日本の学術研究者は、軍事研究を戦争実行のためと短絡して理解している。そうではない。戦闘は最悪の事態であり、それを避けるには、敵国が戦争を諦めるほどの国力を増強することである。抑止力を高めるために、軍事研究はある。その抑止力の一部に、アニメ文化のように日本文化が、外国人に広く親しまれるためのソフト・パワーも含まれる。宇宙研究も、しかり。短絡的な戦争観では、自国は守れない。先に攻め込む先制攻撃では、国際世論から孤立する。外交も大事な軍事研究を含んでいる。だから、駐在武官の制度がある。日本にある中国大使館には、人民解放軍が派遣する駐在武官がいる。反対に、北京には、日本の防衛省の派遣する駐在武官もいる。軍事研究は、戦争抑止力を高めるための備えである。