kyoの今日を楽しく☆

趣味の陶芸・食べ歩き・映画鑑賞などを通じて毎日を楽しく充実して過ごせたらと思っています!

「BIG RIVER」

2006年07月05日 23時37分48秒 | 映画
今日は、映画のレディースデーなので
気になっていた映画「BIG RIVER」を観てきました!

この映画は、オダギリ・ジョーが単身アメリカへ渡って
全編英語での撮影に挑戦したというもの。

ベルリン国際映画祭で、『最も美しい映画』と評された、
アメリカ・アリゾナ州の壮大な風景の中を
進んでいくロード・ムービーです。

監督は、日本人の船橋淳氏。
この間観た「ブロークン・フラワーズ」を撮った
ロード・ムービーの王様のジム・ジャームッシュ監督の
後継者と目されている人物だとか!

NYに10数年在住している監督が
タイトルの「ビック・リバー」を
様々な人種が集まるアメリカの象徴として名づけたらしい。

ストーリーは・・・
バックパッカーで世界を旅する日本人の哲平(オダギリ・ジョー)は、
消息の途絶えた妻を捜す為
アメリカへ来たパキスタン人のアリ(カヴィ・ラズ)や
心の満たされない生活を送っていた
アメリカ人女性サラ(クロエ・スナイダー)と出会う。
哲平とサラは次第に惹かれあっていく。
成り行きで、3人は共にアリの妻を探すことに・・・。
国籍も、文化も、習慣も違う3人の旅が始まった・・・

とにかく、アメリカ・アリゾナ州のヒーリングスポットの聖地といわれる
モニュメント・バレーの風景が素晴らしい!

ただ、悠然とそこにたたずんでいる風景。
何百年、何万年、何億年と積み重ねられた歴史。
1億6千年前の地層が見えていると言われている
グランド・キャニオンを間近で見た感動を思い出しました。

朝日が昇る時間帯・真昼間の太陽が照りつける時間・
薄暗くなる時間・真っ暗な時間などと
それぞれの時間帯によって、表情を変える景色を見せてくれます。

荒涼とした砂漠・どこまでも続く何も無い大地
広い広い空・・・
このような景色の中では、人間の存在なんてなんて小さいものかと
毎回思わずにはいられませんが・・

しかし、この景色の中でも人間はほんの些細なことで
いらだったり、泣いたり、笑ったり、怒ったり
そうして生きているんですよねぇ。

人種も国籍も文化も習慣も違う3人が
些細なことで、ぶつかり合いながら、
共に旅をするうちに
互いへの敬意と尊重を持って
分かり合おう、認めようと努力していく姿が描かれていきます。

なので、こういう映画を好きな人は、はまると思うし
淡々とした流れが苦手な人は、ちょっと厳しいかも。
私は、かなり興味深く鑑賞したのですが、
隣の妹は、爆睡だったらしい・・・

オダギリ・ジョーは、さすがに映画の勉強の為に
アメリカに留学していたというだけあって
全編英語のセリフで、見事に哲平を演じています!
3人共、自然な演技で、本当にここで出会った3人なのかと思うぐらい。
ドキュメンタリーっぽいのです。


最後に、パンフの中にあった監督の言葉から・・・
「現代アメリカは、再び西部の開拓地のようになった。
 人は互いに疑わしい視線を投げ掛け、
 外面で判断し、検問し、排除する。
 敵意が張る社会の中で
 人はますます孤独になってゆくしかないのだろうか。
 その先はあるのだろうか。
 そんなことを考えるきっかけになってくれればと思う。」