら、冬に聴きたいアルバムだなあ。
・・・何も足さない。
そして、何も引かない。
そこには、純粋で汚れのない自然の原石だけが光り輝いている。
でもそれは、眩しくはない。目に焼きつくこともない。
あくまでも淡く、緩やかで、心地よい。
そんな光が輝いている・・・。
「ザ・キング・オブ・リムス」には、独特の儚さがある。