ある医療系大学長のつぼやき

鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog

「ある地方大学長のつぼやき」が本になりました。注文は三重大HPへ(送料含め無料)

2010年08月31日 | 日記
今日は、私の学長時代のブログをまとめたブログ本「ある地方大学長のつぼやき」(送料を含め無料)の紹介です。

ほんとうはもっと早く製本化したかったのですが、編集完成直前に国立大学財務・経営センターの理事長に就任し、事業仕分け対応の慌ただしい日々の中でのびのびになって、やっと日の目を見ることになりました。

このブログ本をまとめたきっかけは、昨年三重大でキャリア教育で講義をさせていただいた時に、学生さんから望外の反響をいただいたことでした。それで講義の内容の書き下ろし(私の履歴書)に学生達に読んで欲しい過去の私のブログを加えた形で、キャリア教育の副読本としてまとめてはどうかと感じたことでした。

学生さんたちに興味をもってもらえそうな話題のブログを選んで編集を進めるうちに、徳島大学の青野敏博前学長から、学長時代の業績を非常にビジュアルにわかりやすくまとめた本が送られてきました。それを見させていただいて、私も学長時代に三重大が果たした実績をわかりやすくまとめておく必要があるのではないかと感じました。

青野先生の以前からのポリシーは、たとえば委員会の委員長、学部長や学長などの管理職を引き受けた場合、まずその期間に何を達成するか目標を明らかにして公言し、役職が終わったあと、必ず、何を達成したかを報告する義務があるというお言葉でした。つまりコミットメントの重要性ですね。私も、三重大の産婦人科の教授時代から、青野先生のポリシーをみならってきました。

学長時代の私の最終公演のタイトルは、「私のPDCA自己申告書」というものでした。つまり、P(プラン)については私が中心になって策定した中期目標・計画になりますが、それをどれだけD(実行)したかの報告をさせていただいたということになります。その詳細は文科省に提出した中期目標・計画の実績報告書に書かれているのですが、そのようなものを読んでいただける方は、この世の中で皆無だと思います。やはり、青野先生がされたように、分かりやすく説明をした業績本がどうしても必要と感じました。

しかし、キャリア教育副読本とは別に業績本をまとめるのも、手間や費用が余分にかさみます。それで、ちょっと欲張りなんですが、このブログ本に、業績本としての意味も加えることにしました。つまり、この本は二兎を追った本ということになりますね。それに業績本ということになると、いくらわかりやすい本を作っても、読んでいただける範囲はせいぜい大学の幹部どまりで、一般の方々にはやはり読んでいただけない。でも、ブログ本ということであれば、一般国民や地域住民の方々にも、ひょっとしたら読んでいただけるかもしれない。

そんなことで、キャリア教育副読本と業績本をブログ本で間に合わせるという常識外れの前代未聞の試みをすることになり、私のかなり赤裸々なキャリアの紹介も含んだ極めて人間くさい業績本になりました。

今、大学への予算の削減が取りざたされ、全国の学長さんが緊急声明をお出しになっていますが、まず第一に必要なことは、一般国民や地域住民の皆さんに、大学の果たしてきた役割や意義をご理解いただくことであると思います。

この本が、一人でも多くの学生さんや一般の方々に読まれて、学生さんには将来のキャリアを考えていただくきっかけにしていただき、一般の方々には、法人化以後の地方大学がどのような改革努力をし、どれだけ地域に貢献しているのか、その存在意義をご理解いただく一助にしていただくことを期待しています。

構成
第1章 学生へのメッセージ
第2章 地域イノベーションの仕掛け人たち
第3章 豊田流マネジメント術
第4章 地方大学長としての戦い
第5章 私の履歴書

本書ご希望の方は三重大学ホームページの「お問い合わせ」の欄に、本書ご希望の旨と送付先を書き入れていただければ、送料を含んで無料でお送りさせていただきます。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「大学政策と価値ある情報の生かし方~事業仕分けを経験して~」

2010年08月20日 | 日記
ツイッターとの関係でブログの更新が遠のいてすみません。やっと更新です。

今日は、去る8月6日(土)富山市であった糖尿病情報学会で「大学政策と価値ある情報の生かし方」という講演について、前のブログのコメント欄に、その講演をお聞きになっていたからから、時間も延長して最悪の講演だったというご批判もいただいたこともあり、反省を込めて報告をさせていただきます。

この講演は私の恩師の前富山大学理事で附属病院長をお努めになった小林正(まさし)先生から依頼されての講演でした。ちょっと糖尿病情報学会とは直接の関係のない話になってしまったのですが、「情報」ということに関連づけてということだったので標記のタイトルにさせていただいたわけです。

いろいろと忙しくて(言い訳にはならないのですが)準備が泥縄になってしまって、直前までトラブル続きだったことはツイッターでもご報告しましたね。そんなことで正直、準備不足だったと反省をしています。Toyamaさんをはじめ聴衆の皆さんには申し訳ない講演をしてすみませんでした。

さて、講演の内容ですが、スライド数が64枚と35分の講演時間でしゃべるのは最初からむりだったですね。この点も反省点。その中からほんの一部のスライドをご紹介いたします。
その内容は、私の経験した、大学政策に影響を与えたと思われる3つの事例から、どういうファクターが大切なのかを考察したものです。

1つめの事例は国立大学の運営費交付金を傾斜配分して地方大学の予算が半減するという試算が出た時に私が緊急アピールを行った時のことです。大学の地域貢献を一生懸命やり、かつ情報発信(広報)に力をいれて地域や学内のみなさんのご理解をえていたことが、知事や市長が動いて下さることにつながり、政策の変更に結びつきました。

