レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

北欧的政治スタイル

2012-11-10 05:00:00 | 日記
アイスランドと日本は似ている所もあるでしょうし、異なっているところもあると思います。また、それぞれに良い所や悪い所もあるはずです。それとは別の次元で各人が気に入る所気に入らない所もあることでしょう。

私がアイスランドで気に入っていることのひとつは政治です。アイスランドの政治が必ずしも良いと思っているわけではありませんが、政治の仕組みと言うか、政治風土というか、そのスタイルは結構気にいるものがあります。

この点は日本とは真逆なものがありますね。だったら日本の政治(スタイル)は気に入らないのか?と言われそうですが、正直その点は日本で気に入らないことのひとつです。

さてアイスランドの政治スタイルって?

まず世襲制ではありません。誰でも、文字通り誰でも、相応の能力とやる気があれば国会議員になれます。大学で学生評議会のようなものの議長とかを経て政治家になることはよくあります。

ですから若くても議員になれます。昨日9日に開かれた母国語の教育に関する会議の準備長をしており、その会議には教育省の大臣が来てくれました。36歳のかわいい女性ですが、彼女は32歳で大臣になりました。これは大臣としてはアイスランドでも最年少記録だったと記憶しています。

もちろん才能はある女性でしたが議員としての経験がそうあるわけでもなかったし、かなり思い切った抜擢だったと思います。それでも大臣になって以来の仕事ぶりは優れていますよ。


かわいらしい教育文化省大臣 カトリーン・ヤコブストホテル

第二の気に入る点は、政治家というのが普通の他の職業の人と同レベルのものであることです。別に取り立てて「先生」風を吹かせるものではありません。前にも書いたことがありますが、一般人が大臣相手に対等な議論を吹っかけることも珍しくはないです。もちろん、どちらに議論の分があるかはまた別ですが。

政治家というものを身分というよりはひとつの「職務」として見ています。人生のある特定の時期に政治という職務を請け負ってみる、という感覚が強いように見受けます。ですから、死ぬまでずーっと政治家、という意識も無いようである実績を達成すると、まだ余力を残して「引退」することがよくあります。引退というよりは転職?いさぎがいいいです。

第三は、政策中心主義。誰それへの恩とか忠義とかではなく、考え方、すべきことのプライオリティの優劣に関して賛成する人、反対する人が集まります。人への恩や義理立てとなすべき政治課題の選択は別の次元の問題であると共通の認識ができています。

ここの政治が理想的だなんて思ってはいません。ただ、そのスタイルは好きですね。私は始めの学位は政治学で取りましたし、実際の政治、選挙にも学生時代から随分関わりました。でもある時気がついたんです。自分は政治の世界で生き残るにはまっとうすぎる。幸か不幸か、それが私の日本の政治に対する結論でした。まあ、そのおかげで神学に転身したのですから恨みっこなしですが。

アイスランド。ここでなら、もし牧師でなかったら政治家もいいかも??

コメント
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