レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

アドベント、街走る動画プロデュューサー

2020-12-06 00:00:00 | 日記
いよいよ師走に突入ですね。世界中の多くの国で同じことが起こっていることと想像しますが、ここレイキャビクでもまた、例年とは違う師走を迎えています。もっともアイスランドでは師走とは言わず、アズヴェンタとなりますが。

Adventaは英語ではAdvent、ついでにラテン語ではAdventusと言いました。意味は「到着」ということです。

キリスト教文化の地では、クリスマス、つまりはキリストの誕生・到来にちなんでクリスマスに先立つ約四週間をアズヴェンタ、あるいは日本語の「降臨節」「待降節」と定めるようになったのです。

このあたりのことは毎年のように書いてきていますので、もし関心があるようでしたら、そちらも覗いてみてください。

アドベントと墓地と歌舞伎町


アドヴェントの光


日曜日が三回しかないアドヴェント?


というわけで、トピックとしてはもう絞りきってしまったようなこの時期、それでもこういう御時世ですので、例年とは異なるおもむきです。




本文とは無関係 Hvitserkur
Myndin er eftir v2osk@Unsplash


日本でも同じなんでしょうね。テレビの情報バラエティは毎日のように横目で眺めていますが、実際に師走の街を歩いているわけではないので、その辺の空気というか、実際の様子はちょっと想像するのも難しいです。

さて、まず最初に宣言しておきますと、今年の場合は私にとってはまさに「師走」です。やることがたくさんって、すでにかなり「お疲れ」になっています。いろいろ理由があるのですが、まずは天気。

アイスランドは、先週のほぼ丸一週間、全国が荒天のアラートであるイエロー警報 –部分的にそれより一段階上のオレンジ警報– に包まれました。強風に加えて、金曜日から気温もぐっと下がりマイナス10°Cに達しました。

まず風について一言しますと、風速13〜15メートル/秒はかなり激しい風です。17,2メートル以上からは台風に相当するということです。それが、毎日一週間続くとかなり疲れます。

例えば車のドアの開け閉めや、運転中も気が抜けなくなります。小さな子供同伴だともっと気を遣います。加えて寝ている間のヒューヒュー、ゴーゴーという風が家にぶつかる音も疲れさせてくれます。

それに気がついてみれば、冬至間近でお昼近くまで真っ暗。そんなことにハッとするまで気がつかないということ自体が、今年を象徴している気がします。

そういう中で、例えば街中での用件と用件の間で中途半端な時間ができたりします。普段なら周囲のお店をブラ見しながら時間を潰せるのですが、今はうかつにお店にも入れない。Cちゃんのおかげで店内人数制限がありますし、「必要なことをするだけ」にお店に「突入」しないといけないような雰囲気。

ですが、これらは皆さんに共通の外的要因。私個人の忙しさの理由の第一は、「動画作成」という本来の仕事ではない「仕事」です。

アドベント入りしても、現在はまだ「マックス十人」という集会制限があります。教会では日曜学校も、お年寄りの集会もすべてサスペンド中。

というわけで、クリスマスを迎えるこの時期、ほとんどの教会がズームや動画のストリームによる「集会」を提供し始めました。

もちろん、私のいる教会もそうです。私自身は春から夏を通して、このブログよりもさらにマイナーな教会でのメッセージ動画を流し続けてきました。これは英語でのもの。




動画用ビデオを撮影中のショット


そんなことから、私のいる教会でのアイスランド語の礼拝でも「動画作りを手伝ってくれ」クワイヤーから「短い動画でのコーラスメッセージを流したい」さらにはお年寄りへのサービスをお世話している部局からも「お年寄り向けのメッセージを発信したいから」

というわけで、私はにわか「動画プロデューサー」と化しました。春の二の舞。いやいや最近は「映像クリエーター」と言うのか?まあ、オラはそこまでいかないから「動画プロ」でいいか。

オタクのいない悲劇... おじ(い)さんのテック奮闘記


「にわか動画ブーム」は私の教会だけのことではなくだけではなく、教会全般の現象。アドベント直後のFacebook、教会関係の動画がまさに「雨後の筍」。

これ、さらにはアイスランド社会一般の現象でもあるようです。その影響らしく、あちこちのマック用品扱い店では、外付けのメモリーディスクが売り切れ続出。動画、メモリー量を喰いますからね。御同輩が多いようで...

撮影とかは、他の人との時間合わせ等があり、それも面倒のうちですね。それに「動画とか、よくわからないから助けてください」と言ってきたはずの連中が、いざ撮影を始めると「もっとこういうふうに撮れない?」だの「サウンドレベルをもう少し上げて」だの、余計な注文を付けてくる。

何だオマエら?カメラもマイクロフォンもオラの私物を使わせてやってんだぞ!

おまけに、一度撮影が終わると、その後に続く大切な「編集」の部分は、こつこつオラがひとりで家でやる作業。誰も、なーーーんも知らない世界の出来事... そしてオラの名前はどこにもクレジットされない...(涙)

とどめとして、無料。支払いのオファーもありましたが、プロの仕事からは程遠いワタシの仕事。お金をいただく気にはなりませぬ。教会の難民基金への協力だけお願いしました。




手塩にかけて?編集したお年寄り向けの動画の見出し


そして、大体世の中とはそういう風にできているものなのですが、人がこのように手一杯な時に限って、難しい相談事を持ち込んでくれる人がいるのです。夫婦のトラブル、難民強制送還の危機、はたまた自殺未遂...

自殺未遂の人を見舞いに病院へ出向くと、そこではもちろんCちゃん対策で、十重二十重の防護手続き。これもまた疲れるわ〜。

何というか、潜水服着てマラソンしてるような毎日です。潜水服なんて着たこと一度もありませんが...

というわけで、今回は愚痴以外の何でもない、チョー薄口ブログとなりました。そういうことも(ちょくちょく)あります。「ホントに、至らないワタシです... 」って、どっかの誰かも会見してたなー。

何となく、割りの合わない時間の使い方であるような気もしてしまいますが、それでも出来上がった動画にはそれなりの愛着を覚えてしまうワタシなのでした。

今の不自由さ、不都合さ、フラストレーション倍増は、自分だけのことではなく「みんな共有」であることを忘れないで今週も過ごしていきたいものです。

皆様もCちゃんだけでなく、ご自身の精神的或いは身体的健康に十分留意してお過ごしくださいますよう。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
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