2つめの事例は、私が国立大学協会の経営改善小委員会の委員長として附属病院の経営データを詳細に集めて分析し、経営改善係数という附属病院交付金を削減するルールが現状に合わないことをデータでもってお示しし、最終的に経営改善係数の撤廃に結びつきました。

3つめは、事業仕分けで、これはまだ政策決定に影響を与えたのかどうか不明ですが、大学の存続のためには、ソーシャルメディアを含めて、大学のトップおよび全教職員が情報を発信して、(国立)大学の意義を国民に理解してもらうことが不可欠であることを感じました。

大学の全教職員はブログ・ツイッターをやるべし!!
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

独法の理事長はなぜブログやツイッターをやらないのか?

2010年08月01日 | 日記
毎週末に、私は実家の三重県の亀山市に帰っているのですが、きのう日本産婦人科医会性教育セミナーの全国大会が三重県津市であり、懇親会に参加をさせていただきました。「日本産婦人科医会」は、「日本産科婦人科学会」とは別の組織で、開業医の先生が中心の会。でも大学の先生たちも仲良くいっしょにやっているんです。そもそも会長は前浜松医科大学長の寺尾俊彦先生ですからね。

セミナーをお世話していただいたのは、鈴鹿で産婦人科を開業している私の同僚の二井 栄(しげる)先生。全国の産婦人科関係の先生がたのお世話で今回はたいへんお疲れ様でした。

今回は、三重県が選挙区の中川正春文部科学副大臣も参加され、挨拶をされました。今回の参議院選で民主党が負けた反省から、現場の意見をどんどん聞かせていただきたいとおっしゃっていました。

今日の出し物は「雅楽」。とっても三重県らしいですね。雅楽を広めようとしている市民グループの演舞で、舞をおどっているのは地元の高校生。伊勢で産婦人科を開業している私の同僚の玉石好彦先生が後ろで笛を吹いていました。伊勢神宮の先生に指導を仰いでいるとのこと。最近はあちこちから頼まれてひっぱりだことのことです。

さて、参加者のお一人から、“最近ブログが更新されていないね”と指摘されました。そうなんですよね。最近ツイッターを始めてから、急にブログの更新頻度が減ってきています。

ツイッターのフォロワー数も1000人を越えたところで、まだまだ初心者なのかなと思いますが、やってみるとツイッターとブログはやはりそれぞれ特徴があって、社会に情報を発信するソーシャルメディアとして、やはり相互補完する面があると感じます。けっこう多くの政治家さんや、企業の社長さんが一生懸命おやりになっている理由も分かりますね。

もう、やって当たり前、やらなかったら置いてきぼりという感じになっていますね。私ももう少しツイッターを早く初めていたら、財務・経営センターの事業仕分けに対するパブコメも、もっとたくさん集まっていたのではないかと感じています。

世界のブログの30%は日本語で書かれているということのようですし、日本人のツイッター人口は1000万人を越え、世界で一番はやっている国ということなんですが、これは日本人の性格や文化の特徴を考えさせられますね。単なる一時的な流行なのか、日本人の文化として根付くのか、もう少し見ないとわからない面もありますが、自分でやってみて、私は、日本人の文化として定着するんじゃないのかなと感じています。(このような日本人の気質に合う文化が外国人によって発想されたことがちょっとくやしいですけどね)

それにしても、事業仕分けを受けた独立行政法人の理事長や機構長で、ブログやツイッターをやっている人はいらっしゃるんですかね?私が知らないだけかもしれませんが、今のところ私一人ではないのかなと思っています。(他にやっておられたら、いっしょに連絡を取り合ってやりたいのでぜひご連絡ください。)

私は、三重大学長の時にブログを始めていたのですが、この4月の独法の理事長になった時に、果たして独法の理事長がブログを書き続けていいものか少し迷ったんです。大学長に比べて独法の理事長は行政官的な性格が強く、役人というのは上司の指示に従うのが基本ですし、私の任命権者は文部科学大臣ですからね。

匿名のブログやツイッターならともかく、理事長は公の立場であり、すべての発言に責任を持たねばなりません。といって、行政文書にあるような堅いことばかり発信していても、誰も読んでいただけませんね。自分の“個人的な”思いを発信しないと意味がありません。

私は周りの職員にどうしたものか聞いてみました。そしたら“独法の理事長がブログをやってはいけないという法律はありませんよ”という答えが返ってきたので、“ああ、それもそうだな。ブログで自分の意見を社会に発信して、それで、文部科学大臣がけしからんとおっしゃった時には、職を辞めればいいだけの話しだ。”と、たいへんすっきりした気分になりました。こういう時は”公募”で選ばれたというのも強みですね。

そもそも「“独立”行政法人」なのですから、政府から“独立”しているはずなんですよね。ところが、今までは「“従属”行政法人」になっていたのではないか?そして、そこを仕分け人から突かれてしまった。

独法の理事長や機構長にとって、ブログやツイッターは得意な人と不得意な人があるとは思うのですが、少なくとも「“従属”行政法人」になっている独法の理事長や機構長には書くことはできないと思います。

さてと、ツイッターのために、ちょっとブログから遠のいていたので、更新のペースを元に戻してツイッターと補完するようにブログも一生懸命書かなくっちゃ。読者さんはブログと一緒に「Twilog」も開いて私のツイートもみてくださいね。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする