肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ラストキング・オブ・スコットランド』、観ました。

2007-10-24 20:43:46 | 映画(ら・わ行)





監督:ケヴィン・マクドナルド
出演者:フォレスト・ウィテカー、ジェームズ・マカヴォイ、ケリー・ワシントン

 『ラストキング・オブ・スコットランド』、観ました。
スコットランドの医学校を卒業したニコラス・ギャリガンは、ウガンダの診療所で
働く道を選ぶ。時は1971年、軍事クーデターによってオボテ政権が倒れ、イギリスの
支援を受けたイディ・アミンが、新しくウガンダの大統領の座に着いた直後のことだ。
アミンに気に入られたニコラスは、アミンの主治医となるのだが…。。
 確かオイラが高校生の頃だったと思うが、映画館で『食人大統領アミン』って
いうのを観た。当時は、そこに深い疑念を抱かぬまま、「人肉を食らった大統領が
いた」…、ただそれだけの“興味本位”でクラスの仲間と連れ立って観に行ったのを
覚えてる。恐らく、かつてオイラが観たその映画と、今作『ラストキング・オブ・
スコットランド』はモデルとなった人物は同じだと思われるが、今作のアミンに
限っては人肉を食べたりなんかしない。傍若無人(ぼうじゃくぶじん)に虐殺を
繰り返す大統領アミンを皮肉って、新聞が“人肉を食らう”を書いたことのようだ。
(いや、もしかしたら、かつてのオイラのように観客の興味が“人肉を食べること”
だけに向かうのを嫌って、今作ではあえてそういう設定にしたのかもしれないが…)
とにかく、ここでは人肉のことは一先ず脇に置いといて、一人の独裁者が国家を
食い物にし、それによって多くの国民が更なる犠牲を強いられる…、これでもか
これでもかと“ウガンダの厳しい現実”を見せつけられるのだ。
 ところで、この映画を観ていて気付かされるのは、ある独裁者を描く手段として、
彼と同じように愚かで幼稚な…、いわゆる、その“分身”ともいえる白人の青年を
主人公として登場させている点だ。両者はまるで“鏡に映った自分”を眺めるように、
互いの共通点を見つけ、“偽りの相手”に自分自身を重ねていく。しかし、いつしか
それぞれが“頭で描いた理想”だけを追い求めるあまり、“目の前にある現実”から
目を背けようする。今そうしている間にも、多くのウガンダ国民が“貧困”によって
命を落としているというのに…。結局、周りの良き相談相手は去り、ひきかえす
タイミングさえ失って、揃って“裸の王様”になっていくのは何とも皮肉な結末だ。
では、そもそも主人公の青年は、いつ何処で道を間違えたのだろうか‥‥??、思うに、
それは“最初の一歩目”だったと思うんだ。ただ漠然と、“何か”がしたい。しかし、
町医者である父のようにはなりたくない…、自分にはもっと相応しい、別の“広い
世界”がある筈だ、と。今だからハッキリ言う、すでにそれ自体が“自らの甘さ”を
露呈し、目の前にある“現実からの逃避”だったんだ。例えば、コツコツと来る日も
来る日も仕事をこなし、ひたすら“長い時間を掛けて”人々から評価を受ける‥‥、
実はそれこそが一番難しいことであり、最も凄いことなんだ。



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