肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『アポカリプト』、観ました。

2007-12-30 21:05:03 | 映画(あ行)





監督:メル・ギブソン
出演:ルディ・ヤングブラッド、ダリア・ヘルナンデス、ジョナサン・ブリューワー

 『アポカリプト』、観ました。
マヤ文明後期の中央アメリカ。狩猟民族の誇り高き青年ジャガー・パウは、妻子や
仲間と共にジャングルで平和な生活を送っていた。ある時、その村をマヤ帝国の
傭兵が襲撃する。捕らえられ、他の仲間と一緒に街へ連れ去られるパウ。そして、
干ばつを鎮めるための儀式に生け贄として差し出されるだったが…。
 映画が始まって5分足らずの間にまず一度…、そして、更に10分経過したところで
もう一度…、その後も15分置きに“DVDの停止ボタン”に手が伸びたが、何とかついに
エンディングまで辿り付いた‥‥(笑)。エグいシーンの連続に気持ちが萎(な)えて
諦めてしまいそうになること数度…、長い長い道のりをまるで映画の主人公さながらに
立ち止まることさえ許されず、走り続けたオレはもうヘトヘト(笑)。何故にここまで、
どうしてそんなにして、残酷描写に走るのか‥‥。ますますオレは、メル・ギブソン
という監督が分からなくなっていく(笑)。いや、途中、人間同士が争い合い、殺し合う
過程においてのドキツイ場面ならまだしも、罪のない野生動物たちがさも非人道的な
方法で惨殺されていくのは、観てて不快な気分にさせられた。さて、映画の構成は、
一難去って又一難…、寸(すん)でのところで大きな危機を乗り越えたと思った
そのつかの間、次なる試練が待ち受ける。観る者に息もつかせぬ怒涛の展開と、
ダイナミックなアクションシーンの数々は、さすがはメル・ギブソンの作品らしい
ポテンシャルの高さを感じさせる。しかし、この映画では要所で配置された“過激
描写”に目が行き過ぎてしまって、どうもすんなり観られない。結果として、“娯楽
映画としての価値観”が損なわれてしまった。また、そのテーマ性においても、
オイラは観終わって尚、しばらく考えあぐねてしまう。もしも、この映画が、“恐怖”
によってもたらされる「支配」と、その“文明”から脱却するための「強い勇気」を
描きたかったのだとしたら、やはりメル・ギブソンは大いなる考え違いをしているのでは
ないか。なぜなら、この主人公にとって“真の恐怖”とは、その後方から命を狙いに
やってくる追っ手の恐怖ではなく、愛する家族を失うことであったはず。それが
必要以上の過激描写によって、核心部分に焦点が定まらず、テーマの全体像が
ボヤけてしまった。むしろ、ここでもっと時間を割いて描くべきだったのは、不妊の
一家の行く末と…、暗い洞穴に閉じ込められて尚、夫が助けにくるのを信じて待つ
母子の方だったのではあるまいか。この映画が質の高い人間ドラマとしてではなく、
単なる(エグい)娯楽映画としてしか見れないのは、そんなところに原因の一端が
あったように思えて仕方ない。



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『ユナイテッド93』、観ました。

2007-12-26 20:07:48 | 映画(や行)





