ある医療系大学長のつぼやき

鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog

ちょっと残念な知らせ

2010年04月27日 | 日記
さっき、文部科学省から、やはり、冒頭の挨拶はやめにしてほしいという連絡が入りました。かなり上の方のご意見でとのことで、これは残念ながら従わなければなりません。独立行政法人は、完全に独立しているのではなく、文部科学大臣が設置者で、大臣定めた目標を達成する組織なので、かってなまねはできませんからね。それに、文科省と理事長の話すことが違っていては、やっぱりまずいです。

でも、発言はしていただいて良いということなので、機会があれば、誠実に発言しようと思います。

もう、今日は密着取材が2社からあって、疲れました。そろそろ家にかえります。でも、不思議と心が落ち着いてきましたね。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

事業仕分け想定問答集(その2)

2010年04月27日 | 日記
さて、冒頭の説明をし終わると、厳しい質問の嵐が仕分け人から始まりますが、まず、最初の貸付業務について「なぜ独立行政法人でないといけないのか?」「なぜ民間ではいけないのか?」「なぜ国ではいけないのか?」という質問が必ず飛んできます。それに対する私なりの回答案を作ってみました。これは、断っておきますが、文部科学省が作っておられるかもしれない想定問答とはまったく関係のないもので、独立した法人の理事長個人の考えです。

Q:「なぜ、独立した法人でしなければならないのか?」

A:今、国立大学と病院は危機的状況にあり、地域住民や国民に影響を与えかねない緊急を要する事態なので、危機を打開するという目的に特化した法人の存在意義があると思います。そのためには、本センターのような融資、交付、分析、研究、相談の各事業を有機的・一体的に機能させ、力を発揮できる組織で支えることが必要と考えます。これらの機能をばらばらにしたのでは、危機を打開するために最大の効果を発揮できなくなります。

なお、国立大学と病院が自律的に健全な経営のできる環境が整った暁には、本法人の役割は終了したということになります。

Q:民間で行うことはできないのか?

A:民間では、低利長期の融資は困難と思います。また、経営の評価・審査・融資を一体としてできることが望ましいと考えますが、教育・研究・高度医療・地域医療の最後の砦機能を有する極めて特殊な大学病院の適切な経営評価は、他の金融機関では難しいと思います。また、本センターから融資機能をはずすことは、本センターの機能が低下することとなり、地域医療の最後の砦である大学病院の危機を救うというミッションが、それだけ達成できにくくなると思います。

Q:国で行うことはできないのか?

A:貸付業務だけを切り取って国で行うことは、本センターの大学病院の危機を打開する機能が低下することになり、メリットがあるとは思えません。国に本センターの機能全体をそっくり移すことも考えられますが、国ではたとえば有能な外部人材をそろえてチームを手早く形成するというような機動的な人事を行いにくいことから、国よりも融通性のある独立行政法人のような組織の方が、危機を打開するためには、ベターであると思います。

さて、これで、仕分け人の皆さんのご理解をいただけるでしょうか?いただけたらとてもうれしいのですが・・・。

まだまだ、事業がたくさんありましたね。ちょっといそがないと間に合わない!!テレビの密着取材もあるし・・・。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

事業仕分け想定問答集(その1)

2010年04月27日 | 日記
昨夕(26日)、文部科学省で担当課長との事業仕分けに向けての打ち合わせがありました。実は、文科省側は、事業仕分けはすべて文科相で対応したいという意向だったのです。それで、いったん私にも仕分けに出席しなくてもいいという連絡が入ったのです。

私は、「せっかく独法最初の公募で選ばれた理事長なのに、事業仕分けに出席させないとは、いったいどういうことなんですか。私には複数のテレビ局が密着取材をしており、もし、私が事業仕分けの現場に出ないということになれば、ひっこみがつかなくなるじゃないですか!」と強く出席させるように申し入れをして、なんとか了承をえました。

打ち合わせの席でも、文科相側は、事業仕分けの質疑応答は文科相の担当官ですべて対応する予定だというので、私は「単に座っているだけでは、私が出る意味がないじゃないですか。枝野大臣も独法の仕分けで、どうして本省の官僚ばかりが答えるのかとおっしゃっていたじゃないですか。」と、ごりおし。

それで、まず冒頭の7分間の概要説明の時に、私に最初の1分間だけしゃべらせてほしいと強く申し入れをしました。文科相側は「仕分けで理事長が最初に挨拶をするようなことはないですよ。」と難色を示されたのですが、また、ごりおし。

そのあと、意見交換をしたのですが、どうも、文科相側と私の考えていることと微妙に違う点もある。私は、「文科省の回答と違う回答をさせていただくことがあるかもしれないが、それでもかまわないか?」と念をおしました。

でも、事業仕分けの最中に、本省の官僚と理事長とで違う見解を述べるというようなことがおこれば、いったいどうなるんでしょうね?そんな場合に、仕分け人は、いったいどのように評価するのでしょうか?

とにかく、私が仕分けの現場でしゃべらせていただけるかどうかは、私が官僚よりもマイクをいかに早く奪うかということにかかっているらしい。

そんなことで、打ち合わせといっても、想定問答集で緻密に回答を打ち合わせるというようなものではなく、極めてざっくばらんなものになってしまいました。

そうそう冒頭の1分間の説明の草稿をブログの読者の皆さんにお見せしておきましょう。本番では若干修正するかもしれませんが。

冒頭理事長説明草案

私は、独法を通じて始めて公募で選ばれ、4月にセンター理事長に就任した豊田でございます。昨年3月まで三重大学長であり、現場の最前線の経験にもとづき、センターを改革しようと思ってまいりました。
現在の、国立大学、特に大学病院は危機的状況にあります。大学病院は教育・研究・高度医療、そして地域医療の最後の砦という、地域住民および国民にとってかけがえのない役割を担っていますが、交付金の大幅削減等によって現場は疲弊し、唯一日本だけが医学論文数が減少するという異常な事態となり、財務的にも約9000億円の債務を抱え、資金繰りが悪化しています。また、大学の施設費も大幅に不足し、老朽化施設が多く残っています。
本センターは融資、交付、分析、研究、相談機能を通して大学と病院を下支えしていますが、この緊急を要する事態においては、民間を含めた優秀な外部人材を採用し、個々の事業の機能をさらに高めるとともに、融資、交付、分析、研究、相談機能を有機的・一体的に機能させて、力を発揮できる組織をつくり、政策提言を行って、この困難な問題の打開にあたりたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ご家族からの応援メッセージ

2010年04月27日 | 日記
ある三重大医学部生から、ご両親様のメッセージが送られてきましたので、想定問答作成の真っ最中なのですが、ちょっとご紹介しておきましょう。

「私の家族は、 つぼやきブログのファンです。先日、事業仕分けの全国ニュースで、豊田先生をお見かけしたようです。恐れながら、応援させて欲しいということで、両親からのメッセージを送らせていただきます。

三重大医学生の父母より

国の将来の舵取りは、為政者や過去官僚達のためのものではないと思います。しかし疲弊しきった社会をみるにつけ、この惨状を生んでしまったのは、私達国民ひとりひとりではないでしょうか。今再びボタンの掛け違いをしないよう、また社会的人財となりうる志ある医学生や将来ある大学生が立派に育つよう、もう一度、先生の尽力をお願いし、応援します。」


ご家族でつぼやきのファンだなんて、うれしいかぎりです。がんばりますよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする