肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ゴッドファーザー』、観ました。

2007-05-30 22:03:31 | 映画(か行)





監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン 、ジョン・カザール 、ダイアン・キートン 、ロバート・デュヴァル

 『ゴッドファーザー』、観ました。
初夏の昼下がり、シチリアからアメリカに渡って一大組織を築き上げたマフィアの
ドン、ヴィトー・コルレオーネの長女の結婚式が行われていた。ドンには3人の
息子がいたが、彼のお気に入りの三男マイケルは、父の稼業を嫌って堅気の道を
歩こうとしていた。しかし、敵対する組織にドンが銃撃されたことから、マイケルは
暗黒の世界に足を踏み入れる決意をする‥‥。
 もしも、この映画の成功がなかったら、現在(いま)のハリウッドはまったく
違うものになっていたに違いない。作品から滲み出す圧倒的な風格、印象的な
深い陰影の映像美、重厚なドラマ性と、ニーノ・ロータの哀切なメロディーが
重なり溶けていく悲劇性、そして…、スリル。しかも、それらすべてが一対を
成し、“超一級のエンターテイメント”として成り立っている。極端な話、誰が
どの方向から観ても楽しめる、まさに“70年代ハリウッド”を象徴する大作だ。
 さて、今回改めて観直してみて、『ゴッドファーザー』とは、“家族のドラマ”だと
思った。“家族と、その崩壊”を描いた作品だ。その、“マフィアの世界”という
フィルターを通して描かれる《家族》とは、仁義とか、礼儀とか、掟とかが、
双方の“信頼”の名のもとに“組織(=ファミリー)”を形成している。そして、
その(ファミリーの)、もう一歩中に入って見てみれば、ドン・コルレオーネと
その一族の子供たち‥‥、意外なほどに“理想的な家族の姿”が見えてくる。
厳格だが、何より自分の家族を大切にする父に支えられ、その3人の子供たちも
また、そんな父を慕い、それに愛で答える。しかし、当初は平穏無事に思われた
“一家の幸せ”が、父への銃撃事件を境に急変する。父という精神的支柱を失い、
ファミリーの“築き上げた帝国”は崩れ始め、同時に“家族の絆”も揺らいでいく。
ただ、ここでミソとなってくるのが、ドンが最初の子供として“養子”にし、現在は
“組織のアドバイザー”を務めているトム(ロバート・デュバル)の存在だ。実の父を
撃たれた怒りから“家族の復讐”を優先する跡継ぎの長兄ソニーに対し、トムは
“家族の一人”としての気持ちと、“組織の一員”としての利益と、その両者を
同時に見ることが出来る“特別な位置”にいる。言い換えれば、彼こそが映画の
キーパーソンとなる人物であり、もしも彼がドンを継げる立場にあったなら、
その後の“一家の崩壊”はなかったと、ボクはそう考えている。
 では、次に、もう少し“大きな視点”でこの映画を考えてみる。これまで色々
“2つの家族”について書いてきたが、実はここには“別の、もう一つ家族”が
存在する。それは“多くの移民たち”が集まって巨大国家を形成する、“アメリカ”
という大きな家族だ。しかし、観ていく過程で、その大きな繁栄の、一歩裏に
足を転じれば、(ベトナム)戦争、汚職(警官)、銃社会、麻薬など…、“失墜”への
暗い影が忍び寄る。映画中盤、ドン・コルレオーネの元に外部のソロッツォから
麻薬の取引を持ち掛けられた時、彼が断固として首を縦に振らなかったのには
理由がある、「確かに、麻薬は金になる。しかし、私が麻薬に手を出したと知れば、
今付き合いのある政治家たちが逃げていく」と。お金よりも《信頼》を…、そして
何より、自身の《孤立》を避けたその発言は、個人よりも“家族としてあり方”を
問うと共に、世界を“家族”として見た時の“アメリカ自身”に向けられている
ように思えて仕方ない。
 それにしても、“人生の終わり”はいつも残酷だ。そこにかつて地位と権力を
欲しいがままにした豪腕の姿はなく、みすぼらしい身なりの老人が人知れず静かな
最期を遂げていく。すでにその時点で、本来の後継者であるはずの長男ソニーは
なく、残った三男のマイケルが、新しいリーダーとしてファミリーの再建を図って
いくことになる。映画終盤、(赤ん坊が神の子として新しい生命を与えられる証
とする)洗礼式と、血生臭い銃撃による暗殺シーンがカットバックで挿入され、
観る者に“新ゴッドファーザーの誕生”を強烈に印象付ける。ただ、一見、敵対する
ファミリーを壊滅させ、権力を奪回したかのように思えるが、ボクはここでひとつ、
釈然としないものが残った。同時に、その時マイケルは、父とは違う、大切な何かを
失ったのでないか。つまり、不戦の紳士協定を自ら破ったことで、父がこれまで
築き上げてきた“信用”を失くしたのだ。更に、それはラストシーンでも象徴的に
浮かび上がってくる。ついに妻までもがマイケルに“殺人者の疑い”を掛ける中、
それでも彼はこう然と自らの潔白を主張する。それに安心し、立ち去る妻。しかし、
次の瞬間、マイケルの部屋の扉が冷たく閉ざされる。それは、夫婦の信頼が
遮断され、父の時代には繋がっていた《2つの家族》…、一族の絆と、ファミリーの
結束が切り離された瞬間だったのだ。