監督:ポール・グリーングラス
出演:コーリイ・ジョンソン、デニー・ディロン、タラ・ヒューゴ、サイモン・ポーランド、デヴィッド・ラッシュ

 『ユナイテッド93』、観ました。
2001年9月11日。大勢の乗員・乗客を乗せたユナイテッド93便は、離陸後に
テロリストによってハイジャックされていることが判明する。やがて、その情報は
搭乗者のみならず、地上にいる彼らの家族や管制塔にも伝わった。耳を疑う
情報が流れ、想像を絶する恐怖に襲われながらも、機内の人々は一丸となって
ある決断を下す‥‥。
 ホントを言うと、知っていながら、長い間ずっとこの映画を避けてきた。何故なら、
それが優れた映画であればあるほど、9・11の悲劇があったその場所に、断じて
自分自身の身を置きたくないと思ったから。しかし、先日公開された(同じく
ポール・グリーングラス監督作品)『ボーン・アルティメイタム』の完成度を目の
あたりにして、これは避けては通れる映画じゃないと覚悟を決めた。そして、
観終わった今、予想通りの出来栄えに感心し、その一方で、予想を遥かに超える
“真実の痛み”に打ちのめされた。
 映画は、すべてに研ぎ澄まされたドキュメンタリータッチの映像と、ひとつ
ひとつの細かいショットを無駄なく繋ぎ合わせた編集が、まるでその場に居るかの
ような臨場感を醸し出す。また、映画の所要時間と、物語で実際に推移する
時間とが、ほぼ平行しながらリアルタイムで同時進行していくスピード感は、
この実話の物語に“一層の現実感”をもたらすことに成功している。それにしても、
フラッシュバック(回想シーン)もない、明確なる主人公は存在せず、名前はおろか、
それら人生に対して詳しい説明は一切成されていないのに、これほどまでに
感情を揺さぶられるのは何故か??、“テロリズム”とは…、“命の重さ”とは…、
いや、そういう理屈じゃなくて、もっと人間の根本にあって、我々が生きる上で
“一番守りたいもの”がそこに(透けて)見えるからこそ、ボクたちはこの映画に
感動する。では、人生において、人が一番大切にしているもの…、そして、
一番失いたくないものとは……??、その答えは“家族”だよ。そして、ボクは
“その絆が切れること”が一番怖い。映画終盤、ユナイテッド93の乗客たちが、
最後まで“生きる希望”を失わなかったのは、ありきたりの正義とか、国を
守るための使命感じゃない。勿論、自分の命が惜しいとか、死にゆくことへの
恐怖とか、そういう個人的な問題でもないはずだ。生きて地上に生還し、もう一度
家族に会って抱きしめたい。ただ、それだけの願い‥‥、その衝動が、彼らを
強く突き動かしたように思えて仕方ない。しかし、それでも運命は変えられず、
制御を失い落下していく機内の方を見渡せば、対照的に描かれる“2つの構図”に
言葉を失う。そこでは、自らに課せられた使命を果たさんと、必死に操縦かんを
死守するテロリストたちが“神への祈り”を繰り返す。一方、絶望的な現実と、
いよいよ目前に迫った死の運命を受け入れて、最後に遣(や)り残したことを
考える乗客たち――彼らは携帯電話を握り締め、地上で待つ“大切な人への
愛の言葉”を発信する。愛してる、ありがとう、そしてまた、愛してる、と。
今こそ伝えたい想い…、感謝の気持ち…、観ながらボクは、その溢れ出す
感情の重さに押し潰されそうになった(涙)。そしてボクには、奴ら(テロリスト)が
神に捧げる何千何万の美辞麗句より、力を持たない乗客が受話器の向こうの
家族に送る「I love YOU」の3語の方がより神聖なもののように感じられ、今は何と
痛く心に突き刺さる(涙)。もしも、奴らの信じる神が存在し、その神がまだ
“聖戦”を望むのだとしたら、そんな神なら要らない。喜んで奴らにくれてやる。
この映画を観て、ハッキリと分かったことがある。今、ボクたちが最も信じるべきは
神じゃない、“愛”だよ。愛する人を守りたいという深い気持ちだ。争いのない
世界――それはきっとその向こうに必ずある。



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『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』、観ました。

2007-12-24 22:34:45 | 映画(な行)
Photo
監督:ジョン・タートルトーブ
出演:ニコラス・ケイジ、ジョン・ボイト、ハーヴェイ・カイテル、エド・ハリス、ダイアン・クルーガー

