淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「嗚呼! 東京!」①/306

2024年05月15日 | Weblog
 東京出張。
 朝、午前8時台の新幹線に乗る。満員状態だ。
 新幹線の座席に腰を下ろし、缶珈琲を買い込み、それを飲みながら読まずに溜まった数日分の新聞を丁寧に読んでいたら、いつの間にか「東京駅」に着いていた。
 それほど暑いということではないけれど、人いきれでムンムンする。これこそがいつもの東京の人工的な暑さなんだろう。



 今日は厚生労働省所管の某施設と「東京キャンパス」での打ち合わせ協議が組まれていて、「東京駅」を降りるとそのまま「中央線」へと飛び乗り、目的地である「四谷」を目指した。


 「四ツ谷駅」に降り立ち、まだ少し時間があったので某大学に立ち寄って華やかなキャンパス内を歩く。
 それにしてもモデルみたいに綺麗な学生が目立つ。
 ちょうどお昼休みで、みんなベンチに腰掛け、サンドイッチを食べたり笑いながら話し込んだりしている。
 キャンパスの奥のほうから、何やらシュプレヒコールが聴こえて来たので行ってみると、学生たちがイスラエルによるガザ地区の侵攻を抗議するデモ行進が行われていた。
 午後1時20分からは午後の講義が始まるらしく、それまでのランチタイムの時間を使ってデモをしているのだという。


 「ストップ! ジェノサイド!」と書いた厚紙を高く掲げる男子学生。「大学にイスラエル関連企業の寄付を止めるよう求める」と、女子学生がマイクを持って事務局のビルに向かって叫んでる。
 デモが終わるまで、ずっとその場に立ち尽くして見ていた。
 若い学生たちが、みんな純粋に戦争反対とシュプレヒコールをあげているその姿を見ていたら、思わず涙が零れそうになった。



 別に反イスラエルだとか反ユダヤ主義だとかハマスがどうだとか、そういうこととは別にして、若者たちが今この時代に起こっている悲劇に対して、真摯に向き合い、声を上げている姿にグッときた、ただそれだけだ。
 このデモでイスラエルとハマスが停戦するわけでもないし、理不尽なロシアのウクライナ侵攻が終わるわけでもない。今日も子どもたちは悲しい目に遭い続け、パレスチナの人たちは死んでゆく・・・。
 それでも、こうして安全な場所に佇み、傍観者としてただ学生たちの主張を遠くから見ているだけの愚か者は、これからランチに何を食べようかとか、午後からの打ち合わせのことをあれこれ考えたりしているのだから、涙が零れそうとか、んなもん、何の慰めにもなりゃしない!


 デモが終わった。
 俯きながら某大学のキャンパスを出て、目的地へと歩き出す。
 東京の街はそれでもあっけらかんといつもの調子を取り戻し、何もなかったかのように無寛容にざわついている。


 東京!
 嗚呼、この無慈悲で圧倒的に明るい街が、どうしてこうも気になるのだろう!
 俺は、こんなことをしていていいんだろうか!









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