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2019年「大不況説」も、「好況説」も思考のワナ

2019年01月18日 | Weblog

景気の循環は、心理要因が関係するといわれる。だから、旅館の空き室率と同様に、タクシーの運転手さんの感じ方も数値化される。調査では、タクシー会社の稼働率という企業データは調査されていない。あれこれ、経済指標はあるが、景気指標の統計学は確固とした根拠がない。厚労省の賃金統計も、全数調査が正しく、標本調査が誤りだという理由はない。日本の官庁統計の誤差は、テクニカルなものである。「確固とした根拠」となる統計資料は、比較的に限られている。特に、世界経済の動態変化と構造変化とは、世界各国で共通の税関と「通関統計」が、極めて信頼できる。なぜなら、輸出国と輸入国との通関記録が、品目ごとに左右対称に絶対均衡するわけである。そこからマテリアル・フローの流れを追うと、いわゆる好況産業という景気の牽引力が見えてくる。こうした国際データを正確に分析するアナリストとしては、中国共産党が一番に正確な情報分析をすることができる。その中国が世界の景気の牽引力を観ているのが、日本の最先端技術の部材である。このブログで、あまり極端な景気変動論を唱えないのも、中国共産党の統計分析力が失礼だが「意外に正確」で、確かな腕があるからだ。特に、税関当局の「統計」力量は高い。日本の場合は、政府機関の統計学者の質の低さは、惨状であるといえる。やむなく、トップクラスの大学では、研究室ごとにデータ分析を行い、企業集団は総合研究所で行い、日本銀行はまた独自に研究し、それぞれが誤差のあることを承知で経済分析をしている。なぜ、大不況も、好況も生じないかというと、企業が改善、改良が日常的に重ねている結果、世界経済の静態構造は毎年、毎年、進化しているからだ。だから、想定からの誤差は、GDPというビッグデータでは、わずか1%以内での微変動であり、しかも、世界は実質的に「指標通貨」を情報として共有している。歴史土台が、1920年代、30年代とはまるで異なる。しかも、各企業はリスク・ヘッジの技術を改善してきている。経済の静態構造の年々の変化が上昇に向かっている限り安定均衡は持続する。中国がダウンしても、GDP6.6%増の安定成長の基盤があり、日本が1%を超える持続成長を続けている。ここは、動態変化よりも、静態構造の高度化による基盤の安定化、リスク・ヘッジの技術・技法の高度化に目を向けることが大事である。

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