 『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』、映画館で観ました。
歴史上最も謎に満ちたリンカーン暗殺事件。その暗殺者ジョン・ウィルクス・ブースの
日記から失われた18ページ…恐るべき陰謀が記されたその一部が発見された。だが、
そこにはゲイツの祖先が、暗殺者の属する秘密結社ゴールデン・サークル騎士団の
一員として名を連ねていた。何者かによって故意に汚されたゲイツ家の名誉を守る
ために、リンカーン暗殺者の日記をめぐり、ビルとその仲間たちが再び動き出す‥‥。
 すでにシリーズの1作目を知る方ならご存知の通り、そこに現在の我々が学ぶべき
教訓が隠されているわけでも…、又、より良い社会にしていくためのメッセージが
織り込まれているわけでもない。早い話が、深く考えることなんて、なーんもない(笑)。
現在における宝探しに謎解き要素を取り入れた、ライトでコミカルなアドベンチャー。
いかにもジェリー・ブラッカイマーの製作らしく、とことん開き直って(?)娯楽に
徹した手腕は、今作でもやはり健在。カーチェイスではあれよあれよとメルセベスが
スクラップ、黄金都市へと続く地下の洞窟では仕掛けがいっぱい、ついには大量の
地下水が溢れ出し、今回も“ハリウッドエンターテイメント”としての醍醐味を存分に
味あわせてもらった。この際、相次ぐご都合主義には目をつぶり、自ら進んで“おバカな
流れ”に乗っかって楽しめば良い。一方、個性豊かなキャストの方に目を転じれば、
ニコラス・ケイジのハイテンションぶり(?)に今回もオイラは置いてけぼり(笑)。
ヒロイン役のダイアン・クルーガーは相変らずの美しさで、オレはこれまた映画の
内容そっちのけで見惚れてちゃう(笑)。気が付きゃ、リンカーンの暗殺がどうこう、
先祖の名誉がどうこう、僅かな記憶の断片があるだけで、肝心のストーリー自体は
ほとんど覚えてないってのが偽らざる実状だ(汗)。結局、今作で一番印象に残った
場面はと言えば、双子椅子の秘密を探らんとホワイトハウスの大統領執務室に
忍び込み、イヤリングを落としたとか言って元カレに迫る“クルーガーのお色気作戦”
だったりする(笑)。何とまぁ、“邪(よこし)まな観方”をして、それでも(ニコラス同様?)
最後はノリノリになってこの映画を楽しんでしまったオレ…(笑)。恐らくダイアン・
クルーガーが出る限り、次回作も観てやろうと心に誓いつつ、個人的な好みこそあれ、
ボクは1作目よりも今作の方が格段に楽しめたけどね。



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『アイ・アム・レジェンド』、観ました。

2007-12-22 19:42:26 | 映画(あ行)
Iamlegend_2_1a
監督:フランシス・ローレンス
出演:ウィル・スミス、アリス・ブラガ

 『アイ・アム・レジェンド』、映画館で観ました。
治癒はおろか抑制すら不可能なウィルスが蔓延する近未来。ロバート・ネビルは
優秀な科学者だったが、その恐ろしいウィルスは彼にさえ食い止めることが
出来なかった。廃墟と化したニューヨークで人類唯一の生存者となったネビル。
3年の間、ネビルはどこかに生存するかもしれない生存者に向けて無線メッセージを
送り続けていた‥‥。
 普段からほとんどが予備知識無しで観るオイラのこと、映画は当初の予想とは
かなりの隔たりがあったというのが率直な感想。予告編やチラシ・ポスターから
知る“それ”は、廃墟と化した大都会に生存者が一人だけの舞台設定‥‥、オレは
久しくハリウッドではお目に掛かったことの無い“静のSF映画”ってやつを期待した。
で、映画序盤は、オイラが思い描いた通りで上々の滑り出し。愛犬のサムやら、
ストアのマネキンやらに声を掛け、健気にも気を紛らわせる主人公の姿、そこには
救い難い現実と、絶望的な孤独の大きさを量り知る。ところが物語も中盤あたり、
ウィルスに感染し、(目は赤く充血し、体毛は抜け落ち、)もはや人間の面影さえ
残さない感染者たちが現れた頃から、いよいよ雲行きが怪しくなってきた。凶暴化し、
暴徒化したヤツらは、夜な夜な集会場に集まって、人を襲いにやってくる。更に、
他の生存者母子と合流した主人公一団は、家の中に隠れて外部からの進入を防ぐ
攻防戦へと移っていく。あれれ?、これの構図って『ゾンビ』と一緒じゃん(笑)。
気が付きゃ、序盤の静かで落ち着いた展開が嘘のように、何とまぁアクション色の
強いSFになっちまって…(笑)。思うに、この映画が本来のそれに見合ったあり方で、
独自のテーマ性を描くとすれば、決してゾンビ(←ここではあえてそう呼ばせて
もらうが)と戦うことではなく、地球上でたった一人となった主人公が、その人生の
何処に“小さな希望”を見出していくのか、というドラマ性ではなかったのか。いや、
極端な話、(多少のフラッシュバックシーンは仕方ないにしても)物語の最初から
最後まで、登場人物がウィル・スミスだけも構わないとさえ思ってた。更に言えば、
一人ぼっちで話し相手もいない主人公が、(たとえ犬であろうと、マネキンであろうと)
言葉を発するはずがない。しかし、その“不自然さ”を、いかに違和感なく“自然な
形のセリフ”で描くことが出来るか‥‥、それが今回、脚本家と監督にとって“腕の
見せ所”であった筈なのに。結局、この映画は折角他にはない個性を持ちながら、
それを自ら放棄して、“SF娯楽としての居心地の良さ”にどっぷり埋もれてしまった感じ。
物語前半部分の秀逸さと、全編を通したウィル・スミスの存在感など、作品として
良いところも沢山あっただけに、平凡なSF映画に終わってしまったことが返す返すも
残念だ。



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『処女の泉』、観ました。

2007-12-19 21:18:53 | 映画(さ行)





