平成という時代は、2019年に幕引きされる。昭和史は、日本の歴史のなかでは、唯一の敗戦と外国軍による占領統治を経験した時代であった。平成という時代は、「昭和戦後史」の戦後体制を十分に克服できないで、富山では、前後の切れ目なく戦後が連続した。しかし、世界ではソ連邦の崩壊、米ソ冷戦構造の解体という劇的な変化が起こり、これに連動して、中国では第2次天安門事件が起こり、鄧小平の独裁のもと江沢民政権が成立した。このように、世界史では、社会主義陣営が歴史的な退潮をむかえたが、日本では、平成元年7月23日の参議院選挙で、自民党が惨敗し、参議院で与野党が逆転した。富山県に限れば、自民党候補の鹿熊安正が社会党候補に圧倒的多数の差をつけた。富山の政治は、保守的といわれるが、実際は富山湾岸社会主義を克服できないでいた。衆議院選挙では、中選挙区制により、富山市などの第一区では社会党候補がトップ当選を果たした。このように平成元年から2年の富山政治は、自民王国とは言いきれない状態にあった。のちに民主党政権が誕生する布石がおかれていた。
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