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配列のゆがみ

2006-02-03 22:55:14 | 眼と脳の働き
 重力レンズの錯視やジョバネリの錯視は、整列している図形が近接する図形の影響で配列がゆがんで見えるというものです。
 では、なぜ影響を受けるのかということは説明されていません。
 近接する図形がどんなときに影響を受けるのかということも、事例が示されるだけで説明がありません。
 近接する図形がごく小さなものであれば影響を受けないだろうということは予測できるので、ある程度の大きさが必要だということは直感的にわかります。
 図形の形は丸でも三角でも四角でも影響があるということが分かっているので、後は大きさや形がそろっているかどうかです。
 
 図は大きさや形を不ぞろいにさせてみたものです。
 前回のように形や大きさがそろっている場合と比べれば黒点(黒丸)や縦線がせいれつしているのが分かりやすいでしょう。
 一番上の例では黒点が横一線に並んでいるのは、黒点に注目すればそれほど注意を集中しなくても見て取れます。
 この場合は近接する図形が大きさや形が不ぞろいなのに、黒点(黒丸)は同じ形、大きさなので小さくても注意を引くためです。
 
 次の縦線の場合も水平に等間隔でならんでいることが分かるのにそれほど強い集中力が必要ではありません。
 縦線にのみ注意を集中するのでなく、真ん中の空白部分にしせんをむけ、周辺視野で見ればさらにハッキリと縦線が水平に等間隔で整列していることが分かります。
 近接している図形が不ぞろいであるため、整列している縦線が対照的に見て取りやすくなっているといえます。
 
 下の図形の場合も、数は少ないのですが、隣接する図形が不ぞろいのため、小さな黒点が整列していることが分かりやすくなっています。
 埋め込み図形のようなもので、周りの図形が不ぞろいのため、さほど集中力がなくても整列していることがわかるのです。
 隣接する図形が同じ大きさや形であれば、そちらのほうが大きいので、注意をひきつけてしまい配列がゆがんで見えてしまうのです。