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『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』、観ました。

2007-05-25 20:04:16 | 映画(は行)
Pirates3
監督:ゴア・ヴァービンスキー
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』、映画館で観ました。
“深海の悪霊”デイヴィ・ジョーンズと、東インド会社のベケット卿が手を結び、
海賊たちは滅亡の危機に瀕していた。生き残る手段は“9人の海賊たち”を招集
することだったが、9人のうちのひとりはあのジャック・スパロウだった。しかし、
彼は現在“世界の果て”に囚われていて…。
 単純に、作品の出来だけを比較すれば、ボクは“2作目”が一番面白いと思った。
勿論、この3作目も楽しめる映画には違いないが、全体を通して、どうも今一つ
ノリ切れない。では、逆に、“まだこれからという人”へ…、ノッていくための
近道を提言すると、今一度“復習”を兼ねて前の2作を観直すことをオススメする。
今回オイラは観ていく過程で、キャラの顔と名前が結び付かずに混乱し(それは
意味もなく無駄なキャラが多いせいもあるが)、あれれ?、そんな事(エピソード)も
あったけ…と、記憶の細い糸を辿りながらの鑑賞だった。もっとも、観る側から
すればこの映画に、奥深い内容も、由々しきテーマ性も、端から期待してはない
のだから(笑)、当然オイラの観方もそちらに移る。ただ、その、肝心のアクション
シーンについても、ドンパチと大立ち回りが交互に用意されてはいるが、メイン
となる3人が画面一杯にところ狭しと動き回るといった印象は少ない。むしろ、
その中で抜群の存在感で目立っていたのは、クレイジーなおサルさんの“ジャック”
だったような…。CGとはいえ、我ら人類の御先祖様(?)に対して、もう滅茶苦茶
やってマス(笑)。どう見ても、あれは動物愛護の皆様方から何かキツイ一言
ありそうだ(笑)。
 オッと、それから公開前の噂によると、ストーンズの“キース・リチャーズ”が
カメオ出演するという。どうせデマだろうと高をくくっていたが、まさかホントに
出てきた時はビックリした(汗)。ギター爪弾くサービスショットに思わずニヤリ。
そして、キースがスパロウ船長(ジョニー・デップ)に言う、「永遠の命よりも
大切なことは、“誇り”を持って生き抜くことだ」と。並の人間が言う分には、
使い古された平凡なものに聞こえる、その《誇り》という言葉が、アナタの口を
介して発せられれば、何と特異で“重み”のある言葉のように感じられる(笑)。
くしくも数ヶ月前、何故かヤシの木に登り、落っこちて重症を負ったキース(笑)、
改めて、いつもと変わらぬ前向きなアナタを見るにつけ、それは今作のための
“役作り”だったと…、今はそう思いたい(笑)。
 それと最後に、この映画を観るにあたって“約束事”をひとつ。エンドロールが
終わってから、“後日談”としてもうワンシーンだけ用意されているので御注意を。
ただ、オイラとしては、この映画の印象を大きく左右しかねない“重要なパート”
なので、知らずに観ないまま席を立ってしまう人が多いのは残念。どうにか本編の
最後に組み込めなかったものか。いや、むしろ、仮に作り手側の“構成に欠陥”が
あったとしても、その辺りは配給会社側が気を利かして、上映前のテロップなり
何なりで、(観客に)伝達する配慮あっても良かったのではなかろうか。



