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ソフト流通の問題

2017-08-06 04:07:33 | Weblog

 おはようございます。

 インターネットの普及が決定的になり、EC以上に私はインターネット上でソフトウェアを流通させるサービスの仕組みに興味がありました。販売より技術開発でした。IBMとマイクロソフトは協業し、パソコンビジネスを拡大してきました。95年秋のCOMDEXの頃、デファクトスタンダードを得ようと両者の争いが激しくなりました。この本はその時代に生まれました。

 端的に言えば、各社はOS/2かWindowsかの選択。すでにMS有利でしたが、IBMの反撃策も予想し、有力日本メーカーは二股をかけていました。業界全体でソフトウェアの標準化や流通や相互活用や、そのための基盤の、オブジェクト指向やソフト開発の枠組み論が盛んに議論されていました。モデルとオブジェクト指向が好きだった私には、面白い研究がたくさんありました。間もなくWindowsの勝利がはっきりし、議論は下火になりました。

 でもこの本はパソコンのOS論争やチップの優劣論争は避けていたようです。私はマイクロソフトが嫌いでした。でもその勝利が徐々に分かってきました。アメリカ市場もマイクロソフト派とそれ以外の戦いが最も激しかった時代だから、サービスの未来を中心に書きましたが、モデルや枠組みが好きで、説明したと今思えました。自分の本を第三者の目で眺め、初めて気が付きました。売れそうな本ではありません。

 私はコンピュータ技術者、販売より、新規商品や革新的な技術が好きでした。IBMが提唱する複合文書処理のオブジェクト指向オープンアーキテクチャー、OpenDocが標準化されるべきと思っていました。この本の第1章第2節はこのような考え方から、ソフトウェア流通を論じているようです。この予測は外れました。複合文書処理もオブジェクト指向も聞かなくなりました。

 日本の多くの開発者はIBMとMSとSUNとアップルの何れかにかけていたと言えるでしょう。しかし、ソフトウェア流通の領域で成功した人はMS中心だった一握り、ほとんどは使われない、後に捨てられたソフト開発や研究をしていたのかも。無駄。今はもっと無駄が増えている。皮肉にも、無駄の解消が一番解決すべき課題かもしれません。

 当時すでに、成功した人の多くは顧客に満足を与える教育や運用やサービスのビジネスをした人、さらにその多くは経営者でした。それは私が学生時代に富士通を目指した理由、アプリとサービスのビジネス。起業しなかったのは能力ゆえに正解。私は会社員時代技術に先走りすぎ、失敗。

 定年後に学校の非常勤をして情報ビジネスの成功の極意がわかったような気がします。顧客へのサービスビジネスと。そしてオブジェクト指向と複合文書処理はもっと分かりやすく本に書くべきでした。遅すぎました。南無大師金剛遍照。

 今日はここまでにします。

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