イーハトーブ岩手の水ブログ

岩手の渓流や三陸の海、みちのく奥州の自然にまつわる出来事や話題を伝えます。更にFM岩手「水のラジオ」の情報も掲載。

雨のタイマグラと薬師川

2012年06月11日 | 渓流レポート
9日の土曜日は、午前中から降り出した雨が一日中降り続いた。
週末に姫タケ採りに行こうなどと考えていたが、
結局諦めて読書とデータ整理で一日を終えた。

明日こそは、釣りに行こう・・・と心に決めた日曜日。
前日からの雨が粉糠雨に変わったが、それでも降り続いていた。
そんな中、庭&畑仕事などを一通り追えて一服したあと、
この程度の雨なら、なんとか釣りになるだろう、と考え、
ちょっと時間的には遅かったが、遠野に向かった。

日曜日の遠野時は、やっぱり車の通行量が多く、
いつもより少々時間をかけて遠野市街地に到着。
ガソリンを補給後、真っ直ぐに小烏瀬川に向かったが・・・
なんと大増水!
内陸では小雨が降り続いた程度だったので「この程度なら」と思ったが、
やっぱり北上山系の山では相当降ったらしい。
これじゃ、立丸峠の反対側の小国川も同じだろう・・・と諦めかめたが、
「その支流の薬師川の上流、タイマグラなら釣りになるかも・・・」と
思い立ち、一路荒川高原経由でタイマグラに向かう事にした。

霧が立ち込める荒川高原を越え、小雨のタイマグラ・キャンプ場に着くと、
一台の軽ワゴン車が止まっていた。
川を見ると餌釣り師が、やや増水気味の川で釣りをしていた。
まぁ、餌釣りの後ならフライでも何とか釣りになるだろう・・・・と思い、
まずは、キャンプ場の炊事場で昼食にした。
昨日のメニューは「具無の冷し中華」。
最近は、車に調理用の鍋の他にザルも積んでいるので、
炊事場さえあれば簡単に出来る。
しかも最近は別売りの「冷し中華のタレ」が抜群に美味いので、
麺とタレを別々に買い揃えている。

小雨降る中でも、炊事場には屋根があるので、快適に昼食を終え、
釣り支度を整えていると餌釣り師の方が戻ってきた。
川の様子でも聞こうと思い、「どうでしたか?」と声を掛けると・・・
なんと!
その釣り師は、5年前までこのキャンプ場の管理人だった向田さんだった。
驚いたし、嬉しかった。

聞けば、今は被災地の瓦礫処理の仕事に従事しているという。
大元受けが「鹿島」なので、待遇は抜群に良いらしく、
土日も休みは良いのだが、暇でしょうがないので釣りに来たという。
それじゃ、上流と下流に分かれて釣りをしようという事で、
僕は上流、向田さんは下流で1時間ほど釣りをして、
雨もやみそうにないので、午後2時頃、そろそろ帰るという向田さんを見送った。
帰り際、「6尾しかないが持ってってくれ」と大型の岩魚を6尾、
ありがたく頂いた。
それからまた1時間ほど釣りをして、9尾の岩魚をキープ。
向田さんからもらった岩魚とあわせて15尾は、燻製用に保存する。

向田さんをご存知の皆さんに報告します。
当時の軽トラックは、まだ使っていますが、被災地へ通勤するため
今向田さんは緑の軽ワゴン車に乗っています。
相変わらず元気です。
宮古の街にいる時間が多いので、多少垢抜けしました。
「瓦礫処理が一段落したら、タイマグラに戻るつもりは?」と聞いたところ、
「今運営しているNPOの人間とは絶対に一緒には出来ない!」と
キッパリ断言されました。
あのキャンプ場の焚き火で、向田さんと酒を飲むことは、
これからもたぶんないのでしょうね・・・・。残念ですが・・・

しかし、それでも、昨日小雨のタイマグラに釣りに行って、
本当に良かったと今夜もシミジミ思います。