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『ナイロビの蜂』、観ました。

2007-05-23 21:59:59 | 映画(な行)





監督:フェルナンド・メイレレス
出演:レイフ・ファインズ, レイチェル・ワイズ

 『ナイロビの蜂』、観ました。
アフリカの太陽のように情熱的な妻テッサと、イギリス庭園のように秩序正しい
英国外交官の夫ジャスティン。お互いを尊重するという名目で、テッサの人生を
外から眺めていたジャスティンは、妻が死んで初めて彼女に踏み込んでいく‥‥。 
 ぶっちゃけちゃうとこの映画、レンタル屋さんに行けどもなかなか手が伸びず
(多分、それはDVD表紙を見て受けた“ベタな恋愛もの”のイメージが拭い切れ
なかったせい??)、どうやら“スルー”が濃厚かと思われた丁度そのときだった、
ひょんなことから“フェルナンド・メイレレス監督作品”の文字が目に留まった。
何を隠そう、彼の前作『シティ・オブ・ゴッド』こそ、オイラがここ数年来で
“最も衝撃を受けた映画のひとつ”なのだ。とすれば、知った以上はコイツを
見逃す手はあるまい(笑)。遅ればせながら、俄然、観る気が湧き上がって
きたわけだ。
 では早速、オイラの“正直な感想”を書くとしよう。アクロバティックな構成と
スタイリッシュ映像、ぐいぐいと畳み掛けるスピード感、更にそれに加えて
今作では、胸締めつられるような愛の痛みまで…。なるほど、本作が『シティ・
オブ・ゴッド』を作り出した監督のものであるのはよく分かる。ただ、どうなんだろう。
彼の、その新旧2作品を見比べたとき明らかに違うのは、前作のバイオレンス色
から一転、今回は“ラブサスペンス”へとスタイルを変え、キャストも“無名の
ブラジル人俳優”から、レイフ・ファインズやらレイチェル・ワイズやら“ハリウッドの
人気スター”へと…。前作にあった鋭いナイフのような凶暴性はそこにはなく、
むしろ、今作ではハリウッドの豊かな資本と悲惨なブラジルの現状、その両者が
微妙なバランスの上で成り立っている、そんな印象を受けた。一方、映画では、
それにリンクするように、ブラジル人の“安い命”を実験台として、巨額の利益を
得ようと企む先進国製薬会社による“陰謀”が赤裸々に描かれていく。しかし、
その信じ難い光景に“強い憤り”を感じながらも尚、心のどこかでこれが映画の中の
フィクションだからと割り切って、“冷めた自分”がいるのは何故だろう。例えば、
高い塀に囲まれ、安全を保障された(?)庭いじりの“雑草”を抜く主人公のように…、
我ら先進諸国が考える“協力”と、現地のブラジル人が切実の望む“救済”とでは、
少なくともかなりの温度差があるのは確かなようだ。


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『乱』、観ました。

2007-05-19 20:12:10 | 映画(ら・わ行)






