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R.ヴィルブラント著・赤松要訳「カール・マルクス」を読む

2018年01月28日 | Weblog

古本屋で買って書庫に放置していた昭和初期の翻訳書である。調べると、原本は国会図書館にある。翻訳の発案者は、福田徳三という日本の大学における経済学教育の元祖ともいうべき大先生だ。弟子の赤松要さんの留学費用を支援する訳業として企画された。

当時の翻訳文だから、難儀した。27日の午後から、28日午後3時かけて読了した。マルクスの運動が惨めに破たんした理由につき、非常に深い共感と、酷評を交えながら、階級闘争至上主義、国際主義への憧憬、ある種の詩人の執念として描きだしている。マルクスという書き手の現象学的な解体に成功している。非情に質の高い本だ。なぜ、読んだか?富山湾岸社会主義運動の拠点であった旧制富山高校の研究のためである。この書が蔵書にあるのか、ないのか・なぜないのか?「ノン・マルクス」を旗印とする福田厚生経済学が、この地では根付くのに時間がかかったといえる。【家内が、お茶の時間、と叫んでいるので失礼】

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