肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『リトル・ミス・サンシャイン』、観ました。

2007-07-06 20:31:05 | 映画(ら・わ行)





監督 ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
出演 アビゲイル・プレスリン、グレッグ・キニア、ポール・ダノ、アラン・アーキン、トニ・コレット、スティーブ・カレル

 『リトル・ミス・サンシャイン』、観ました。
田舎町に住む少女オリーブ。何ともブサイクでおデブちゃんな彼女が、ひょんな事から
全米美少女コンテストで地区代表に選ばれた。オリーブ一家はオンボロ車に乗り、
決戦の地カリフォルニアを目指すことに。勝ち組になろうとする父親や沈黙を貫く兄、
ゲイの叔父、老人ホームを追い出された不良な祖父。そんな家族をまとめようと
奮闘する母親と共に、オリーブは奇妙でおかしな旅に出掛けていく…。
 “大作志向”が加速する近年のアカデミー賞にあって、不思議と年に一本くらいは
“インディーズ系の小品”がノミネートされることがある。で、本年度、その“ジミ
映画枠(?)”に見事滑り込んだのが、この『リトル・ミス・サンシャイン』だ。ただし、
この物語が“ロードムービー”として、特に斬新なものかといえばそうではなく、当初
バラバラだった家族が、一つの旅を通して次第に心を開き、その結束を深めていく
というもの。まぁ、15分も観てれば、大まかな展開も結末も読めちゃうワケだが、
規定の枠を遥かに超えた“ヘンな家族(?)”の珍道中は、狭い車内に噛み合わない
会話が充満し、予想もしえないトラブル続きに爆笑する。底抜けに明るくて、最高に
可笑しくて、ちょっぴり切なくて…、そして最後は、旅の終わりを締めくくる“痛快
フィナーレ”が待ち受ける。うん、確かに“庶民的な小品”であるのは間違いないが、
“小品”ゆえのアイデアと工夫がいっぱいに感じ取れる《佳作》。でも、アカデミー
賞はと言えば…、チョットそういう映画ではないのかな(笑)。
 ところで、このロードムービーを観た人ならば、通常のそれとは違う“本作だけの
特徴”に気付くはず。それは、特にこの人がという“決まった主人公の存在”が
あるわけではなく、旅の車に乗り込んだ家族の皆にスポットが当たり、物語の
エピソードを構成している。人によっては、リトル・ミス・サンシャインのコンテストへ
出場する娘のオリバーが主人公に映るだろうし、又ある人によっては、一家の
主であるお父さんに…、いや、更に別の人が観れば、自殺未遂の叔父さんや、
家族のいざこざを必死に取り持つお母さんなんてことも…。だけど、そんな彼らに
共通するのは、一応に皆強がって“夢”を抱いているが、“本当の自信”はなく‥‥、
禁断の愛や出版社の知人、歴史上の偉人、煙草やドラッグなど、それぞれ心に
秘めた“何か”にすがる。つまり、彼らは揃って“ダメ人間”でありながらも、揃って
“孤独”だったのだ。結局、この長い旅を通じて、彼らが知ったことは、自分は
独りじゃない。いつもそばに“家族”がいるってこと。よく考えてみれば、旅に
向かい、彼らが乗り込んだ“その車”こそ《家族》そのものだったのかもしれない。
なぜなら、その、クラッチ盤の壊れたポンコツ車は、全員の力を合わせて押さないと
エンジンが掛からないのだから。幾多のトラブルに見舞われながらも、何とか
目的地に辿り付いたのは、互いに励まし合い、助け合う‥‥、彼らが《一つの家族》
であった証なのだ。そして、これからも‥‥、その“車”は《愛すべきダメ人間たち》を
乗せ、人生という終わりなき道を進んでいくに違いない。



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