監督:黒澤明
出演:仲代達矢 、寺尾聰 、根津甚八 、隆大介 、原田美枝子 、宮崎美子

 『乱』、観ました。
戦国時代、70歳になる一文字家の領主・秀虎は、ある日、3人の息子に家督を譲り、
城を1つずつ与えて引退すると告げた。真っすぐな性格の三男・三郎は父の弱気を
批判し、その場で秀虎に追放される。しかし、それがきっかけで親子兄弟の骨肉の
争いが始まった。権勢を誇った秀虎は発狂し、一文字家は破滅への道を辿る。
やがて、正気に戻った秀虎が見たものは‥‥。
 国内と国外で、これほどまでにその評価が分かれる映画も珍しい。多分それは…、
『乱』肯定派のボクが察するに、国内にいる否定派の多くが、この『乱』にもかつての
『七人の侍』や『用心棒』にみられる、ダイナミックで痛快な黒澤時代劇を期待した
のではあるまいか。ちなみに、そのとき『乱』を監督していた黒澤明は“75歳”。
冷静に考えれば、すでに老年期に入った巨匠にエネルギッシュな娯楽作など
撮れる筈もなく、本人だって撮ろうとしなかったのは明白なのに、当時の周囲は
それを許さず、(黒澤の変化を)認めようとしなかったところに“『乱』の不運”がある。
ただ、ひとつ言えることは、すでにその時、その輝けるキャリアの終盤を迎えていた
黒澤明が、“自身の集大成”として選び、挑んだのがこの『乱』だった。作品の持つ
風格といい、崇高なテーマ性といい、ボクは“それ”に相応しい傑作だと思うし、
“75歳の黒澤明”でしか撮れなかった映画であったのは間違いない。いつの日か
近い将来、これまでの評価が見直され、ここ日本でも“(『乱』の)正当な評価”が
成されることを、今もボクは信じて疑わない。
 さて、まず最初に、この映画を語る上で“最大の特長”となるのが、壮大であり、
哀しげな、その“視点”だろう。『七人の侍』に代表される、往年の黒澤時代劇が
“一人称(あるいは二人称)”で描かれているとしたら、その前作の『影武者』では
(まるで丘の上の男が遠方の合戦を眺めるような)“三人称”へと変化し、この
『乱』ではその視点が更に離れて、天空から地上に向けられた“神の視点”へと
移っていく。そして、その“神の視点の先”にあるものは、人間が愚行を繰り返し、
自らのエゴの為に殺し合う“戦乱の世”に他あるまい。それを見ながら“天の神”は、
愚かしい人間たちを嘆き悲しみ、涙を流しているように思えてくる。
 一方、一般的に、この『乱』では、仲代達矢演じる主人公“秀虎の狂気”ばかりに
目が向いてしまいがちだが、ボクは少し違った観方をしているんだ。思うところ、
憐れみよりも“人の愚かさ”を…、そして、やりきれないほどの“悲しみ”の方を
強く印象付けられるのは、“対照的な2人の女性”の存在にあったと考えている。
その2人とは、楓の方(原田美枝子)と末の方(宮崎美子)‥‥、両者とも秀虎に
家族を虐殺され、無理矢理(秀虎の)息子たちの嫁にされるが、2人はその後、全く
“別の選択”をした。楓の方は、“秀虎への復讐”を胸に、残された人生を生き抜く
ことを誓い、一方、末の方は、“秀虎を許す”ことで、心の平安を取り戻そうとした。
ただ、ここで注目したいのは、その“両者の生き方の違い”は、そのまま“正反対の
演出法”となって表れる。自らの“存在感を前面”に、剥き出しの感情で迫る楓の方に
対し、末の方は一切のクローズアップはなく、常に遠方から表情が隠された“暗い
陰”のよう。しかし、例え2人が異なった道を歩もうとも、行き着いた先で交わった
皮肉な結末に、憐れみにも勝る“絶望感”を感じずにはいられない。
 では次に、別の側面から映画をを検証していくことにする、それは“映像面”だ。
『乱』は、美しい‥‥。それは誰もが認めるところであり、黒澤明、生涯の全30作を
通して“屈指の美しさ”を誇っている。中でもワダ・エミが担当した“衣装”の
素晴らしさは、世界映画史上“五指”に入るものだと、ボクは確信する。一方、
撮影を含めた美術・照明・録音も、完璧な仕事をこなし映画全体を盛り上げる。
映画中盤、一の城・二の城を追われ、三の城に逃げ戻った秀虎に、太郎・次郎
率いる大軍勢が攻め入ってくる。白い砂塵が舞い、真紅の…、“血の色”の旗を
持った兵士たちが駆け抜けていく。その合戦の最中(さなか)、画面ではいつしか
“現実音”が掻き消され、まさに“幻想的な白日夢”の様相。ただ、ここでひとつ、
ある工夫が成されていることにお気付きだろうか。実はこのシーン、よく見てみると
画面の“赤を強調”させるために、微妙だが“赤の照明”を部分的に当てているのだ
(もしかしたら、“赤だけが強く反応するフィルム”も併せて使っているかも
しれないが)。このシーンだけを見ても、改めてこの『乱』が、黒澤明の緻密な
計算の上で成り立っていることを知ると共に、まるで《映画》とは、丁寧に積み
上げられた“積み木の城”のように思えてくる。その“頂点に置かれた積み木の
一片(=結末)”だけを見て、それが面白いか面白くないかなんて馬鹿げてる。
むしろ、大切なのは、その頂点の積み木を支える“隠された、無数の土台”の
方なのだ。つまり、《映画の面白さ》とは、目に見えない技術や工夫をひとつずつ
積み重ねていき、如何にその結末(あるいはテーマ)を導き出すかという“過程の
面白さ”なのだ。時代(とき)と共に黒澤映画のスタイルは変化し、受ける印象も
変われど、そのスタンスだけは変わらない。それが黒澤明であり、それが『乱』なんだ。



