肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『レミーのおいしいレストラン』、観ました。

2007-12-15 19:55:42 | 映画(ら・わ行)





監督:ブラッド・バード
声の出演:ルー・ロマーノ、パットン・オズワルト、イアン・ホルム、ブライアン・デネヒー

 『レミーのおいしいレストラン』、観ました。
優れた鼻と舌を持つネズミのレミーは、一流シェフになるのが夢。ひょんな事から
パリに辿り付いた彼は、今は亡き名シェフ・グストーの幽霊に出会い、彼のもの
だったレストランへ導かれる。そこで料理の才能ゼロの見習いシェフ・リングイニが、
店の大事なスープを台なしにしてしまうのを見たレミーは、思わず味を整えに走る。
レミーの才能を知ったリングイニは、二人でパリ一番のシェフを目指すのだが‥‥。
 本当は、3歳の娘が観たそうにしてたのでレンタルしてきた訳だが、あいにく
娘はCGアニメが苦手なようでお気に召してもらえない(笑)。結局、仕方ないので、
オイラ一人で観始めたのだが、だけど今にして、この映画を娘と一緒に観ないで
良かった…。最初はゆったり構えて観ていたオレも、いつしか映画の夢の世界に
引き込まれ、最後は恥ずかしながら泣かされた(涙)。夢と希望に満ちた
ストーリー展開、未来へと続く前向きなテーマ性、そして何より、キャラクター
設定の素晴らしさ…、可愛くてバラエティーに富んだ登場人物たちが、生き生き
とした描写でスクリーンに命を吹き込まれていく。メインとなって活躍するレミーと
リングイニの主人公両者はもとより、レミーの頭の中で作り出されたグストーの
幽霊や、ちょっと(?)ヌケてる野ねずみ軍団、どこか脛にキズ持つ強面(こわもて)の
コックたち…、「キャラクターが命」といわれるアニメーションだけあって、さすがに
よく考えられている。これならば、子供は勿論のこと大人まで(但し、我が家の娘は
除くが(笑))老若男女誰がどこから観ても楽しめるハズ。あたかもディズニーらしい
良心的な仕上がり、家族揃って温かい気持ちになれる一本だ。
 さて、作品本来の出来とは別に、オイラが個人としてこの映画を推すのには
理由がある。オイラ自身が主人公の少年と同じように調理師で、かつて同じような
世界(境遇)を体験したからだ――不安で逃げ出したくなる気持ちのまま迎えた
初出勤の朝…、右も左も分からずに慌ただしい厨房の中で必死に自分の居場所を
探した日々…、朝早くから夜遅くまでコキ使われて、帰って寝るだけの部屋…、
少しずつ仕事に慣れ、やっと周囲から認められるようになった頃の嬉しさ――
映画を観ながらあの頃の思い出が蘇(よみがえ)り、色々な感情が込み上げてきた。
いや、断っておくと、何もオイラはノスタルジックな感傷からそれを良しと言ってる
のではない。それはコックだけに限らず、長きにわたって“物を作り出す仕事”に
携わっていることで忘れがちになっていた大切なもの…、あの頃の”初心”に
再び触れたような。確かに、物を作り出すことは容易ではなく、大きなエネルギーを
必要とする。しかし、同時に、その苦しさを乗り越えた者にだけが味わうことの
出来る喜びと、やりがいの大きさを実感する。更に映画終盤、レミーの料理の
温かさに触れ、それまでの態度を改めるが如く、いつもは辛口批評家のイーゴが
書いた新聞評論が感動的だ。そこでは、どんな辛辣な評論を書くよりも、苦労して
作り上げた平凡な作品の方が遥かに価値がある、と。そうか、まったくその通り。
ここでは随分多くのことを教えられた…、ヤラれたゼ。



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