監督:イングマール・ベルイマン
出演:マックス・フォン・シドー、ビルギッタ・ヴァルベルイ、グンネル・リンドブロム、ビルギッタ・ペテルソン

 『処女の泉』、観ました。
16世紀、スウェーデンの片田舎。“キリスト受難の日”である今日、豪農テーレの
一人娘カーリンが遠くの教会にローソクを捧げに出掛けてゆく。召使い同然に
扱われている身重のインゲリが付き添っていたのだが、彼女はまだ若く美しい
カーリンに嫉妬し、途中で同行を渋ってカーリンを1人で行かせてしまう。そして
カーリンは、途中出会った3人の浮浪者に親切心から弁当を振舞うのだが‥‥。
 この映画を自分のアタマの中で消化するのに、もうしばらく時間が掛かりそう。
神の存在とその意思について…、人間の隠された本性について…。いや、むしろ、
時間の経過と共に、様々なシーンの様々な事柄が絡み合い、まずます主題の
深さに考えを巡らせてしまう。
 映画は、まず、身分卑しき者が高貴な者を羨(うらや)み、妬み、破滅へと
追いやろうとする。一方、3人の罪深き男たちは自らの欲望を満たすために乙女を
傷つけ、そのすべてを剥ぎ取ってしまう。また、娘を穢され、殺(あや)められた
その父も怒りの感情に身を任せ、仇の相手に復讐の剣を立てる‥‥。そこには
人間の嫉妬と欲望が聖なるものを喰い荒らし、憎しみと暴力が蔓延(はびこ)る
“不毛の世界”が存在する。観ながらオイラは、同じ人間として目の前で
繰り返される“愚行の連鎖”に心を痛め、同時に、そんな乱世でどこに救いを
見出すべきか、世に言われる“神の御加護”とやらに疑問を抱く。だって、そこで
犠牲に晒(さら)されるのは他でもない、敬虔なる信徒の一家なのに、どうして??、
かくなる上で彼らに救いの手を差し延べない“神の意思”とは??、いや、その前に、
オイラがここで気になったのは、彼ら一家にとっての“神の存在”とは何だろう??、
その信仰心よりもオシャレの方が気になる娘…、(信仰よりも)娘こそ人生の
すべてだと言ってのける妻…、そして、復讐という神への背徳行為で自らの
手を血に染める父…。彼らは一応に信仰を重んじ、神に頼っているものの、
時に邪悪の姿が垣間見え、その信仰心が揺らぐことがある。言い換えれば、
心から神の存在が忘れ去られたその瞬間、“心の弱さ”から悪に支配されて
しまうのだ。思うに、監督のベルイマンは、この映画を通して、人間の心の奥底で
脈打つ“卑しき血”を暴き出し、人間自らが作り出した“その悲惨な現実”を前に、
(神ではなく)我々が未来に何を成すべきかを問い掛けたかったのではないか。
ラストシーン、死んだ少女の下の地面から“神の泉”が湧き出てくる。それは、
ひとつの悲劇を糧にして、その罪を洗い流し、この荒んだ人の世と乾いた心を
潤いで満たせよという…、これこそが“神の意思(シグナル)”ではなかったのか。
この考えに至るまで、様々な想いが浮かんでは消え、また浮かんでは消えて
いった。きっと、これからも明確なる結論など出るはずもない。が、少なくとも今は
そんな風に思いたい。



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『レミーのおいしいレストラン』、観ました。

2007-12-15 19:55:42 | 映画(ら・わ行)





監督:ブラッド・バード
声の出演:ルー・ロマーノ、パットン・オズワルト、イアン・ホルム、ブライアン・デネヒー

 『レミーのおいしいレストラン』、観ました。
優れた鼻と舌を持つネズミのレミーは、一流シェフになるのが夢。ひょんな事から
パリに辿り付いた彼は、今は亡き名シェフ・グストーの幽霊に出会い、彼のもの
だったレストランへ導かれる。そこで料理の才能ゼロの見習いシェフ・リングイニが、
店の大事なスープを台なしにしてしまうのを見たレミーは、思わず味を整えに走る。
レミーの才能を知ったリングイニは、二人でパリ一番のシェフを目指すのだが‥‥。
 本当は、3歳の娘が観たそうにしてたのでレンタルしてきた訳だが、あいにく
娘はCGアニメが苦手なようでお気に召してもらえない(笑)。結局、仕方ないので、
オイラ一人で観始めたのだが、だけど今にして、この映画を娘と一緒に観ないで
良かった…。最初はゆったり構えて観ていたオレも、いつしか映画の夢の世界に
引き込まれ、最後は恥ずかしながら泣かされた(涙)。夢と希望に満ちた
ストーリー展開、未来へと続く前向きなテーマ性、そして何より、キャラクター
設定の素晴らしさ…、可愛くてバラエティーに富んだ登場人物たちが、生き生き
とした描写でスクリーンに命を吹き込まれていく。メインとなって活躍するレミーと
リングイニの主人公両者はもとより、レミーの頭の中で作り出されたグストーの
幽霊や、ちょっと(?)ヌケてる野ねずみ軍団、どこか脛にキズ持つ強面(こわもて)の
コックたち…、「キャラクターが命」といわれるアニメーションだけあって、さすがに
よく考えられている。これならば、子供は勿論のこと大人まで(但し、我が家の娘は
除くが(笑))老若男女誰がどこから観ても楽しめるハズ。あたかもディズニーらしい
良心的な仕上がり、家族揃って温かい気持ちになれる一本だ。
 さて、作品本来の出来とは別に、オイラが個人としてこの映画を推すのには
理由がある。オイラ自身が主人公の少年と同じように調理師で、かつて同じような
世界(境遇)を体験したからだ――不安で逃げ出したくなる気持ちのまま迎えた
初出勤の朝…、右も左も分からずに慌ただしい厨房の中で必死に自分の居場所を
探した日々…、朝早くから夜遅くまでコキ使われて、帰って寝るだけの部屋…、
少しずつ仕事に慣れ、やっと周囲から認められるようになった頃の嬉しさ――
映画を観ながらあの頃の思い出が蘇(よみがえ)り、色々な感情が込み上げてきた。
いや、断っておくと、何もオイラはノスタルジックな感傷からそれを良しと言ってる
のではない。それはコックだけに限らず、長きにわたって“物を作り出す仕事”に
携わっていることで忘れがちになっていた大切なもの…、あの頃の”初心”に
再び触れたような。確かに、物を作り出すことは容易ではなく、大きなエネルギーを
必要とする。しかし、同時に、その苦しさを乗り越えた者にだけが味わうことの
出来る喜びと、やりがいの大きさを実感する。更に映画終盤、レミーの料理の
温かさに触れ、それまでの態度を改めるが如く、いつもは辛口批評家のイーゴが
書いた新聞評論が感動的だ。そこでは、どんな辛辣な評論を書くよりも、苦労して
作り上げた平凡な作品の方が遥かに価値がある、と。そうか、まったくその通り。
ここでは随分多くのことを教えられた…、ヤラれたゼ。