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『王の男』、観ました。

2007-05-17 21:39:42 | 映画(あ行)






監督:イ・ジュンイク
出演:イ・ジュンギ, カム・ウソン

 『王の男』、観ました。
旅芸人のチャンセンとコンギルは、横暴な座長の率いる一座を逃げ出して、旅を
続けていた。やがて2人は、暴君ヨンサングンとその妾ノクスの関係を皮肉った
芝居を演じて、巷の人気を集めるようになるが、それが禍(わざわい)して役人に
捕らえられてしまう。2人は厳罰を覚悟するものの、意外にもヨンサングンは
2人の芝居を面白がり、2人は宮廷に召抱えられる……。
 観始めて十数分、主人公芸人の2人は、明らかな“男色関係”にあるはずなのに、
アレレ?、ちっとも生々しく…濃厚な…ホモセクシャルへと発展しない(笑)。それは
その後、王を加えた“三角関係”になっても同じこと。勿論、映画では彼ら以外に
“女性”もいるのだが、見る限り“(女形の)引き立て役”程度で印象が薄い。
となれば、どうして映画は“男だけ三角関係”に拘ったのか考えてしまう訳だが、
それは観ていく過程で少しずつ分かってきた。で、ボクの考えはこうだ。彼ら
3人の中心には“愛”がある……が、それだけじゃない。例えば、コンギルと
チャンセンには《仲間》として分かり合える“信頼”と“絆”とが脈打ち、一方、
コンギルから見た(実の母を殺された)王の間には、《母性》としての“憐れみ”や
“同情”が横たわる。恐らく、そこに女性が一人入れば、“愛”だけが前面に
押し出され、その周囲の感情が霞んで見えてこない。男だけ3人の方が、
その辺りでスッキリして描き易かったのではないか。つまり、言い換えれば、
この映画における面白さの真髄は、その奇妙な三角関係が微妙なバランスの
上で成り立ち、ついには崩れていく“危うさ”なのだ。
 さて、この映画を観ていけば、必然的に浮かび上がってくるキーワードがある
はずだ、それは《身分》。王に気に入られ、遊女から“后”にまで伸し上がった
ノクスしかり…、又、そんな王と后を笑い飛ばす芝居にして、あわや死罪から一転、
王を笑わせたことで“王の芸人”となった主人公一行しかり…、彼らに共通する
ものは、自らの実力・能力によって今の地位を築き上げたのではなく、単に“王の
気まぐれ”に左右された方が大きい。しかし、よく考えてみれば、そんな王の
“絶対的な権力”でさえ、その偉大な父の死から偶然譲り受けたに過ぎない。
観ながらボクが当たり前のように感じたのは、王となり、その王冠を被る者は、
それに相応しい者がなるべきだということ。映画終盤、王の逆鱗に触れ、その
罰によって盲目となった主人公芸人が、再び…、しかし“最後の芝居”を演じる
ことになる。盲目の彼が綱渡りをしながら言うことには「見よ、私こそ王なのだ」と。
つまり、我らが王は“地上数メートルの綱”の存在でしかない。いくらあがいても、
“天”は遥か上空に…、“神”とは比べるに値しない。しかも、愚かな王が足元を
一歩でも踏み外せば、そこには“死(失脚)”が…。いや、それ以上に、王の
愚かさの最たるものは“盲目”だったこと。その周囲にいる敵と味方さえ判別出来ず、
本来最も信頼を寄せるべき側近の助言にすら耳を貸さなかったこと。映画の…、
その結末は、成るべきして成ったと言える。だとしたら、こいつは悲劇じゃない、
哀しい位に可笑しい“喜劇”だよ。



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“映画の中の映画”三本締め

2007-05-15 20:50:11 | ★独断と偏見的シネマ・セレクション3
独断と偏見的シネマ・セレクション3
(キーワード別)映画の中の映画(映画に描かれる“映画”)

