国際通貨基金(IMF)は、2018年4月17日公表した世界経済見通し(WEO)を公表した。すでに、その内容は、世界経済成長率が今後2年は、現在の高水準を維持するが、2020年を境に成長局面が終了する、と予想した。その理由として、中国の緩やかな景気減速の持続がある、とした。この予測は、国際通貨基金がすでに北京事務所で、中国の経済統計を現地で精査した結果であるので、無視できない。しかも、日銀短観はすでに3月度に、そのような見通しを織り込み、専門家筋ではピークを超えたと感じ始めている。こうなると負の連鎖が生じるので、中国政府は日本との経済関係の改善に全力を挙げており、中国の思惑を極悪と受け止めるべきだという議論が成り立たない限り、自由貿易原則の面で、中日間の貿易関税の相互優遇という東アジア人の共同綱領に落とし込むほどには踏み込まない範囲で関係が改善されるであろう。ともあれ、中国の対自由民主党工作、対中央省庁への柔和な対応は、中国が世界経済の減速の原因を作らないという意味のポスト2020になると思われる。基本は、安倍内閣という表紙に代わる表紙の問題である。実は、中国の期待する次期首相は、現在の下馬評の中心にはいない。ただ、二階派と公明党が表紙の架けかえに成功したら、中国の対日外交は成功したと読み取れる。ただ、中国共産党は軍事の判断が最優先するので、中国にとっての軍事的な脅威を加速しないという点に限れば、財務省OBの主流である宏池会にお鉢が回ると読んでおいたほうがよい。鳥取の方や、小泉さん系、野田さんは、中国との関係性が薄い。有るとすれば、河野洋平のご子息の河野外相、宏池会の岸田氏、つまり麻生・二階の調整に焦点が当たる。しかし、ここで野田さんがセクハラ問題をバネにして、安倍内閣を去るならば、国民的人気は一気に加速する。中国の王毅外相の読みと思惑を外したいなら、野田さんがポスト2020に向けての国民感情統合力となると、中国国内の女性にも、韓国の女性にも大きな理解をえることができる。SNSの発達した時代、わずか1日で世論という天下の形勢は変わる。