ある医療系大学長のつぼやき

鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog

事業仕分け想定問答集(その1)

2010年04月27日 | 日記
昨夕(26日)、文部科学省で担当課長との事業仕分けに向けての打ち合わせがありました。実は、文科省側は、事業仕分けはすべて文科相で対応したいという意向だったのです。それで、いったん私にも仕分けに出席しなくてもいいという連絡が入ったのです。

私は、「せっかく独法最初の公募で選ばれた理事長なのに、事業仕分けに出席させないとは、いったいどういうことなんですか。私には複数のテレビ局が密着取材をしており、もし、私が事業仕分けの現場に出ないということになれば、ひっこみがつかなくなるじゃないですか!」と強く出席させるように申し入れをして、なんとか了承をえました。

打ち合わせの席でも、文科相側は、事業仕分けの質疑応答は文科相の担当官ですべて対応する予定だというので、私は「単に座っているだけでは、私が出る意味がないじゃないですか。枝野大臣も独法の仕分けで、どうして本省の官僚ばかりが答えるのかとおっしゃっていたじゃないですか。」と、ごりおし。

それで、まず冒頭の7分間の概要説明の時に、私に最初の1分間だけしゃべらせてほしいと強く申し入れをしました。文科相側は「仕分けで理事長が最初に挨拶をするようなことはないですよ。」と難色を示されたのですが、また、ごりおし。

そのあと、意見交換をしたのですが、どうも、文科相側と私の考えていることと微妙に違う点もある。私は、「文科省の回答と違う回答をさせていただくことがあるかもしれないが、それでもかまわないか?」と念をおしました。

でも、事業仕分けの最中に、本省の官僚と理事長とで違う見解を述べるというようなことがおこれば、いったいどうなるんでしょうね?そんな場合に、仕分け人は、いったいどのように評価するのでしょうか?

とにかく、私が仕分けの現場でしゃべらせていただけるかどうかは、私が官僚よりもマイクをいかに早く奪うかということにかかっているらしい。

そんなことで、打ち合わせといっても、想定問答集で緻密に回答を打ち合わせるというようなものではなく、極めてざっくばらんなものになってしまいました。

そうそう冒頭の1分間の説明の草稿をブログの読者の皆さんにお見せしておきましょう。本番では若干修正するかもしれませんが。

冒頭理事長説明草案

私は、独法を通じて始めて公募で選ばれ、4月にセンター理事長に就任した豊田でございます。昨年3月まで三重大学長であり、現場の最前線の経験にもとづき、センターを改革しようと思ってまいりました。
現在の、国立大学、特に大学病院は危機的状況にあります。大学病院は教育・研究・高度医療、そして地域医療の最後の砦という、地域住民および国民にとってかけがえのない役割を担っていますが、交付金の大幅削減等によって現場は疲弊し、唯一日本だけが医学論文数が減少するという異常な事態となり、財務的にも約9000億円の債務を抱え、資金繰りが悪化しています。また、大学の施設費も大幅に不足し、老朽化施設が多く残っています。
本センターは融資、交付、分析、研究、相談機能を通して大学と病院を下支えしていますが、この緊急を要する事態においては、民間を含めた優秀な外部人材を採用し、個々の事業の機能をさらに高めるとともに、融資、交付、分析、研究、相談機能を有機的・一体的に機能させて、力を発揮できる組織をつくり、政策提言を行って、この困難な問題の打開にあたりたいと思います。

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