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枠組み効果の錯視

2006-02-04 22:30:18 | 眼と脳の働き
 A図は枠組み効果による錯視といわれるものです。
 左側の図では外側の長方形の枠による影響で中の図形は正方形に見えるのに、右側の図ではひし形に見えるというものです。
 中の四辺形は左右とも同じ正方形なのですが、外側にある長方形の向きが違うので、その影響を受けて見え方が違ってくるのです。
 中の四辺形だけに注意を集中して見れば同じ図形に見えるのですが、外側の図形のほうに注意を向けてしまうと違う形に見えてしまうのです。

 この場合も長方形の外の部分に視線を移して(二つの正方形の中間あたり)見ると、二つの正方形は同じ形に見えます。
 長方形と中の正方形をひとつのまとまりとして見るというのが普通の見方ですが、二つの正方形の中間あたりに視線を当てた場合は、枠の長方形よりも中の正方形のほうに注意が向くからです。

 つぎにB図を見ると、A図の場合と比べれば、中の正方形は特に注意しなくても、二つともひし形に見えると思います。
 この場合は中の正方形は黒く塗りつぶしてあるので、自然に中の正方形のほうに注意が向かうため、両方とも同じ形に見えるからです。
 二つの黒い正方形のほうにまず注意が向くので、二つの正方形の配列のほうが沸くとなる長方形の配列より優先して見えるのです。
 光学的にはA図の場合もB図の場合も、中の正方形は同じ形なのですが、注意の向け方あるいは向かい方によって見え方が違うのです。