①、『カイロの紫のバラ』
監督:ウディ・アレン 出演:ジェフ・ダニエルズ, ロバート・グリーンハット
②、『エド・ウッド』
監督:ティム・バートン 出演:ジョニー・デップ, マーティン・ランドー
③、『ホワイトハンター、ブラックハート』
監督:クリント・イーストウッド 出演:クリント・イーストウッド

カイロの紫のバラ











まず、最初に断っておくと『ニューシネマ・パラダイス』は、
あまりにベタ過ぎるので選から外しました(笑)。
さて、映画を扱った映画には他にも傑作が多くて、『アメリカの夜』や
『グッドモーニング・バビロン! 』、『ザ・プレイヤー』に『81/2』‥‥
近年では『マジェスティック』なんかも良かったです。
1は、一瞬でも惨めな現実を忘れさせ、夢の世界へと誘(いざな)ってくれる
“映画の素晴らしさ”‥‥と一方で、永遠に夢の世界で生きていくことはできない
“現実の厳しさ”を、両面から描いたウディ・アレン珠玉の傑作だ。
2は、他人(ひと)からどんなに嘲(あざけ)られても、潮笑されても、
真っ直ぐに自分の信念を貫き通すエド・ウッドの生き方に心打たれた。
そして、そのスタイルは、そのままボクの“人生の目標”でもある。
この映画によってボクは、果敢にチャレンジする“勇気の大切さ”を教えられた。




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『時をかける少女(劇場版アニメーション)』、観ました。

2007-05-11 23:38:01 | 映画(た行)







監督:細田守
出演:仲里依紗[声優]

 『時をかける少女(劇場版アニメーション)』、観ました。
他人の恋には前向きで、自分の恋には後ろ向きの女子高校生・紺野真琴17歳。
ある日、偶然にも「タイムリープ(時間と空間の跳躍)」を覚えてしまったことで、
親友であった男友達の間宮千昭と津田功介との「友情」と「恋」に微妙な変化が
起こっていく…。 
 筒井康隆の“原作”も読んでるし、原田知世主演で映画化された“オリジナル”も
確か(?)観ているはず。だけど、今回の『時をかける少女』は今までのどれとも違う。
良い意味で、ボクの予想を裏切ってくれた。夏の眩しい太陽、運動場に生える
芝生の緑、晴れわたる青い空、そして、地平線から湧き上がる白い入道雲‥‥。
今回、イメージを一新した『時かけ』は、若さのエナジーが放出し、さわやかな
風が駆け抜ける…、そんな“疾走感”に満ちた作風だ。それから、どんな時も
明るく、笑ったり…、泣いたり…、怒ったり…、飾らないヒロイン像も、この映画に
ピッタリ。映画を観る前はどうにも心に引っかかっていたこと…、何故“実写”
ではなく、“アニメーション”にしたのかという理由も、何となく今は分かる。
アニメーションだからこそ出来る、枠に捉(とら)われない自由な感覚‥‥。
少女が“過去に戻る”お話なのに、作品の印象が“未来に広がっている”ように
感じたのは、そんなところに隠された秘密があったのかもしれない。
 一方、シナリオ面についても、原作にはない大胆なアレンジが施されていて、
初めての人には勿論、今までにこの話を観たり読んだりして、知っている人が
観ても大丈夫。いや、むしろ、旧作と見比べてみるというのも、この映画での
ひとつの楽しみ方かもしれない。中でも、伏線としての小道具や、それぞれの
シーンが効果的に使われていて、随所でハッとさせられることしきり。ブレーキの
壊れた自転車、踏み切り前の仕掛け時計、伯母に渡すはずの桃、その伯母が
修復している不思議な絵などなど…、意外なところで意外な人と意外なものに
出くわして、思わずニヤリ。映画の最後は、これまた意外な展開で「なるほど、
こう来たか」って感じで、再びニヤリ。だけど、エンドロールで、ボクの瞳から
涙が一粒零(こぼ)れ落ちたのは、映画にダブらせ、過ぎ去った遠い日の
初恋を思い出してしまったから。映画のヒロインと同じく、ボクもタイムリープが
出来たなら…なんて、やっと手にした幸せと家族があるから、今は言わない(笑)。



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『サテリコン』、観ました。

2007-05-08 20:58:36 | 映画(さ行)






監督:フェデリコ・フェリーニ 
出演:マーチン・ポター, ハイラム・ケラー

 『サテリコン』、観ました。
紀元前のローマは退廃の極み。人々の生活は快楽を求めることしかなかった。
学生のエンコルピオはアシルトと美少年ジトンをめぐって争い、敗れる。その後、
エンコルピオは有力者トリマルキオの催す酒池肉林の宴で、人生の指南役
エウモルボと出会うが‥‥。
 まず、作品の質をどうこう言う以前に、フェリーニの“映像作家としての凄み”を
痛感する。赤や青や金銀作り…、眩いほどの極彩色が目の前で踊る。だが、
同時にそれは非常に官能的な色使い。大胆だが、魅惑的なメイクと、妖しい
彩を放つ照明の素晴らしさ。奇抜だが、この目に飛び込んでくるすべての
映像に心酔し、いつしかボクはグロテスクで美しい、“その退廃的な世界”に
引き込まれていく。中でも、背景セットを含めた、大小様々なオブジェと
ディテールのデザインは“美術部門における映画史上最高傑作”であるものと、
ボクは自信を持って断言する。オープニングで絵のように広がる大衆浴場の
大階段…、男たちによって運ばれる石で作られた巨大な顔…、大海原に浮かぶ
奴隷船の雄大さ…、鮮やかに彩られ、画かれた壁画の数々……。この映画の
凄さは、ストーリーだけに頼ることなく、人の心のズルさ・醜さをあぶり出し、
《文明社会の退廃》を“映像”として観る者の記憶に焼き付けていく点だ。
まさにそれはその名の通り、《映像の魔術師》こと“フェデリコ・フェリーニ”が、
観る者をその“魔法”にかけ、瞬時に古代ローマの時代へと誘(いざな)わせる、
そんな“幻想の力”を秘めた作品だ。
 さて、映画は、後期フェリーニの特徴でよくみられる“独立したエピソードの
羅列”によって成り立っている。しかし、言い換えれば、その前後となる
エピソードに“明確な繋がり”はなく、大きな幹となる物語性も持ち合わせて
いないので、ストーリー重視で観る人には苦手な映画に分類されるのかも。
ただ、ボクが考えるに、これを単なるロードムービーとしてではなく、もっと
内面的な“意識の旅”として印象付けたかった“フェリーニの隠された狙い”が
あったのではなかろうか。一方、映画では「富」と「エロス」と「権力」とが
あい乱れ、ある種“異様なデカダンス空間”を作り出す。そして、残酷にも
我らは観ながら思い知らされることになる。その“底知れぬ快楽”の前では、
愛も、芸術も、哲学も、神の子(信仰)さえも“無力”と化し、人々に見向きも
されぬまま忘れ去られるのだ。
 それにしても、ラストシーンは“その主題”について深く考えさせられると
同時に、人間のおぞましさに一層怖くなる。死した大詩人エウモルボが、
その遺言書の中で言う、「我の遺体の一部を食した者にのみ、その財産を
分け与える」と。その言葉を聞くなり、ハイエナの如く死体に群がり、貪り食う
人間ども…。恐らくエウモルボは死にながらに嘲笑していたに違いない。
人はその理性を失った時、自分自身を見失う。“人間としてのモラル”より、
財産という“一時(いっとき)の快楽”を選んだことで、彼らは今後どこまでも
果てしなく堕ちていく。まるで、かつて“大詩人”であったことを“最後の誇り”
としていたエウモルボ自身が、いつしかその快楽に溺れ、“煩悩(ぼんのう)の
底なし沼”に沈んでいったように。その先にあるのは…、そう、“破滅”しか
ないのだ。



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“反戦映画”三本締め

2007-05-04 22:38:33 | ★独断と偏見的シネマ・セレクション3
独断と偏見的シネマ・セレクション3
(ジャンル別)“反戦映画”

①、『まぼろしの市街戦』
監督:フィリップ・ド・ブロカ 出演:アラン・ベイツ, ピエール・ブラッスール
②、『かくも長き不在』
監督:アンリ・コルピ 出演:アリダ・ヴァリ 、ジョルジュ・ウィルソン
③、『戦場にかける橋』
監督:デヴィッド・リーン 出演:ウィリアム・ホールデン, アレック・ギネス
次点、『大いなる幻影』
監督:ジャン・ルノワール 出演:ジャン・ギャバン, ピエール・フレネー







