( Coffee Frappuccino whip on top )
その日に、何か予定がない時、朝コンドミニアムを出てぶらっとバスに乗ってしまうことが多い。
行き先が決まっていないので、最初に到着したバスに、それが何処行きであろうと乗ってしまうこともある。
湯気の立った美味しいコーヒーの香りを思い出して、ついコーヒーショップの近くで降りてしまうのである。
どのコーヒーショップにも新聞が置かれていて、コーヒーを楽しみながら新聞を読む時間が、この上ない癒しの時なのだ。
現役の頃はとても、このようにくつろぐ時間などなかった。
今は、その点、時間は余るくらいある。
現役のころのあくせくして忙しい頃のことを懐かしむことも多い。
無給でもいいから、教室で学生たちと勉強したり語り合いたいなどと、時々夢にまで見てしまう。
イリカイ日航ホテルの前のスターバックスがなくなってしまった。
早朝、ここでコーヒーを飲み新聞を読んで過ごす時間が楽しみでよく通った。しかし、地の利が良くなかったのか、いつの間にかなくなってしまった。
スタッフの人たちとも顔なじみで、言葉を交わすほどだったのに残念である。ここは、朝の散歩のコースの途中にあった。
店にいた彼らや彼女たちはどこに行ってしまったのだろう。その後一度も会っていない。
( サッブウエイで昼食 )
( ご主人がコーヒーを飲んでいる間、ワンちゃんは辛抱つよく待っている )
最近は、なんとなく2番バスに乗り、途中カハラ方面に行くバスに乗り換え、カイムキ近くのバスストップで降り、朝のカイムキの街を歩くことが多い。
このあたりも、トシの好きなところである。
ダウンタウンの方からバスで来ると、徐々に丘を登り始める。やがて頂に達する、この辺りがカイムキである。カイムキを出ると、バスは一気に下り始めて、やがて海が見えて来る。カイムキは、別に高級感のある街ではない。どちらかと言うと、ローカルぽい、古い家々が雑然と立ち並んだ町である。
ここには、なぜかレストランが多いのだ。メキシカン、エスニックなレストラン、日本料理店、ベトナム、タイ料理店などいろいろある。
ここにトシが好きな「コーヒートーク」( Coffee Talk ) がある。
日本にあるようなコーヒーショップの高級感があるわけでない。店内の装飾は、地味だし、古く年季が入った感じで、テーブル、椅子なども色あせている。
トシはここに来るために、バスを乗り乗継ぎ、わざわざやって来て、「ハウスブレンド」( House Blend )(2ドル50セント・200円)を注文する。
コーヒーを啜っていると、たえず立ち代りお客さんが入ってくる。年配の女性、学生たち、男たち、女性たち、若い人、年老いた人など様々な人たちが、いかにも心安く声を交わしている。お互い来るたびに顔を合わせているのだろう。何となく家庭的である。