疾風の如く!

美人画と弓道に生きる日々。

笛の音

2007年06月21日 | Weblog




今朝の散歩も終わって、帰ろうとした瞬間、

はるか150Mくらいの対岸から、美しい笛の音が聞こえてきた。


近くにいた犬が、ヒョイと顔をあげて見ると同時に、

俺は、その音色の冴えにハッとして、その場でクルッと背を返して歩いていき、

そして、川べりに座り込んで聞いていた・・・。



雅楽の中のどれか・・龍笛かなにかはわからないが、

本当に古式ゆかしい、高く澄んだ笛の音色に、我を奪われて聞き惚れてしまった。

吹いていたのは男性だが、あまりに遠いので、年齢もわからない。

ただ、こちら岸にも、はっきり聞こえてきたから、けっこうな響き方だったと思う。


終始、おだやかなゆったりした音色で、「幽玄さ」というものを感じさせる。

目を閉じていると、弓やら舞やら、霧のかかった湖上の美しい姫やら、

谷間の村や、昔の人の暮らしやら、竈(かまど)やら侍やら、

いろんなイメージが浮かんできて、思いつくままにその世界に浸っていたが、

結局、その人が、笛を箱にしまい帰路につくまで、ずっと座って聞いていたのだった。

それほど、美しい笛の音は、俺の心をとらえて放さなかった。



尺八を吹く人も、こちら岸では見かけるが、笛はむこう岸か・・・。

どこのどなたかは知らないが、ああいう美しい笛を奏でる人もいるんだな・・。


今朝は、美しい和の音色に出会えたことが、嬉しい。

やっぱり、俺って、すっごく日本人なんだな・・。



コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする