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連想と字源解釈

2006-02-20 22:13:00 | 言葉と文字
 黄という字は象形文字で、火矢の形から出来たのだそうです。
 火矢を指していたものが、「火矢のようなもの」を指すようになり、火矢から連想される火の色の意味から、黄色を意味するようになったとされています。
 象形文字といっても形を似せた対象を指すだけでなく、「~のようなもの」あるいは「~といえば」というふうにそこから連想されるものを意味するようになります。
 このようにすると、いろんな漢字をつくることができますが、解釈もいろんな解釈が出来ます。

 たとえば「鉱」のもとの字である「鑛」は金偏に廣ですが、廣の音が荒と同じで荒金ということで、未精錬鉱石を指すという説が一般的です。
 ところが、廣のなかの黄に意味があるとして、黄色に光る金属を含んだ鉱石だという説もあります。
 文字の形から意味を受け止めようとする説は、うまくはまるときは印象に残り、説得力があるので生き続けます。
 
 「廣」という字はどうでしょうか。
 「广」は大きな家を示すということですが、なかに入っている「黄」はどう説明するのかなと思います。
 一般の説は黄の音は空で、何もないという意味なので、広くて大きいという意味だとしています。
 これで一応納得するのですが、黄は単なる音を示しているのではなく意味を表しているという説はあきらめません。
 黄は文字通り黄色い光で、黄色い光が四方に広がるから廣意という意味になるのだとしています。
 何とか説明するものだなあと感心しますね。
 
 それでは「横」のときは、なんで黄がついているのだろう、まさか横は黄色い木ということではあるまいと思ってしまいます。
 ところが黄は広がる光だとして、中心線からはみ出て広がる横木を意味するというのです。
 こじつけだとは感じますが、なるほど漢字というものは、意味を広げる力が強いなと思います。
 形からの連想も出来るし、似たような音からの連想も可能なので自在に造字が可能となり、意味も膨らませることが出来るのです。
 見れば意味が分かるというようなきちんと限定した意味はありませんが、連想の幅が広いので、時代によって意味が変わっても後付けで説明が可能なため、生き残っていかれるのだと思われます。