年収が290万円以下ということは、月平均では24万という計算である。高卒の女子を頭に入れると想像しやすい。石川では、全国レベルの低賃金の筆頭が「北日本紡績」、そして、デパートの「大和」、「倉庫精練」の3社である。堂々とワースト全国50位以内、典型的な構造的な低賃金の企業である。富山県では、ワースト50位以内の企業は1社もない。ただ、要注意は南砺の「日本抵抗器製作所」、高岡の「富山銀行」である。要するに、石川県には低賃金の時代遅れの企業が多く、その点で、石川県人が富山県の成長産業へ流れ込む平均賃金落差があるとみて良い。また、岐阜県の北部、新潟県の南部には、そもそも「企業情報」を提供できる上場企業が存在しない。つまり、近隣と比べ、低中位の産業労働力は、富山県では比較的に厚遇されているといえる。残念ながら、「北陸電気工業」「タカギセイコー」は、製品価格が低いので、ワースト500位に入っている。最終製品を持たない部品加工では、需給が安定しない。ただ、石川県と比べると、産業としての技術力が上位の「北陸電気工業」「タカギセイコー」では、繊維産業への依存度が高い石川県とは、明らかにグレード差異がある。「日本抵抗器製作所」「北陸電気工業」「タカギセイコー」さんが、何らかの完成品、自社ブランドの最終商品を作るには、CKサンエツさんの経営から多くを学ぶ必要がある。また、この遅れた3社に、地域ぐるみでアドバイスをしてあげて欲しい。高い技術力が市場で評価されていない。エンジニアリングと営業との高度な連携が弱いと言える。石川の構造的な劣位はいまさら論じても意味はない。本来、技術力がありながら、賃金が低いのは経営陣の経営能力の問題である。