Kakumonagakifuzai













普段は“フランス映画”が苦手なはずなのに…、
気付いたら次点も含めて、4本中3本までがフランス映画になってしまった。

①は、戦争を“ある視点”から風刺した、異色の反戦映画。
“精神病患者の目”を通して、果たして本当に狂っているのは、
彼らのアタマの方なのか??、それとも、この戦乱の時代なのか??。
コミカルでサイケデリックな作風ながらも、
戦争への“怒り”と、愚かな人間たちへの“嘆き”が観る者の心に突き刺さる。
この傑作が、今日のレンタル屋さんでほとんど見掛けることがなく、
一部のマニアックな映画ファン(←ボクも含む)の間でしか
知られていないのはあまりにも残念だ。

③は、「反戦」と「スペクタクル」を見事に融合させ、
しかも、格調高い人間ドラマに仕上げたのは、さすがデヴィッド・リーン。
英国人が、その誇りを掛けて作り、完成させた橋を、
英国人自らが破壊してしまう“戦争の不条理さ”‥‥、
人間の尊厳さえ踏みにじっていくその姿に、
“戦争の真実”を見た気がした



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『スパイダーマン3』、観ました。

2007-05-02 21:43:14 | 映画(さ行)
3
監督:サム・ライミ
出演者:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ

 『スパイダーマン3』、映画館で観ました。
ある日、謎の黒い液状生命体がピーターに取り憑き、全身を黒く染めていく。
黒いスパイダーマンとなったピーターは、新たなパワーに酔いしれるが、今まで
感じることのなかった怒りを制御することができない。そして親友ハリー・
オズボーンとの決闘。悲しき運命の連鎖が、彼を究極の闘いへと導いてゆく…。 
 改めてこのシリーズ、人気の秘密は何かと聞かれれば、ソニーピクチャーズ
(コロンビア)を支え持つ大ヒット“メジャー作品”でありながら、いかにもサム・
ライミならではのB級テイスト満載、そんな“確信犯的なチープさ”にあるんだろう。
言い換えれば、それは他のアメリカンヒーローものには成しえない、不思議な
”親しみ易さ”とでもいうのかしら。例えば、映画では、国民的ヒーローである
スパイダーマンの正体が、およそ“精悍(せいかん)さ”とは程遠い、実は
“しがない大学の貧相な学生”だったことにもリンクする。さて、今作『3』では、
従来までのサービス過剰で“なんでもエンターテイメント路線(?)”から、
明確な“メッセージ性”も加味されて、すべてが程好く配置されたバランス感を
窺(うかが)わせる。まぁ、そのメッセージが何たるかはレビューの中で追々
書くとして、「今作の見所はココだ」とひとつに言い切れない“お得感のある
映画であるのは間違いない。ただ、個人的に“ヒーローものの娯楽映画”として
観るには、2時間20分はちと長いと感じたけどね。
 それにしても、こいつは“近年ハリウッド映画のトレンド”なのか、復讐への
否定、報復への批判…、強いては、そこに“イラク戦争におけるアメリカの影”を
ダブらせて描いたものがよく目立つ。例えば、この映画では主人公ピーターを
はじめ、親友ハリー、同僚カメラマンのエディらが、それぞれに激しい復讐の
炎を燃やす。中でも、主人公ピーターが“(スパイダーマンとしての)超人的な
強さ”を手に入れたことで、自分自身を見失い、いつしかダークサイドに堕ちて
いく様は、まるで“現在のアメリカの悲劇”そのままだ。だとしたら、これからの
アメリカがどこに進めば良いのか…。映画終盤、心の行き場を失ったピーターに
その伯母が言う、「まず、自分を許すことから始めなさい」と。つまり、過去の
自分を責めるのではなく、今自分が出来ることを考えるべきなのだ、と。いざ
決戦のとき、以前よりも一回り強く、逞(たくま)しく蘇ったスパイダーマンが、
大きくはためく星条旗の前を駆け抜けていく。そんな彼を迎える人々の拍手が
鳴り止まない。まるでその姿こそ、“来たるべき、本当のアメリカの姿”だと
言わんばかりに…。確かに、この映画が世界中の誰もが楽しめるハリウッド
エンターテイメントであるのは紛れもない。だが、一方で、そのメッセージは
“アメリカ国内”に向けて発信されている…と、ボクはそんな風に感じた。



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