火星の準大接近の10月6日の記事です。
朝日新聞10月5日の天声人語から。
人事課長や経理課長ならどの職場でもおなじみだが、「火星課長」という役職がある
とは知らなかった。今秋、創立100周年を迎えた天文同好会「東亜天文学会」である。
研究者と愛好家が集う場だ▼伝説の火星課長が昨年80歳で亡くなった。福井県出身の
アマチュア天文家、南政次(まさつぐ)さん。観察歴65年、課長在職20年。「火星は
地球の弟星」と説き、国内外の愛好家のまとめ役を果たし、数万枚の緻密な観測スケッチを
残した▼現物を見ると、鉛筆描きの絵が実に鮮やかである。「火星の四季をくまなく観察
するには、地球との公転周期のずれを考えると最低79年かかる」というのが持論。「一生
かけても網羅はできない」と話した▼「本業は大学の数理学者。でも火星研究の時間を奪わ
れたくないとあえて昇進を避け、観測を優先する人でした」。ふりかえるのは観測のバトン
を受け継いだ前福井市自然史博物館長の吉澤康暢さん(75)。おととし夏の「大接近」の
際は、徹夜で観察をともにしたそうだ▼あす6日は火星が地球に2年ぶりに近づく「準大
接近」の日。この時期、望遠鏡をのぞけば火星の表面が驚くほどくっきり見える。火星には
地図もあり、「真珠の海」「オリンポス山」「南極冠」といった呼称が定着しているそうだ
▼ちょうどいま、アラブ首長国連邦(UAE)など3カ国が打ち上げた探査機3機が一斉に
火星をめざして飛んでいる。人類を魅了してきた赤い「弟星」、せめて明晩くらいじっくり
拝んでみようか。
昨日、「南政次さん」で検索し当ブログにたどり着いた方が21人おられた。
2019年9月20日
日本人の火星スケッチ、米国の聖地へ 50年間で数万枚
https://blog.goo.ne.jp/toyowoomera/e/0ee2b8a0a9aae0f5b1757caf9d47032f
2020年10月6日21時の火星
ステラナビゲーター11で作成