徒然にふる里を語る

 一市井の徒として、生まれ育った「ふる里」嬬恋村への思いをつづります。

石塔

2009-08-12 17:22:47 | Weblog
 明日は13日、迎え盆 お墓の掃除をする。誰かが草を刈ってくれたのか、あまり伸びてはいない。石塔を洗う。ここに私の父母や祖父母が眠っているのかと思うと、少し感傷的になる。

祖父は私の学生時代、祖母は会社勤めを始めて1年目であった。祖父の時は丁度試験の最中で葬儀に参列することが出来なかったが、祖母の葬儀は給料を貰った直後だったので、有名な銀座の店から果物の詰め合わせを買ってきたもである。

以前、「言葉おりおり」にも書いたのだが、私の伯父にあたる2人の名前が刻まれた石塔が並んで立っている。私はこの2人の顔を写真でしか知らない。1人は陸軍軍曹。もう一人は兵長である。ニューギニアとソロモン諸島で戦死している。激戦の地だ。

結局、兄弟3人の内2人が戦死したという訳だ。かろうじて生き残って帰還したのが私の父親ということになる。時代といえば時代だが、祖父母にとってこの痛手は亡くなるまで癒えなかった気がする。

私が物心ついた頃、祖父はアルコールが入ると愚痴っていた。頼れるやつから戦死して、一番屑が残ってしまった。家が貧しいのは私の父親のせいだと言いたかったのだろう。私にとっては失礼な話だが、祖父の1年忌に真偽を聞くと、親戚が、特に長兄は体格も良く優秀だったと話してくれた。

祖父が亡くなって何年になるだろうか。もう数え直さないと解からない。私が還暦を過ぎているのだ。

汗を流しながら石塔を磨く。