富山マネジメント・アカデミー

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三菱重工のジェット機の量産化と富山の石金精機さん

2019年07月07日 | Weblog

三菱重工が、内部問題でもたついていたが、カナダのボンバルディア社の航空機部門を買収することで、一気に、機体の認証などの弱点部門を補強した。いよいよ、富山にも中型旅客機の生産と、それを活用した富山空港の新時代の到来が予感される。僕個人は、石金精機さんには見学もさせてもらい、清水社長の意欲的な姿勢は、富山の同規模の企業にはない未来を感じていたので、今回の報道はとても嬉しい。すでに、ボンバルディア社の航空機の部品を生産されてきたから、未知の分野への挑戦という訳ではない。もともと、不二越の傘下の精密スケールの技術をもつ企業なので、これで不二越の機械工の職人スピリットが、さらに大きく世界の空にはばたくことになる。医療機器、航空機部品の世界は、ハードルが高いので避ける企業が多いが、清水社長の若さの特権であろうか、執念の注力により、近未来的に大きな道筋が生まれた。県庁を中心にした航空機部品の産業支援を支えた方々にも敬意を表したい。僕個人は、医療機器の支援に主眼をおいているが、こうして不二越が、富山の近代産業史に播いた種が、実りつつあることは、歴史家として快感と感動を感じている。石金精機さんの仕事は、安易な量産品ではない。最終検査、調整の仕上げは、技能者の神経を研ぎ澄ました身体性の感性が求められる。現場で、現代の名工の作業を見せてもらったが、見ただけでは、完成品と不良品の区別は素人には分からない。写真の社屋は、管理棟である。航空部品のために専用工場をすでに稼働させておられるが、採算のとれるボリューム・ゾーンに至るまでの辛抱を社長のみならず全社員が耐えられる社風、ここに関しては、ピカ一である。100人が「一心」で戦うのと、1000人が「千人ばらはらの心」で戦う三菱重工との付き合いは大変だったと思う。富山の技術企業は、清水社長の自然なリーダー・シップを見学して学ぶことをお勧めする。特に職人を育成する技術伝承にあたる高齢者の活躍は、秀逸である。

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