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『犯人に告ぐ』、観ました。

2007-12-11 20:22:23 | 映画(は行)
Hannin
監督:瀧本智行
原作:雫井脩介
出演:豊川悦司、石橋凌、小澤征悦、笹野高史、片岡礼子、井川遥、松田美由紀

 『犯人に告ぐ』、映画館で観ました。
大晦日。神奈川県警の巻島は、少年誘拐事件の捜査現場を仕切っていたが、
一瞬の判断ミスで犯人を取り逃がす。翌日、少年は無残な遺体となって発見され、
巻島は足柄署へ左遷となる。6年後、世間は川崎で起きた連続児童殺害事件に
騒然となっていた。捜査が難航する中、足柄で実績を挙げていた巻島に白羽の
矢が向けられる。県警本部の特別捜査官に返り咲いた巻島は、TV番組に出演し
犯人を挑発するという、大胆な行動に出る‥‥。
 子を持つ一人の親として、今、色んな想いが交錯している。小さな子供を殺す
という卑劣な犯罪に対する“怒り”と、同時に、いざ我が子に置き換えてみた時に
襲ってくる“(親として感じる)底知れぬ恐怖”と…、片や、感情論に走らず考えた
時に浮かび上がってくる、その事件の背景にある“社会の構造”について‥‥。
映画序盤は、そのあざけり声が聞こえてきそうな犯人のやり口に“激しい
怒り”を覚え…、しかし、映画が進むにつれて、新たな、それとは“別の感情”が
湧き上がってきた。物語の核となる児童連続殺人事件の裏側で、“現代社会の
膿”というべき諸所の問題が溢れ出し見えてくるのだ。例えば、縄張り争いによる
警察内部でのいがみ合い、組織において噴出する責任論と仲間同士で繰り広げ
られる権力闘争、また、過熱するテレビの視聴率合戦とエスカレートしていく
報道番組のウソ‥‥。思うに、この映画はサスペンス映画の形を借り、ある凶悪
犯罪を例にして、観ている我々に“様々な問題を投げ掛けている”のではないか。
そして、この映画は無言の内に“観る者を試している”‥‥、それは個人(の感情)
としてではなく、もっと広い視野に立って、この事件と我らの社会との繋がりを
考えてみることが出来ないか。今一度冷静になって、この卑劣な犯罪を生み出して
しまった“社会の構造に欠陥”がなかったのか、と。
 さて、この作品がその深いテーマ性においても…、また、技術的な部分に
おいても、本年度の日本映画でトップクラスにあるのは間違いない。分かり
易いところでは、映画プロローグで誘拐犯に警察が接触を試みる場面でのこと、
大晦日のカウントダウンパーティの“賑やかさ”と対比して描かれる、ミスの
許されない身代金受け渡しの“緊張感”‥‥、ネガティヴな感情を強調したい
手段で、その対照にあるものを背景に描くのは、映画作りの基本ではある
のだけど、ここではそれが最も効果的に使われている。また、人物描写に
おいても、メインとなる登場人物は勿論のこと、主人公の捜査方針に不信感を
募らせる部下達の苛立ちと上司の思惑…、その中に入って唯一主人公に
信頼を寄せる老刑事の胸の内…、捜査のミスによって子供を殺された両親の
悲痛なる叫び…、更に、同じ子を持つ母親として事件を伝える女性アナウンサーと、
主人公をただ見守ることしか出来ないその妻の不安‥‥、この映画の凄さは、
常に“多面体”として、様々な角度から一つの事件を描いている点だ。先ほど、
レビューの中ほどで、この映画を評して「サスペンス映画の形を借りた」と
書いたが、ある意味、ここには“サスペンス映画を超えた”ところでの、重厚な
人間ドラマが存在する。確かに派手さはないが、“しっかりと作り込まれた”
印象の秀作だ。



