絞り水溜まりの絞り水出口に整流木を固定しておいたのだが流量が増えると丸太の下部を侵食し溜まり全域に砂泥を堆積させてしまうので新たに杭列で制水の設えをした。これで全域が均等に堆積せず深みが維持できる。その折、雨後と言う事もあって法面の修復はスリップ事故のリスクが高くなったので以前からのプラン「絞り水溜まりの拡幅」を行う事にした。
まずは風倒木となったカラスザンショウの幹は土留めに、枝の部分は杭に活用して準備万端、拡幅のための土を移動していたのだが、ふと水際を見ると羽化したばかりのヤンマ型のトンボがいるではないか。これはマイッタしくじったアハ、アッハハあっはっはー。てなもんや三度笠で作業続行ならず中断後日にしたのだった。羽化体を見ていると体色が濃くなっていくのが判り、その変化のスピードはいつ見ても驚嘆するのだがこっちは変態、こっちも変だい⁉、まあ、変態同士で仲良く木立闇の中でしばし時を一緒にしたのだった。
この絞り水溜まりは去る昔、S先生が絞り水でグジュグジュになっていた場所を見て「ヤブヤンマの産卵場所に最適ですね」とおっしゃったのが発端で水溜りを造成したのだが、その時からヤブヤンマの産卵と発生が続いている。発生するのが数匹程度の水溜りであっても種の保存と言う視点で見れば大切な溜まり水であるのは間違いない。だからこそ資源温存のためにも絞り水と空き地を無駄にせず半畳ほどの水域拡大を目論んだのである。この日は思わぬ伏兵が出現し掘削は先延ばしにしてしまったもののこれは朝令暮改ではなく奨励母介であった。まっこと祝着至極ぞ!。
※ S先生の判断を得る機会がないままなのだが間接的に「ミルンヤンマ」との情報があった。小生に鑑定能力は皆無だけれど、そうだとすれば発生確認は初となる。フイールドの大スクープだ!。