淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

ゆきのまち映画館の黄昏 25

2010年11月05日 | Weblog
 少しだけくすんだ匂いのするベッドに入り、静かに目を瞑った。彼女と男の子の優しい吐息が聞こえて来た。窓硝子がカタカタと鳴った。風の音に、夜の海のざわめきが混じる。
 僕の胸には、まだ鋭利な疑惑が突き刺さっていた。彼女と、口の利けない男の子。彼女は僕の何かを知っている。そんな気がする。そして、隣で安らかに眠るあの男の子も。   
 全てが不可解な事だらけだ。
 そんな事を考えながら、いつの間にか僕も深い眠りに落ちていった・・・。
 真夜中、目を覚ますと部屋から二人の姿が消えている。映画館の中を虱潰しに探し回ったけれど、二人の姿は何処にも見つけることは出来なかった。
 僕だけが、独り広い映画館に取り残された。






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