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『敬愛なるベートーヴェン』、観ました。

2007-12-07 20:17:27 | 映画(か行)





監督:アニエスカ・ホランド
出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グッド、フィリーダ・ロウ

 『敬愛なるベートーヴェン』、観ました。
1824年のウィーン。“第九”の初演を4日後に控え、未だ合唱パートが完成
していないベートーヴェンのもとに、作曲家を志す若き女性アンナがコピスト
(写譜師)として送り込まれる。女性のコピストが現われたことに激怒する
ベートーヴェンだったが、やがて彼女の才能を認め、仕事を任せるのだが‥‥。
 実は、オープニングの数分間を観た段階で、“ハズレ”の予感がなかった
わけじゃない。切り替えが早いだけでうるさ過ぎる編集や、意味もなく
過剰なエフェクト(映像効果)など、そんな“小手先の映像”に疑問も感じ、
どうもすんなり物語へと入っていけない。更に、以降の展開をみてみても、
その晩年、難聴に苦しんだベートーヴェンの苦悩や激しい感情??、あるいは、
女性コピスト(写譜師)アンナとの間に芽生えた奇妙な絆??、そのどちらに
主題が置かれているのかハッキリしないまま、全体に“ボヤけた印象”が
漂っている。それでも、ベートーヴェンの名曲の数々と、それにまつわる
エピソードをたっぷりみせてくれれば、オイラとしては最低限、それでも
良かったのだけどね。そもそも偉人の半生を“たった100分あまり”で
描こうとする自体に大きな無理がなかったのか。ぶっちゃけ、期待をもって
観ただけに観終わった後の落胆の大きさと、消化不良は相当なもの。
やはり、この手の映画を観るにつけ、改めて、かの『アマデウス』の偉大さを
感じずにはいられない。
 まず、最初に断言しておくと、映画はそのすべてにおいて『アマデウス』を
意識して作られている。あらかじめ冒頭で物語の最終地点を開示しておいて、
そこに至る過程を振り返っていくドラマチックな物語構成…。それから
『アマデウス』にみられる“天才と凡人の関係”が、本作ではベートーヴェンと
アンナ、又は甥のカールに置き換えられた人物構成…。更に、その両者間に
立ち塞がる“圧倒的な才能の差”を通して浮かび上がる“神への想い”など…。
ただ、残念ながら、本作の欠陥は、『アマデウス』のサリエリがアマデウスに
感じた“激しい嫉妬”であったり、“憎悪”であったり、“憧れ”であったり、
“憐れみ”であったり…、時と場所によって目まぐるしく移り変わる“スリリングな
感情の起伏”とでもいうのかしら。ところが、この『敬愛なるベートーヴェン』では
それが一本調子で両者の間に“研ぎ澄まされた緊張感”を感じることはない。
よって、物語に艶がなく、登場人物に魅力を感じないのは、そのせいでは
あるまいか。結局、この映画は“『アマデウス』のカリスマ”に近づこうする
あまりに、まるで映画の中のアンナのように、『アマデウス』のスタイル全てを
写譜(コピー)してしまった。
 最後に、エド・ハリス演じるベートーヴェンは、何故か“マッチョな裸”を
見せたがる?(苦笑)、“音楽家”である彼に、やはりそれはどう考えてもヘン…。
何より“ダイアン・クルーガーの美しさ”だけが際立って見えてしまったのは、
映画としてはチョットさみしい。



