マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

「ハワイカイ」(Hawaiikai)

2010-09-13 16:57:34 | 日記

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 「パシフィックリムクイジン」 (Pacific Rim Cuisine) という言葉を初めて聞いたのは、あるテレビの番組を、偶々見ている時だった。
 対談の番組で、出演していたのは、サム・チョイ (Sam・Choy) という人だった。
 近年、ハワイに台頭した、ハワイらしい、新手の創作料理について彼は熱っぽく語っていたのである。
 それは、いわゆる旧来の伝統的なハワイ料理ではなく、ベースは飽くまで、フレンチであったりイタリアンであるとのことだった。
 ハワイは、周りは海で、新鮮な魚介類の宝庫であるし、野菜も契約農家から毎朝新鮮なものを届けてもらえる、それらを使って、ありきたりのものでなく、全く新しい手法で、何か料理法を生み出すことができないかというの発端であったようだ。
 
 その時は、そんなに関心をもったわけではない。
 後日、「ホノルル・スター・ブリテン」 ( Honolulu Star・Bulletin) に特集記事が載った。
 それを読んで、「パシフィックリムクイジン」が、何なのかを、初めて、分かってきた気がしたのである。
 「パイフィック」は、太平洋のことで、「リム」というのは、それを取り巻く「縁」で、「クイジン」は、料理のことだから、意味としては、「環太平洋料理」とでもなるだろうか。
 太平洋を取り巻く国々の料理から、何かを取り入れ、学びながら、それらとは、まったく違った、個性的で新しい料理を生み出すのが、これらの人たちが目指す目的のようだった。
 話を聞いた限りでは、「無国籍料理」あるいは、「多国籍料理」とか、「エスニック料理」とも聞こえるが、ハワイの若いシェフには、飽くまでも「ハワイの新しい料理法」のようだった。
 これらのグループの中には、後に有名になったロイ・ヤマグチ、アラン・ウオン、サム・チョイやその他の新進気鋭な人たちがいたのである。

 「パシフィックリムクイジン」が、アメリカの雑誌などで記事になったり、特集で紹介されてきたのは、1990年代に入ってからである。 アメリカの料理研究家なども、驚きの目を持って見たのだろうか。
 たんに紹介されるだけでなく、立て続けに賞を与えられていて、その中には、アメリカでも最も権威のある賞なども含まれているのである。
 パシフィックリムは、ハワイで生まれたと一般に言われているが、どうも、その起源は、ロスアンジェルスではないかと言うことである。
 1980年代に、ロスのフレンチレストランで働いていた若いシェフ達が、旧来の伝統的で、画一的な料理法には、何かしら違和感を感じていた。
 当時丁度、健康指向の料理が叫ばれていたのに呼応して、ロスでしか味わえないないかを追い求めていた。
 セレブな人たちは、低カロリーで、しかもおいしく健康にいい食べ物を求めていたのである。
 ロスは、太平洋に近接していて、魚介類が豊富である。その日に獲れた新鮮な「キャッチ・オブ・ザ・デイ」 (Catch of the Day)に拘ったのである。
 何が獲れるかわからない以上、当日にならないとメニューが決まらない、従って、値段も「時価」ということだ。
 メニューは毎日違ってきて、お客さんも、来てみなければ、その日のおすすめ料理が、何なのかわからなかったのである。
 料理法が、斬新であるばかりでなく、おいしくて、なお料金も、りーゾナブルであったために、多くの顧客を惹きつけたのである。

 ハワイでも、1990年代に入って「パシフィックリムクイジン」が生まれた。
 この料理は、ハワイでしか味わうことが出来ない、独創的な料理であることを標榜したのである。
 このプロジェクト、あるいはムーブメントに、志を同じくする人たち、特に若いシェフたちが参加した。
 共通するコンセプトは、ハワイ近海で採れる新鮮な魚介類を使う、契約農家から、その日に野菜を仕入れ、しかも、有機野菜に拘る、旧来のフレンチやイタリアンにない独創性を目指す、アジアの国々の伝統ある料理法を取り入れる、オリジナリティを大切にする、などであった。

 最初に旗を振ったのが、どうも、ロイ・ヤマグチのようである。
 ロイ・ヤマグチは、日本で生まれている。父親は、マウイ生まれのアメリカ人で、母親は、沖縄の出身である。
 若くして、彼は、ニューヨークの料理学校に入る。
 ここで、高度のフレンチの手法を学んだようである。
 後に、LAやサンタモニカの高名なフレンチレストランで働き、修行をする。
 1988年に、ハワイに戻り、ハワイカイに自分の店を出す。
 ハワイカイというのは、ワイキキから、ちょっと離れたところにある。
 東の方に向かって、車で2,30分くらいのところにあるが、朝夕は、道路が混雑するので、もっと掛かるかもしれない。
 途中、山が海に向かってせり出したところがあって、一本道しかないため、この辺りが渋滞するのである。
 ハワイカイは海辺の住宅地で、大きなショッピングセンターなどもある。
 入り江にヨットを持った人たちが、自宅まで入って来れるヨットなどを係留している。

 

 


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6 コメント

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ハワイカイ (guroriosa)
2010-09-13 22:43:06
東の方に2、30分ということは
ハナウマの方向でしょうか?
いいところでした。
一本道 覚えていますよ

「パシフィックリムクイジン」初めて聞きました。
どんなお味なんでしょうね。
興味あります
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guroriosaさんへ (yamada)
2010-09-13 23:11:44
そうです。ハワイカイは、ハナウマベイの手前にあります。ここから丘を越したところがハナウマです。
 ハワイカイには、しゃれたレストランがいくつかあります。
 知り合いが住んでいたので、パーティなどで、よく行きました。

 パシフィックリムクイジンは、洗練された、高級感がある食事です。
 値段もちょっと高くなりますが、ハワイに行ったとき、ぜひ行ってください。

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だんだん (さくら)
2010-09-13 23:28:36
私には、想像できないような料理の世界に、入って来ましたね。
パシフィックリムクイジン???
キーを打つのも、大変。
でも、興味あり。
洗練されてる?フレンチや、イタリアンとどこが違うのですか?
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さくらさんへ (yamada)
2010-09-13 23:43:54
 パシフィックリムクイジンを志した若手のシェフたちは、フレンチやイタリアンの出身が多いようです。
 ニューヨークやロスアンジェルスの高級レストランで働いていた人たちです。

 故郷に帰ってきて、今では、自分の店を構えている人が多いですが、どの店も雰囲気のある、いい感じの店です。
 
 メニューは、その店独特なものがあって、面白いです。
 毎日、日替わりでメニューが変わり、それを楽しみに行く人がいます。

 肉の焼き方、魚介の焼き方がかば焼き風だったり、ソースが、しょうゆベースの日本的だったり、盛り付けが、京都の会席膳風だったり、味は、本当においしい感じでした。

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「パシフィックリムクイジン」?? (ほっとひと息)
2010-09-14 10:08:25
初めて聞きました。
読んでいると美味しそうで興味をそそられます。

ハナウマベイへ行った事があるのでハワイカイは通っているのでしょうね!
一本道? 覚えていません。
海の綺麗さだけが記憶にあります。

次回ハワイへ行くと食べたいものが沢山です。
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ほっとひと息さんへ (yamada)
2010-09-15 08:20:13
 恐らく、長年修行して、新たに独立した若いシェフの店が、あちこちにあります。
 歩いていて、ちょっと、小奇麗な店を見つけたりするとうれしいですね。

 食べることに興味がある人は、情報を頼りに、このようなレストランを探すのも面白いかもしれませんね。
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