60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

はっきり認識できる文字数

2006-02-17 23:53:21 | 眼と脳の働き
 30cmくらいの距離から文字を読む場合、大体2.5cm四方のスペースがはっきり認識できる程度といいます。
 視角にして中心から上下左右に2度から2.5度の範囲がはっきり見え、外側に行くほどぼやけてしか見えないといいます。
 そんなことはない、もっと広い範囲がはっきり見えていると思うかもしれません。
 ところが実際ははっきり見えていると思っているだけで、視線を動かさないで中心から離れたところの文字を読もうとすると案外近くの文字も読めないものです。

 2.5cmというと漢字かな混じり文で大体7文字程度といいます。
 これは文字の大きさを9ポイント程度とした場合のことで、文字の大きさによって変わってきます
 文字が大きければもっと広い範囲が認識できそうなのですが、実際やってみると思ったより狭い範囲しかはっきり見えないものです。

 図の一番上の文字を最初の「視」という文字に視線を向けて、そのまま視線を動かさないで右側の字を読もうとした場合、3文字ぐらいまでしかはっきり形が分からないのではないでしょうか。
 先頭の文字に目を当て、視線を動かさない場合読み取れる文字の数は、文字が小さくなるほど増えてきます。
 それでは文字が小さければ小さいほど、多くの文字を読めるかというとそうは行きません。
 文字が小さくなると輪郭ははっきり見えても文字を見分けにくくなるということもありますが、文字数が増えると見えても把握しにくくなります。
 つまり、見えても脳の処理が間に合わなくなるからです。

 もちろんこれは個人差があることで、誰でも2.5cm四方の範囲しかはっきり見えないとか、7文字ぐらいしか一度に読み取れないということではありません。
 練習をして視野を広げればもう少し広い範囲が認識できますし、文字の数も一度により多くを把握することができます。
 そうすることによって、より文章が理解しやすくなり、また目をつかれさせずにすむようになります。