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『シュレック3』、観ました。

2007-12-03 23:19:11 | 映画(さ行)





監督:クリス・ミラー
声の出演:マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィ、キャメロン・ディアス、アントニオ・バンデラス

 『シュレック3』、観ました。
フィオナ姫とめでたく結ばれたシュレック。病に倒れた父王のハロルドからは
後を継ぐようにと言われるのだが、とても王を継ぐ気にはなれない。そこで
シュレックはもう一人の王位継承者アーサーを探す旅に出る。その頃、ズル賢い
チャーミング王子は、王国を乗っ取ろうと、“おとぎばなしの悪役”たちと共に
反乱を起こそうとしていた
 続編が作られていく毎に“マンネリ化”が進み、そのたび“新鮮味”が失われて
しまうのは、刹那…、すべての“シリーズものに共通した宿命”か。やはり今回、
この『シュレック3』を観てみても、かつて1作目で体中に電流が走った頃の
衝撃は当に消え、かといって、2作目みたく新キャラクターの登場で見せ場を
作るといったものも見当たらない。残念ながら今3作目は、今まで通りの
キャラクターで、今まで通りの展開に終始する‥‥、例えは悪いが、もはや
茶殻から“旨み”は残らず出尽くして、その色だけもってお茶だと言ってるカンジ。
よって、今作をもって“シリーズの限界”を痛感した人も多ったのでは??、
個人的には、特に1作目が素晴らしかっただけに、こうしてフェードアウトして
いくのは、何とも寂しい気持ちがするんだけどね。
 さて、映画は、シュレックが“父親”に…、又いじめられっ子のアーサーが
“国王”になれるか否かと通して、「今までの自分を変えること(あるいは、
超えること)が出来るのか」を問う内容。しかし、観ながらオイラは、果たして
それが『シュレック』全体のテーマに相応しいのかどうか‥‥、少なからずの
違和感を感じてしまう。というのは、このシリーズの根幹にあるテーマって、
「外側からの“見てくれ”とは違う、その内側に隠された“本当の姿”」では
なかったのか。時に、それは“心の美しさ”であったり、“真の強さ”であったり、
“永遠の愛”だったりした。ところが今作では、シュレックとチャーミング王子との
敵対構図だけを前面に、シュレックが“醜い怪物”である必要などなかったように
感じた。言い換えれば、今作は、別に“主人公がシュレック”じゃなくとも十分
成り立ったのではないか。まぁ、それでも、唯一楽しめたのはネコ好きのオイラにして、
“長靴をはいた猫”が大のお気に入りキャラだから、その登場場面には思わず
ニヤニヤしてしまった(笑)。いっそ(シリーズの)今後は“長靴をはいた猫”を
主人公にしたサイドストーリーでもやって展開してくれれば、オイラはそれでも
良いんだけどさぁ(笑)。



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