八月はレイキャビクを中心にしてイベントが目白押しにあるのですが、そのほとんどについては既に書いたことがありますので、それらについてまた書くことは遠慮しておきます。
以前に書いたものを読んでくださった方はそう多くはないだろうと思いますし、再度取り上げても実害はないのでしょうが、書く方の気持ちとして面白みがないのです。(^-^; 悪しからず。
で、今回はまったくアイスランドに関係なく、この夏休みにはまっていた小説についてとなります。J·D·ロブという女流作家の筆による「イブ&ローク」のシリーズです。もちろん私が読んでいるのは邦訳されたシリーズです。
このJ·D·ロブさんは、本来のペンネームはノーマ·ロバーツといいます。クラッシック現代ロマンスというらしいのですが、要するに女性の方向けのロマンス小説をメインに執筆していて、とても人気があるのだそうです。
そういうロマンス小説は、自分にロマンスがなくひがみっぽいワタシには無縁で、もちろん読んだことはまったくありません。
ただそのノーマ·ロバーツさんがJ·D·ロブ名義で発表している「イブ&ローク」シリーズはミステリーです。そしてミステリーは私の興味の範疇なのです。
ちなみにJ·D·ロブという名前の由縁ですが、ふたりの息子さんJasonとDanの頭文字に、ロバーツの短縮形をくっつけたものだそうで、わりとアンチョコな命名ですよね。

「あの頃を思い出して」はロバーツ、ロブの二つの名義が繋がる作品
「イブ&ローク」シリーズですが、これは2058年から始まる近未来ミステリーです。主人公のひとりイブはNYPSDの女刑事。NYPSDとはNew York Police and Security DepartmentのことでNYPDの未来バージョンです。
もうひとりの主人公ロークは悪党から発展した大金持ちで、影のある二枚目です。一作目で殺人事件の容疑者として登場しながらもイブと恋愛関係に陥り、三作目にして結婚します。
イブ、ローク共悲惨な子供時代を持ち、かたやそこからニューヨークの腕利き刑事となり、かたや裏街道から大富豪へと進んできました。シリーズの中心にあるのは、このイブとロークの関係で、子供時代の経験が後々までずっと影響を与える中での関係の成熟というか深まりが一貫してシリーズの土台にあります。
毎回ふたりの熱々ラブシーンなども描かれており、ロークの金持ち生活ぶりとかも合わせて「こういうところは女性向きロマンス路線だなあ」と思わされます。別に女性蔑視ではないですよ。男性もラブシーンは好きでしょうけどね、描き方が女性向きだと思うのです。その辺は実際に読んでみてくださるとよろしいかと...(と、曖昧にして逃げる)
「イブ&ローク」シリーズでは、テレビの刑事もののように毎回登場するキャストがわりとはっきりと決まっています。その辺も安心して読める一要素であると共に、非常に意外な展開がないという枠にもなっている気がします。
女性向き路線で安定した話しの展開、となると「つまんないんじゃ?」という疑念が出てきてしまいそうですが、実はストーリーは面白いのです。ミステリーっぽいロマンス小説ではなく、ロマンスのあるミステリーといって良いと思います。
ただ近未来という時代設定、ロークが大富豪という生活設定があるので、生活感ははっきりいって希薄です。私が別に大好きなマイケル·コナリーによる「ハリー·ボッシュ刑事シリーズ」などは非常に生活感があり、それがまた魅力になっているのですが、「イブ&ローク」にはそれはありません。
さて、このシリーズは1995年に第一作の「この悪夢が消えるまで」がアメリカで出版され、以後「現在に至るまで」続いており、この九月には第四十三作目が発表されるそうです。
本来のノーマ·ロバーツ名義を含めると1980年以降の約三十年間で二百冊以上を世に出してきたそうですので、多作の部類の作家なのでしょうね。もう一度断っておきますが、ハーレクインなどで出されているノーマ·ロバーツ名義のものは一冊も読んだことがありませんので、そちらのジャンルで面白いのかどうかはわかりませんが、それだけ数が出ているということは面白いのだろうな、と想像はつきます。
もう一点「イブ&ローク」シリーズで特徴的なのは、事件の起き方が大雑把に言って月一ペースなのです。これは2058年辺りという近未来の時代設定だからできることでしょうが、実際の出版期間が例えば二年くらいに渡っていても、小説の中では一年程度に足踏みしながら進んでいるわけです。
実はこの「近未来」という設定からもう少し面白い点があるのですが、長くなりますのでそれは次回に持ち越しとなります。
これまでの全四十二作中、邦訳は第三十八作目が先の六月に出たそうです。私はまだまだ先が長く、現在十七作目を読んでいる最中です。「近未来」に抵抗がある人もいるかなあ、とは思いますが、暑い夏、適度にドキドキしながらも安心して読める小説を探している方がありましたら、ぜひお試しを。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
