マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

" Heartbreaking to watch " (感動的な瞬間)

2011-08-09 14:23:02 | 日記

 

 アメリカでは、5月の最終月曜日は「メモリアルデイ」(戦没者追悼記念日)である。
 各地で、主に在郷軍人会などが中心になって、祝典、パレードなどの行事が行われる。
 ハワイでは、この日に合わせて、(Lantern Floating Ceremony)(灯篭流し)が、アラモアナビーチパークで盛大に行われている。
 主催は、キリスト教の団体でなく、日本の " Sinnyo-en "(真如苑)という宗教団体で、かなり大がかりで、歴史もあり、今やハワイの伝統行事である。

 この日ばかりは、アラモアナビーチパークは、ひと人で埋まり、新聞などによると、40,000人もの人が集まったということである。流された灯篭は、3,000個にも及ぶ。
 この祭りには、仏教徒に限らず、あらゆる階層宗派の人たちがやってくる。
 主催者も、この行事は、ことさら偏った階層の人にのみ解放されたものでなく、
 
 " We invite everybody to take part in this meaningful event.  The Lantern Floating is free and open to all regardless of nationality, race, faith or lifestyle...."
 
 ( 誰でもが、この意義あるイベントに参加してもらいたい。 灯篭流しは、国籍、人種、信仰、生活様式にかかわらず、すべての人たちに開放されるものである)
と呼びかけている。
 
 新聞でも、" it is now a Hawaiian tradition" (今やハワイの伝統である)書いているくらい、あらゆる人たちに開放されて、事実子供から老人まで、さまざまな人たちがこの行事にやってくるのである。
 キリスト教、イスラム教、仏教など、宗派を超えて人々が集う。

 海に向かったアラモアナビーチパークに会場が設定され、大きなステージと、いくつかの行事の進行をライブで映し出す巨大なスクリーンがある。
 会場からはみ出した人たちは、対岸に陣取り、びっしり立ち並んでいた。
 6時45分頃、右手の山影が海に沈みこむあたり、両手で抱えるくらい大きな、真紅の太陽が、その姿を没し始める。
 このあたりから、荘厳な儀式が、すでに始まっている。
 アッ!という間に、太陽が没し、瞬間昼間の風景が、一転、夜の帳に入っていく。
 7時を過ぎたあたりから、ステージでは、主催者の趣旨宣言があり、ハワイ語の「チャント」(お祭りの歌)、プロの歌手による「アベマリア」、「カントリーミュージック」、「日本の太鼓ドラミング」などの出し物が続いて、会場の空気も高揚してくる。

 やはり、圧巻は、皆さんが思い思いに灯篭にメッセージを書き、それを海に放つ時である。
 テレビがライブで、その模様を中継している。
 アメリカのカリフォーニアからも、テレビや新聞が取材に来て,会場のあちこちで取材やインタビューをしている。
 周りは、すっかり暗闇に包まれていて、あちこちで、すでに灯された蝋燭の明かりが、幻想的な風景を醸し出しているのである。

 灯篭は、自分たちが持ってきたものでなく、主催者が無料で提供している。
 " First come, first served" (最初に来た人から順番に渡される)ようで、3,000個の燈篭が準備されているとのことだ。一式が、"Lantern Floating, Hawaii"と書かれたバッグに入っている。

 今は亡き懐かしい祖父、祖母を想い浮かべ、育ててくれた父、母の在りし日を偲び、最愛の夫や妻に思いを馳せ、戦火で散った息子、交通事故で逝ってしまった娘、病気で苦しみ神に召された愛すべき人たちのことが、この時ばかりは、大きな感情になって胸に押し寄せるのだろうか。
 涙を流しながしながらメッセージを書いている人がいる。
 その模様が、実況で大型のスクリーに映し出されると、それを見て、会場のあちこちですすり泣く声が聞こえる。
 近くに座っている女性もハンカチで涙をぬぐっていた。自身にまつわる思い出に心を馳せているのだろうか。
 何と厳かな風景なんだろうか。

 本土から来た観光客だろうか、
 " I still remember looking at the big screen to see people writing messeges on lantern and placing the lantern on the water surface....with tears floating down their face.... heartbreaking to watch...."
 「灯篭にメッセージを書いてそれを水面に浮かべる時、涙を流している人たちを巨大なスクリーんで見たときは、胸がはりさける気持ちだったのをいまでも思い出します・・・)
 
 オーストライアから来た人も、
 " Tonight, I'm remembering three of my grandparents who have passed away.  This is a really lovely way to appreciate them...."
 (今、亡くなった3人の祖父母のことを思い出しています。祖先を敬う本当に素晴らしいやり方です)
 
 日本人の女性観光客も、
 ”こんなイベントがあったんですね。この荘厳な雰囲気の中で、涙が出てきちゃって…、隣のマリコを見たら泣いていて!”