以前に書いたものを読んでくださった方はそう多くはないだろうと思いますし、再度取り上げても実害はないのでしょうが、書く方の気持ちとして面白みがないのです。(^-^; 悪しからず。
で、今回はまったくアイスランドに関係なく、この夏休みにはまっていた小説についてとなります。J·D·ロブという女流作家の筆による「イブ&ローク」のシリーズです。もちろん私が読んでいるのは邦訳されたシリーズです。
このJ·D·ロブさんは、本来のペンネームはノーマ·ロバーツといいます。クラッシック現代ロマンスというらしいのですが、要するに女性の方向けのロマンス小説をメインに執筆していて、とても人気があるのだそうです。
そういうロマンス小説は、自分にロマンスがなくひがみっぽいワタシには無縁で、もちろん読んだことはまったくありません。
ただそのノーマ·ロバーツさんがJ·D·ロブ名義で発表している「イブ&ローク」シリーズはミステリーです。そしてミステリーは私の興味の範疇なのです。
ちなみにJ·D·ロブという名前の由縁ですが、ふたりの息子さんJasonとDanの頭文字に、ロバーツの短縮形をくっつけたものだそうで、わりとアンチョコな命名ですよね。

「あの頃を思い出して」はロバーツ、ロブの二つの名義が繋がる作品
「イブ&ローク」シリーズですが、これは2058年から始まる近未来ミステリーです。主人公のひとりイブはNYPSDの女刑事。NYPSDとはNew York Police and Security DepartmentのことでNYPDの未来バージョンです。
もうひとりの主人公ロークは悪党から発展した大金持ちで、影のある二枚目です。一作目で殺人事件の容疑者として登場しながらもイブと恋愛関係に陥り、三作目にして結婚します。
イブ、ローク共悲惨な子供時代を持ち、かたやそこからニューヨークの腕利き刑事となり、かたや裏街道から大富豪へと進んできました。シリーズの中心にあるのは、このイブとロークの関係で、子供時代の経験が後々までずっと影響を与える中での関係の成熟というか深まりが一貫してシリーズの土台にあります。
毎回ふたりの熱々ラブシーンなども描かれており、ロークの金持ち生活ぶりとかも合わせて「こういうところは女性向きロマンス路線だなあ」と思わされます。別に女性蔑視ではないですよ。男性もラブシーンは好きでしょうけどね、描き方が女性向きだと思うのです。その辺は実際に読んでみてくださるとよろしいかと...(と、曖昧にして逃げる)
「イブ&ローク」シリーズでは、テレビの刑事もののように毎回登場するキャストがわりとはっきりと決まっています。その辺も安心して読める一要素であると共に、非常に意外な展開がないという枠にもなっている気がします。
女性向き路線で安定した話しの展開、となると「つまんないんじゃ?」という疑念が出てきてしまいそうですが、実はストーリーは面白いのです。ミステリーっぽいロマンス小説ではなく、ロマンスのあるミステリーといって良いと思います。
ただ近未来という時代設定、ロークが大富豪という生活設定があるので、生活感ははっきりいって希薄です。私が別に大好きなマイケル·コナリーによる「ハリー·ボッシュ刑事シリーズ」などは非常に生活感があり、それがまた魅力になっているのですが、「イブ&ローク」にはそれはありません。
さて、このシリーズは1995年に第一作の「この悪夢が消えるまで」がアメリカで出版され、以後「現在に至るまで」続いており、この九月には第四十三作目が発表されるそうです。
本来のノーマ·ロバーツ名義を含めると1980年以降の約三十年間で二百冊以上を世に出してきたそうですので、多作の部類の作家なのでしょうね。もう一度断っておきますが、ハーレクインなどで出されているノーマ·ロバーツ名義のものは一冊も読んだことがありませんので、そちらのジャンルで面白いのかどうかはわかりませんが、それだけ数が出ているということは面白いのだろうな、と想像はつきます。
もう一点「イブ&ローク」シリーズで特徴的なのは、事件の起き方が大雑把に言って月一ペースなのです。これは2058年辺りという近未来の時代設定だからできることでしょうが、実際の出版期間が例えば二年くらいに渡っていても、小説の中では一年程度に足踏みしながら進んでいるわけです。
実はこの「近未来」という設定からもう少し面白い点があるのですが、長くなりますのでそれは次回に持ち越しとなります。
これまでの全四十二作中、邦訳は第三十八作目が先の六月に出たそうです。私はまだまだ先が長く、現在十七作目を読んでいる最中です。「近未来」に抵抗がある人もいるかなあ、とは思いますが、暑い夏、適度にドキドキしながらも安心して読める小説を探している方がありましたら、ぜひお試しを。
応援します、若い力。Meet Iceland
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